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息子もマーチング部に入ったってよ

2014年9月

娘のマーチングデビューを見て、マーチングが圧巻でカッコ良かった。そこである楽器を演奏する姿を見て、来年入部すると決めた。(息子の人生を変えた日にも書いていますが)ところが顧問の先生から今すぐ空いているスポットがあるからやらないか?との提案があった訳です。

心の準備もお金の準備もしていなかったけれど、とにかくダラダラした週末をこれ以上過ごして欲しくなかったし、娘が充実した姿を見ると、ここに一緒にいたら楽しいだろうな。。。と考えていたので、息子の気が変わらないうちに入部手続き。

前にもどこかで触れたかもしれないけれど、マーチングは体育の授業。音楽ではありません。なので入部の為に運動部に入部する為の書類をたんまり提出する訳で。アレルギーが無いかなども含めて、最終的には軽い健康診断も義務付けされている。初年度は知らなかったので病院へ行って、60ドルくらい払わなくてはならなかったけれど、実は毎年入部前にお医者様が高校に来て診断してくれる。しかもボランティア的にというので20ドルくらいで済む。色んな形のサポートがあって有難い。緊急連絡先なんかも提出し、無事入部完了。

練習初日はいきなり日曜日の朝9時から夕方5時半まで。大丈夫やろか。。。辞めるって言いそうな、長い時間。とりあえずテンション上げてもらうべく私がやったことはこれ。

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そう、お弁当です。お昼ご飯がいるので、いなり寿司を作って食べ物でごまかす。姉がいるとは言っても全く違う楽器を演奏するので、違う場所で練習する事も多い。せめてお昼ご飯を楽しみに過ごしてもらえたらという母心で用意。渡米して初のいなり寿司だったので、テンション上がっていたのは間違いない。

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息子の楽器:ラック(色んな打楽器を担当)

息子に与えられた楽器はラックと言って、色んな打楽器を担当する役割。マーチングなのにマーチしない楽器。なのでいきなり入部できたって訳なんです。本来なら入部人数に合わせてマーチのフォーメーションを決めるので、途中入部は娘のように欠員のあった場所の穴埋めしかできない。ところが打楽器はマーチせずに、その前に陣取ってマリンバ、ザイロフォン、大太鼓などを演奏する。このセクションをピットと言うんだとか。この高校のマーチングはこのマーチしないピットが大御所なのも有名。入部当時はマリンバ6台、ザイロフォン4台、大太鼓2個、ゴング2個、シンセ2台、ベル1台、チャイム1台、ラック2台、スピーカー4台。。。とにかく大御所。

もう一つ入部できた理由は、同じセクションに日本人の先輩S君がいた事。基本的には英語が出来ないと、指導も困難だし、特にマーチする場合は危険を伴うので入部は難しいと顧問の先生は話していた。でも『日本人がいるよ!』と言うのと、マーチしないと言うので入部許可が出た訳です。S君は幼少期に渡米しているので、ネイティブ。とにかく心強かった。彼がすごかったのは甘やかしすぎなかった事。ずっと付きっきりで指導するのではなく、基本はセクションリーダーのM君に任せ、どうしても困った時だけ助けてくれるというスタンスを取ってくれていた。そうでなければ今頃息子はもっと英語で苦労していたかもしれない。

と言う訳で無事に「楽しかった!」と帰宅した息子が続ける。

「今日セクションリーダーのM君の家でパーティーだから来てって」

え?いきなり入部初日からパーティー?!?聞くと毎年シーズンがスタートして大会が忙しくなる前に、リーダーM君のお宅でパーティーを開催しているそうで。たまたま入部した日だったけれど、同じセクションだしと言うのでお誘いを受けたそう。いきなり英語ばっかりのパーティーに、渡米1ヶ月のつたない英語力で行くのか?!?物凄い度胸か、あまりその恐怖を分かっていないのか、単にパーティーだし楽しそうだと思ったのか分からんけれど、息子は行くから送って欲しいと。入部初日、いきなり英語だらけで15人程のパーティー参加すると決めただなんて、きっといい部員に囲まれたんだなと。

パーティーにはだいたい何か持って行くはずなんだけれど、全然わかんないと言う息子。何時に終わるかも分かんない。そしてとにかく来てってしか言われていないと。なのでそのままパーティー会場のお宅に送り届けると、M君のご両親が出迎えてくれた。「マーチングチームに入ってくれてありがとう。息子も喜んでるよ」とお父さんが。いきなり沢山の方に受け入れてもらえて息子は幸せもんだなぁ〜としみじみ。

このお宅には裏庭に大きな木があって、そこにブランコがつけられている。息子はこれ気に入ってめちゃ遊んで楽しんでいたそうで。とりあえず夜10時ごろに迎えに行ったら、皆に「みんなまだまだ残っているのに帰るの?」と言われたそう。そっか〜皆明日休みだし、夜更かしするんやね〜と思いながらその場を離れて息子と帰宅した。

後でM君から聞いたら、実は毎年このパーティーは持ち寄りで、しかもお泊まり会だったそうで。息子はそこまでの英語力がなく理解していなかった!手ぶらで参加したやん!それでもM君曰く、英語も喋れないのに、入部初日だったのにパーティーに来てくれたことが嬉しかったと。息子があまりにも楽しそうにブランコで遊んでいたので、部員の皆んなも彼の楽しそうな姿を見て喜んでいたよと。殺伐とした時代で、新しい仲間を作るのが難しい環境でもある中、こうして素敵な仲間に出会えた。娘同様、マーチング部に入部して、本当に沢山の方に出会えた。本当に思ってもいなかった母子留学生活が新たにスタートした。そしてここから私達家族の人生が大きく変わっていった。

学び:とにかく行ってみると言ってくれた息子に感謝

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