なりたい、やりたいを実現し妊娠へと導く【妊活プランナー】が誕生するまで#56

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若返り鍼灸師の山田和宏です。

絶望から下を向き、流れに身を任せてみようと思ったさなか、新たな出会いがあり、鍼灸の技術を磨く面白さに気付いていきました。

前に進み出したと思った直後、今までの自分の生き方を問われる、最大の難関が訪れる事となります。

#55からの続きです。

美容鍼の技術はとても難しく、ただ顔に鍼を刺せば誰でも変化が出るという訳ではありません。

父、母、姉、妻、受付スタッフで働いてくれているAさんに協力してもらい、ひたすら練習です。

顔の変化は人によってまちまちで、全員に狙った効果を出す事がとても難しかったです。

この時は、それが何故なのかわかりませんでしたが、今まで散々適当にやってきたので、自分の腕が下手くそなのだろうと、とにかく技術練習を繰り返しました。

上田式美容鍼を学んで1ヶ月が過ぎたころ、二つの困難が訪れました。

一つは、ネットワークビジネスのアップラインからの連絡が来て、会おうという事でした。

内容は全く理不尽な要求で、いずれ出入り禁止を解いてやるから、事務所に掛かる経費と、自分とは関係のない人の分の商品の購入をしろと言うのです。

とても普通の人間が考える様な事ではありません。

当然拒否をしますが、こちらの弱みに漬け込み、完全なる恐喝です。

顔を合わせたくはなかったですが、恐喝の証拠を掴むため我慢し、呼び出しのたびにボイスレコーダーを回しました。

連絡が来て、会おうと言われるたびに胃が捻じ切れそうになりましたが、半年間を掛けて証拠を集め、完全な恐喝として言い逃れが出来ない形を作りました。

警察に提出すれば、その人を一発で社会的に追い込む事が出来ますし、仕返しが出来る準備ができました。

ただ、私はそれをしませんでした。

何の意味もない。

そんな事などどうでもいいほど、救いたい、救わなければならない人が居たからです。

もう一つ、同時期に起きていた出来事、私の院で10年働き続けてくれた、スタッフのAさんの大病の発覚です。

2月頃から下血が始まり、3週間経っても収まっていきません。

さすがに病院に行き検査をしてもらってくるという事でしたが、衝撃の結果でした。

大腸癌のステージ4です。

確かに中学生から酷い便秘がありましたが、栄養の指導と私の施術で便秘は改善されていました。

その検査結果本当か?と思えるぐらい、当人は下血の事以外は元気で、

Aさんの妊活のサポートもしていたので、通勤の日のたびに体をチェックしていました。

癌になられた方のサポートも、何人もさせていただいてきましたし、自分の母も白血病の診断をされた事があります。

そういった大病を患っている方々のお体に触れている時の感覚や、体の状態を比べてみても、とても大病に掛かっているとは感じ取れませんでした。

しかし事実は事実、なんとしても救わなければなりません。

私は常日頃から、抗癌剤治療の危険性、また病気の克服の仕方についてを患者さんに伝えていました。

それを隣で聞き続けてきたAさんは、西洋医学的な治療を行わず、東洋医学と体質改善で病気を治したい、またそれを私に全て任せたとの事でした。

正直に私に掛かるプレッシャーは計り知れないほどでしたが、

命を救う事は当然な事ながら、Aさんが望み続けてきた元気な赤ちゃんを授かり、無事に出産を迎えられる様に、

大丈夫だから、必ず救ってみせる

だから安心して。

何年後かに、こんな事も有ったよねって

笑いながら話せる様に、

明るい未来をイメージして

一緒に乗り越えていこうね。

治療家としてだけでなく、1人の人間として、人生を賭けた約束です。

そう伝えると、涙を流して何度もウンウンと頷いていました。

時は3月の末、私は39歳になった翌日の話しです。

次回に続きます。

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