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船の上から
前回の道北スタディーツアーで、羽幌町観光協会の女性スタッフにおすすめされていた、天売島・焼尻島へ。
2つの島へのアクセスは船のみ。天候が悪ければ欠航となり、はるばる羽幌にまで来ても島に渡ることができない。
でも、今回は天候の心配は無さそうだ。
道北の旅4日目、今回の旅のテーマは、「不自由を楽しむ旅」。
まずは4時間30分かけてマイカーで羽幌フェリーターミナルへ。
明け方に着いたので少し仮眠。
乗用車14台を乗せられるフェリーと、高速船のどちらかに乗ることになる。
朝いちはどちらの船も乗船受付開始したので、結構なお客さんが並ぶ。
8:30発〜焼尻経由〜10:05天売島着
ここでさっそく最初の焦りポイント。双眼鏡とツェルト設営に必須なストックをレンタルしようと思っていたのに、観光協会さんが空いていない。オープンは9時。
船が出航した後だ。
「あちゃ〜やらかした!」と思っていたら、乗船間際、観光協会さんが空いていて、ニコニコしたお兄さんが立っているではないか。
(わたし) 「おはよう御座います。あ、あのう、もう借りれますか?」
(お兄さん)「はい、大丈夫ですよ。」
やっっっっっったぁ!!この時、お兄さんに後光が差していたのは言うまでもない。
無事、ストックと双眼鏡をレンタルできた。
1泊2日の島旅、ザックひとつ、身ひとつに心強い相棒だ。
約1時間30分かけて天売島に到着。寝ぼけていたので途中の焼尻島で上陸してしまい、慌てて戻る。
島に着いたら食料と水の入った重たいザックを背負って、さっそく島歩き開始だ。
徒歩でアップダウンの激しい道、1周約12㎞を回る。
携帯の電波は届かず、もちろん宿も予約していない。食事も至ってシンプルに、おにぎりやゆで卵、沢庵やチーズなどの行動食・・・と言うのは建前で、ただただお金をケチりつつ非日常を満喫したかった。
フェリーを降りてもわたしには誰のお迎えも無いが、ワクワクして歩き出す。
歩いていると、鳥がツツツ…とこちらへ歩いてくる。
なんだか嬉しくなり、海鳥と共存してきた島への感謝に変わる。
・
島には商店が2軒ある。地元の人も買物に来るお店。
ここで自分用にポストカード1枚を買おうとするも、いくら呼んでもお店の人が出てこない(笑)
「ごめんなさいね」
と中からおばあちゃんが出てきてくれた。そして、ポストカードと同じ棚に並んでいた、ペナント形の栞(ポストカードの3倍くらいの金額のやつ)をお土産にと下さった。
ありがとうございます。
嬉しくてザックに付けようかと思ったが、勿体無くてついに付けられなかった。
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黒崎海岸に到着。
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カモメの繁殖地。道沿いに鳥が休んでいる。
アスファルトや土の上に胸を押し付けるようにして休む鳥をみるのも、勿論始めてだ。
崖から下を覗きこむ。
海鳥の多さに圧倒。思わず声が出た。
来て良かった。見れて良かった。
・
古い井戸や木造の学校、商店など懐かしい景色が並ぶ。昔の日本ってこんな感じだったんだろうな。
言葉は交わさなかったけれど、お互いに、「おっ、また会えましたね」と思わず相好を崩す相手もいる。
「あんたも好きねぇ」
そんな事をお互い感じていたように思う。
こんな嬉しい体験ができるのも、島と言う独特のロケーションだからこそ。
天然記念物も見ることができた。
・
わたしは職業柄、時に深く深く人の心の奥底を覗かせてもらう。
だから時々、自分の心がよく分からなくなる。
島では、過剰に適応する必要がない。
清く正しく美しく、なんてお仕着せの価値観も要らない。
〜つづく〜
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