この先

この頃頻回に脳裏をよぎることがある。

離婚したい。

今すぐではなく、遠い将来。

今は密かな考えとして頭に描いてそっと引き出しの奥にしまって鍵かけておいたらいい、くらいの気持ちでいる。

でも、この人と一生一緒にはいたくねぇな、っていう意志が、今間違いなくあるし、この意志がこの先薄らいでいくことがあるのか、甚だ疑わしい。

確信しているというか。
人間的に、ちょっと許容しがたいな、っていう面が如実に見えてきてしまった。

相手によって態度が違うのは、人間度合いは違えどあるだろうし自分も他人のことを言えたもんでないけど、実親、特に実父への当たりがあからさまにキツい。

本人は「議論してる」つもりらしいけど、何かにつけて実父の意見に自分の意見をぶつけて倒そうとしてるようにしか見えない。会話に穏やかさはほぼ感じられないし、そもそもキャッチボールになってないことも多々ある。

自分の言いたいことを正論のように振り翳して論破したつもりになってるだけ。のように私には見える。確かに実父も偏った意見を言うことが多いし、はっきり言ってまともに会話の相手をするのはしんどいタイプだ。だから実の親だったら私も粗雑に扱ってしまうとは思う。

でもな、それを自分の配偶者や子どもの前で繰り広げるのはどうかと思うんよ。

この叩きのめしてなんぼの会話が繰り広げられるのは、だいたいが食事時。ご飯は明るい話題で楽しく穏やかに食べたいのよ。あなたたち2人以外にはどうでもいいお題でイライラやら上から目線やら、そういうイヤな態度が節々に垣間見える会話をBGMにご飯食べたくないのよ。

もし実父が亡くなったら、このイヤな会話の餌食に次にされそうなのは、実子。お父さんはお前らよりエラいんだ、アピールをガンガンやってきそうで、今から想像しただけで吐きそう。

今でも既にその片鱗は見え隠れしている。小2の娘の着る服に、今日は暑くなるからそれはやめたほうがいい、だの、今日は気温が何度だから厚手の服を着た方がいい、だの、細かく口出ししてる。娘は今わりとパパっ子だから、自分から今日は何を着たらいいか聞いてる時もあって、正直私は気持ち悪い。直接口に出して言ってはないけど、かなり嫌悪感を抱いてる。自分の着るものぐらい自分で判断して自分で決めてほしい。

他にもある。休みの日にドライブしてて、山間の道路を走ってて、野焼きをしてるところを通り過ぎて、なんで野焼きをするのか、という質問を娘が夫にした。そのあと延々と化学的な知識に基づいてるのかなんか知らんが、土地をアルカリ性にしないといけないから云々…小2の娘が一体どれだけ理解できただろうか、悪いが大人の私でも全ては理解できないような蘊蓄を延々と語り出し、娘は黙って聞くだけ。車内は夫の野焼き解説のワンマンショー。

本当のことを回答するのに必死なんでしょうね。全然楽しくなかったわ。それでうわー、パパってそんなに長いこと野焼きの説明ができるんだー、すごいねー、なんて言おうもんなら、変に拗ねて機嫌を損ねるので何も言えねー。

娘からの質問には全力で正論回答。答えは全部私が教えてあげますよ、すごいだろ、の上から目線ビームでそのうちあなただけじゃなくて私らの頭皮もハゲるかもしれん。心配やわ。

今はまだウザがられるような年齢になってないからいいけど、もう数年後には娘に冷めた目で見られるようになると思う。コイツとはしゃべりたくねぇな、って、早々に愛想つかされると思う。

娘も息子も、どうか反面教師にしてくれますように。こんな人にはならないでほしい。

直して欲しいと切り出したところで、私が問題だと思ってることの何が問題なのかが多分理解できないだろうし、自分を否定されたと思って不機嫌になって言い訳の羅列が始まり、そのうち話が何か違うものにすり替わってしまってまともな話し合いにはならないだろうから、言う気もない。

言う時は、離婚という単語を使いながら切り出す時になるかもしれないな。

人の性格なんて直るとは思ってないから、自分がどうしても耐えれないんなら、去るだけだ。

今はまだ耐えれる。子どもも小さいし、義両親も健在だし、この程度で離婚と言い出すのは違うなと私も心底思ってる。

ただ、今の夫が本当にこのまま生涯末永く一緒にいたい存在だとは残念だけど感じられない。その事実に気づいてしまったことが、けっこうガッカリというか…まあ、人生そういうこともあるよな、とは思うけど。

パートナーが、自分にとってのベストパーソンだと思える人が心から羨ましい。

ジャックが抱えてる深い心の闇はあったけど、THIS IS USのレベッカとジャックみたいな夫婦になってみたかったな。ランダルとベスの関係も素敵。Perfectly imperfect. 完全なる不完全。前向きにそう言い切って、受け入れて2人で片寄せあって歩んでいく。そんな関係を築ける人に、この先もしもチャンスがあったら、出逢いたい。その人とどうなりたいわけでもない、ただ、この世にそんな人がまだどこかにいるなら、出逢ってみたい。


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