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五感に伝えるスタイリングとは。



今日は、
先日、写真展のスタイリングを担当させていただいたLa vie factoryさんの
「 写真展 home  」のプランニングについて書きたいと思います。

「 写真展 home 」

“home”をキーワードに結婚に留まらず人生のあらゆる場面を捉えた写真展
ハレの日とケの日を繰り返す暮らしの中、
人がいる限りシャッターを切り続ける
そんなフォトグラファーたちの、はじまりも おわりもない写真展




プランニングするにあたって最初、クライアントさんからヒアリングした内容は、以下のとおりでした。
・写真展にインテリア感が欲しい
・広いスペースを十字に仕切って、展示スペースを4ブース(リビングや寝室等)シーン別に作りたい

ですが、私が最終的にご提案したのは「4ブースではなく、拘った1ブース。予算を1ブースに投入してはどうか」という、4ブースの図面が出来上がっていたにも関わらず、ちゃぶ台をひっくり返すような、ご提案をしました。

理由はシンプルで、予算内では4ブースに散らばると細部まで拘れなくなってしまう為。
さらに、クライアントさんが写真で伝えたい想いを、展示(見る)ではなく、体感(感じる)したものとして、来客された方に持ち帰っていただきたかったためです。



結果、提案を採用していただき、私の担当する空間の展示写真は、1つの家族に限定し「その家族のお家に遊びに来たような部屋を1つ作り、その部屋には、実在する2人が結婚をし、命を授かり、パパとママになっていく軌跡」を展示することになりました。


展示内容について

ワードローブには、イタリア(アマルフィ島とフィレンツェ)で撮影されたウェディングフォトから、この部屋のストーリーは始まります。


ウェディングフォト周りには、2人がイタリアから持ち帰った来たお土産。(ここは、私のイメージで集めました) 
イタリアの「ポプリ」や、アマルフィ名産の陶器の「アッシュトレイ」お皿にはその旅で余って持ち帰った「ユーロのコイン」。
(スノードームも置きたかったんですが、良いものが見つからず断念。)

そして、部屋に入ると、サンタマリアノヴェッラのポプリの香りが迎えてくれます。

展示写真とスタイリングが、リンクするよう、想い出のカケラたちが、写真鑑賞を手伝えるように、設えました。

展示会の時点では、3歳と7歳の女の子がいる家族になられていたので、部屋の所々に女の子の気配のする小物を配置。

入り口すぐのウォールフックに「小さいサイズの羽織もの」や「リボンの付いたヘアゴム」などを引っ掛け、窓辺には子供からの手書きのお手紙をピン📍

(手書きのお手紙は、今回ご依頼をくれたフォトグラファーの椿井さんが、実際にお子さんから貰った大切な物をお借りしました)



もう1つ、譲れなかった設え、と言えば、窓の外から空間へ差し込む光。 


部屋にひだまりのような温かさが、欲しかったので、それを実現させるため「フランスのアンティークの窓枠」を取り付けました。


かなり重量のある窓枠は、何度も取り付け方法を模索しながら、とても苦労しました。(代替えのない古いものは配送も一苦労)
最後の照明の色や角度にも妥協せず、想いに沿ってくれた職人さんには感謝でいっぱいです。


入り口のドアから、中を覗き込むと、部屋の奥に差し込んだ光が見えるように構成、ライティングをしています。

wakamethingsのスタイリング

私たちは、スタイリングオフィスなので、スタイリングやディスプレイが主な仕事ですが、wakamethingsで行う「スタイリング」は、クライアントさんごとに全く異なり” 設え ”に近いと捉えています。


私が解釈している” 設える ”とは、"今日のこの日、あなたのために"という意味合いが強く、季節感なども大切にしたいと思っています。


"設える"というワードから、茶道の精神を例えに書くと、
「大切にしている器をあなたのために使います」という意味になります。
その会の季節やテーマに沿った演出を行うという意義も含まれています。

私のスタイリングという仕事で当てはめるとしたら、私にとっての「器」は、知識や経験を元にプランニングで選定した物など、「テーマ」は、クライアントさんの持つコンセプトや目的地なのかな、と思います。

前日まで、小物などの手配に走り回り、設営が終わったのは、朝の8時。
さすがに放心、抜け殻状態で、疲れ切った体を温めるために、銭湯に走ったんですが、急いで開場した展示会に戻ると、沢山の来場者で溢れていて、一気に銭湯に入るより、温まった日になりました。

開場をあとにする前に1枚記念撮影


スタイリングの意図を文字におこして、書く機会はあまりなかったのですが、今後はそんなことも綴っていきたいと思います。

では、また次のnoteでー👋🏻

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