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アスファルト 作 松永 恭昭謀 登場人物 語り モグラ 女 犬 フクロウ 1 語り モグラはとても腹を立てていました。鼻がもげるような嫌なにおい、頭にゴンゴンと響く機械の騒音、それに体をじりじりと焼く熱。それは地面の上で人間がアスファルトを敷いていたのでした。いくら鳴いても喚いても、工事は止まるわけがありません。モグラは穴の端の方に横たわる女を蹴り飛ばしに行くことにしました。 女 お久しぶり。 モグラ やっぱりまだいた。 女 ええ、私はもう動けないから。