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【イラスト練習法】1年で神絵師になりました(独学編)

はじめに

こんにちは、ワカドリです。こちらは創作+機械学習 Advent Calendar 2021の4日目の記事です。副題は「機械学習でイラスト生成しようと思ってたらいつのまにか自分で生成することになってた話」です。

この記事の位置づけ

「絵が上手くなりたい!」と思っても、その方法を体系的にまとめたものって少ないです。「○○の描き方」~みたいな記事はあるけど、「ラフを描きます」→「もう上手い」「魔法かな?」みたいなお決まりのパターンです。

そこでこの記事には、1年で神絵師になった人間の記録を、コンパクトにまとめました。

あくまでイチ初学者なので再現性は保証できませんが、イラストを描く上で大切にしていることや、急激に上達したかな?、というポイントを述べていきます。

そうした要点を、上達の参考にして頂けると思います。

この記事には前半の約6ヶ月を記録しました。後半の6ヶ月はこちらの記事で公開してます。

明日のアドカレはstaprieggさんの「ミクさんNeRF」です。機械学習に関連してフォローさせて頂いてます。「電波女と青春男」懐かしいですね~、エリオアイコンかわいい。

絵を描くきっかけ

私は社会人です。いわゆる「美少女アニメ」が好きで、普段はよくゲームをしたりVtuberの配信を見たりしています。

特にあるイラストレーター(Kさん)の絵が好きで、かつて大学では「コンピューターにイラストを描かせる」というようなテーマを研究していました。

ありがたいことに、普段はそうした研究のスキルを活かして仕事をしています。

そんなある日、Kさん原画のゲームを遊んでいたのですが、遊び終わった時に喪失感を感じ、「Kさんの画風を再現したい!」と考えたのがイラストを描くきっかけでした。

また、イラストを描くのは非常に楽しく、本当に時間を忘れて没頭してしまいます。しかもSNSに投稿するだけで反応を貰えて嬉しい。

描く題材は色々で、アニメやゲームのキャラはもちろん、VOICEROID、Vtuber、オリジナルも少し、という感じでした。

半年間そういったテーマで描き続けて、少しずつ上達していきました。その頃の作品は全部pixivに載せてます。(2020.9~2021.2)

練習法

メンタリティ的な説明が多いです。

自分の"好き"を追求する

私はKさんが好きと言いましたが、その気持ちが狂っているくらい強いことが、おそらく最も効果的な練習法だったのだと思います。

一般的にも、お手本にするイラストレーターを少人数に絞る、というのは効果的です。

絵に限らず学ぶことは無限にあるので、「たった1人のイラストレーターを真似する」くらい絞ったほうが分かりやすくモチベも保ちやすいです。

イラストレーターでなくとも、好きなアニメの絵を描きたい、とか、好きなゲームの絵を描きたい、でも良いと思います。「とにかく上手い絵を描く!」みたいな漠然とした目標は、よほどの精神力がなければ、いつの間にか霧散してしまうと思います。

描き続けていれば「どうせ上手くなる」

「絵が上手くなりたい!」ですが、この”上手い”という基準は非常に曖昧で、上手くなることを目標にしてしまうと、一生かけても達成できません。かの葛飾北斎も90歳で亡くなる前、こんな言葉を残しました……。

「あと10年……、いや、もうあと5年長生きできたら、本当の画工になることができたものを」

世界でも有名で凄い人がそう言っているのだから、凡人の私にできることは、「上手くなる」以外を目標にすることです。

そこで大切なのが描き続けていれば「どうせ上手くなる」です。自分の好きなものを、何らかの形で描いてさえいれば、上手くなります。

じゃあ何を目標にするか?SNSでバズること?マンガのキャラクターを本物そっくりに描くこと?魅力的なキャラクターデザインをすること?写真と見紛うほどの絵を描くこと?誰と比べて?等々、目標やモチベーションは人によってそれぞれ設定するのが良いと思います。

私の場合、先程の「自分の"好き"を追求する」話ともリンクしますが、Kさんの画風を再現して楽しむことによって、描き続けられています。

描く時間は最大限確保する

何の分野でもまず壁になるのが時間です。特にイラストは1枚描くのに少なくとも数時間はかかります。

私は1週間に1枚というペースを強制的に設定しました。各々「これくらいが限界かな~」というゆるい目標にするのが大事です。大切なのは、描き続けること。厳しいペースを設定して、辛くなってやめてしまうのが一番の悪手です。

自由な時間に応じて「休日に1枚描いてアップする」とか「1ヶ月に1枚」とかもいいと思います。

私の場合は可処分時間を全て投資すると決め、平日は5時間、休日は14時間を確保することを意識していました。

もちろん息抜きとしてゲームや外出に時間を使ったりもしますが、単純計算だと半年で1000時間超の時間を投資したことになります。(1週間で5*5+14*2=53, 1ヶ月で53*4=212, 6ヶ月で212*6=1272h)

見返したら、だいたい月2~4枚のペースで描いてました。連休のある月は5枚描く場合もありました。

また「可処分時間を全て投資する」は結構キツく、色々なものを犠牲にしなければならない設定ですが、とあるすごい方の言葉を素直に受け取ってそうしています。努力モンスターになることが最低条件。

納得するまで時間をかけて描く

これも「自分の"好き"を追求する」に絡んできますが、好きなイラストレーターの再現が目標なので、粗末な絵を描いてしまうとモチベーションがダダ下がりします。

でも初学者に完全再現は無理なので、せめて顔だけでも!と考えました。自分でかわいいと思える顔になるまで、絶対に公開しない、としました。

そのためなら何でもしました。だいたいは描きたいイメージに近いイラストを参考にしました。自分の絵と参考の絵を反復横とびしながら、「あ、ここのバランスおかしいな」とか「ここの色はもう少し明るいな」とかを永遠に調整していました。

こんな調子なので、1枚のイラストに20~30時間はかけてたと思います。

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右下の「参考画像」の所にKさんのイラストを置いて、参考にしました。瞳だけにズームすることで、真似しやすくなります。

人に見せて反応を貰う

アウトプットとフィードバックの話なのですが、より良い反応を貰えるように練習法を変えていく、ということです。

人に見せる手段はいくつもあり、PixivやSNSに投稿する、家族や友人に見せる、プロに添削を依頼する、等が考えられます。

PixivやSNSに投稿しても、最初は殆ど反応が貰えないと思います。辛いんですよ。とてもよく分かります。しかし「反応を貰えない」というのもある種の反応で、じゃあ皆に反応を貰うにはどうしたら良いか?というフィードバックになるわけです。

私はこういった手段を組み合わせています。描いた絵はPixivかTwitterには必ずアップしていますし、友人に絵を見せたりしています。数ヶ月に1回ほど、プロに添削を依頼することもあります。

特にsessaという添削サービスは非常に強力で、少し値段は張りますが、プロのイラストレーターに、イラストの添削を依頼することができます。

次の2枚の画像は、実際にsessaで五七翔二先生に添削して頂いたものの一部です。大抵の先生はまず褒めて伸ばしてくれる(1枚目)のと、例えば顔の造形を指摘してくれる(2枚目)など具体的な改善案を示して貰えます。

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添削サービスが気になる方は、こちらから全文をご覧ください。

1年間の経過

ざっくり練習法を語ったところで、1年間の経過を見ていきましょう。ここからは技法的な部分もたくさん出てきます。

0ヶ月目

※R-18のゲームが出てくるので、18歳未満の人や苦手な方はブラウザバック推奨

2020年のお盆、時節柄実家に帰ることもなく、家でゲームをしてました。

Kさん原画のゲームは、だいたい3年に1度のペースで発売されます。当時の最新作が2021年発売で、早速それを遊んでいました。とても幸せな気持ちになりました。しかし僅か1日で終えてしまったため、Kさんの美少女に飢えた私は1つ前の過去作も遊びました。

とても幸せな気持ちになりましたが、それも数日で終えてしまい、2つ前の過去作を買いました。

しかし、はたと気づく。Kさん原画のゲームはこれで最後です。これを遊んでしまったら、次の新作まで3年待たなければならないのか?と思い、手が止まりました。幸せな気持ちになっていたのに、一気に欠乏症のような感覚に陥りました。

当時ははっきりと意図していたわけではありませんが、これを克服し、Kさんの画風を再現するために、絵を描き始めたのだと思います。

ここで自分で作る発想に至るところが、ポジティブに言えば行動力、逆に言えば、論理の飛躍というか、狂っているポイントだと思うのですが、自分でもよく分からないし、いつもこんな感じです。

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当時購入したペンタブレット(One by Wacom)と左手デバイス(CLIP STUDIO TABMATE)です。One by Wacomは数千円で買えて、学生の方にもおすすめです。
ペンタブと同じくらいするのですが、左手デバイスもなかなか便利です。Ctrl+Z(巻戻し)や画面の拡大縮小、回転などを空いた手で行えます。だいたい1.2倍くらいの速度で効率よく作業できます。キーボードショートカットを覚えたり、テンキーを買ってきてショートカットを割り当てたりする、と安く済むと思います。

1ヶ月目~2ヶ月目:VOICEROID編

この時期(2020.9~2020.10)は題材としてVOICEROIDという一連のキャラクターを描いていました。初音ミクのように、音声合成ソフトのイメージキャラクターですが、ニコニコ動画が好きだったのもあり、当時ランキングでよく見かけるキャラクターだったので選びました。そのうちの「東北きりたん」を描きはじめました。

アイデアスケッチ

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右上の○がついたものを、今回の絵に採用しました。おしりというテーマが決まっていたので、顔と同時に入れたかったので、必然的に腰を捻りつつ振り向く構図になりました。

描き始めはたくさんアイデアを出すために、極力簡単に描きます。もはや棒人間です。ちょっと生えた耳がキュート。。。それときりたんはゲームが好きなので、ゲーム機を持たせようと思いました。

棒人間でも良いのでいくつかパターンを出します。その中から良くなりそうなものを探します。

大ラフ

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ラフという工程のさらに手前の工程として、「大ラフ」を描きます。先ほどのアイデアスケッチを元に、より詳しく描いていきます。赤い線で描いたものが大ラフですが、おしりの部分は美術解剖学を参考にしてたり、青い人形はデッサン人形といって、ペイントソフトに付属の人形を参考にしてたりします。

この時に使った本がこれだったかな……。おしりの筋肉が全く分からねぇ!って内心叫びながら描いてた記憶。

ラフ

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カラーラフ

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カラーラフは本当におすすめです。試しに色を塗って、事前に印象を確かめることで、時間を節約できます。

1年経った今見ると、恥ずかしいくらい拙いんですが、当時は「美少女のおしりを描くぞ~」という一心だったかな……。ともかくラフ、線画、塗り、影と清書を進めていきました。

線画。顔がかわいくなるまで、ひたすら顔周りだけを修正しました。

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塗り。上段が下塗りと大雑把な影塗り、中段は詳細な影塗り、下段は色の調整後。

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そして完成したイラストがこちら。

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えっちなきりたんですね。拙いながらも、塗りのこだわりを感じます。

私の練習法の特徴として「常に本番と思って描く」があります。なので所謂デッサンとか模写とかいった練習をあまりしたことがなく、参考の絵をそのまま真似て、自分の絵に直に取り込むような形で描いています。美術解剖学とかデッサン人形がそうですね。だって常に美少女を見ていたいので……。

このきりたんは、下記の2冊を参考に描きました。特に乃樹坂くしお先生の「とことん解説! キャラクターの描き方入門教室」は1冊にイラストの全行程が収められているので、かなりおすすめです。

塗りに関しては「キャラ塗り上達術」がおすすめです。こういったバリエーションの中から、自分の好きな画風を探して、それを参考にすると良いと思います。私が選んだのは、表紙上段左から2つ目のユニコーンの女の子です。

特に学び始めのこの時期は、本当に、狂ったように本を買っていました。ネットや書店で、イラスト関係で少しでも琴線に触れた本を全て買いました。数万円かかりますが、買う価値はあると思います。

あと大事なのが、好きなイラストレーターの本を買うことです。モチベーションを保つことが一番大切です。好きなイラストレーターがいない場合は、Pixivを見たり、雑誌を買ったりして探すと良いと思います。

絵師100人展の本なんかはとてもおすすめです。今流行りの素敵なイラストレーターが沢山載っているので、きっと好きなイラストレーターが見つかるはずです。

京都のメロブでKさんの同人誌を買ってきて、1人でお祭りしている図

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そしてKさんのイラストを模写したり。とても楽しい。これはデカいスケッチブックを買ってきて鉛筆で描いてます。アナログ画材にも若干興味があります。

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また別の方で、Mさんという好きなイラストレーターを模写したのがこちら。KさんとMさんは構図が上手すぎるんよ。

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2ヶ月後のイラストがこちらです。

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当時ハマっていたゲーム実況のファンアートです。徐々に描き慣れており、背景も描こうとする痕跡が見えますね。

またこの頃から、下記の2つの習慣が付き始めました。

1. ラフを練るときは同時に複数パターンを考える
2. 1.で決めたラフを使って、カラーラフを作る

1.について、複数パターンのラフを練る時はこんな感じで、どれも共通して見下げられる構図だけれど、a.頭を撫でられているのか、b.駒としてつままれているのか、c.解体されようとしているのか、キャラクターのイメージに沿って複数のラフを検討します。これによりアイデアの幅を広げることができ、より良いイラストに辿り着きやすくなります。

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2.について、b.案を採用することにして作成したカラーラフがこちらです。繰り返しですが、カラーラフは清書する前におおまかに色を置いたもので、ラフと完成後のイメージができるだけズレないようにするための工程です。ちょっとダークでグロテスクですね……。

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3ヶ月目:アニメキャラ編

この時期(2020.11)は丁度、秋アニメが放送されており、中でも「魔女の旅々」を毎週楽しみに見ていました。主人公のイレイナが好きで、劇中のシーンに着想を得てこちらを描きました。

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放送中のアニメということもあったのか、PixivやTwitterでそこそこ反応を貰えました。Pixivに投稿した絵の中では、今でも閲覧数がトップです。肌色多めで今見ると恥ずかしいですね……。

ラフは8案練ってこんな感じです。右上の案を採用しました。イレイナの特徴はわきとふともも……。。。

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11月は他にも2枚のアニメイラストを描いていますが、イレイナほど反応はなく、流行りに乗ることの強さをここで知りました。

そういえばこの頃にAmazonでブラックフライデーセールがあり、それがきっかけで液タブに乗り換えました。画面にそのまま描ける感覚はアナログに近く、1日とかからず馴染めたのを覚えています。

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またこの辺りで買った本が「ソッカの美術解剖学ノート」です。キャラクターをリアルに描くにはどうしたら?と思って辿り着きました。かなりお高いんですが、人物を描くなら一生使える辞書のような本ですから、一度本屋に立ち寄って、パラパラ見てみて欲しいです。

あと、もう一冊パースの本を買っていましたが、キャラクターを描くにはそれほど優先度は高くない気がします。

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パースのついたクジラちゃんです

4ヶ月目~5ヶ月目:オリジナル編

12月は試みとして、「1ヶ月かけて1枚のオリジナルイラストを描く」というチャレンジをしました。これまでは1週間で1枚だったので、かけられる時間が4倍になります。

これまでの経験から、1週間あればキャラクターを描けると分かっていたので、残りの3週間をデザインの検討、背景の検討、清書に充てることにしました。

デザインの検討では、下記の5案のカラーラフを作りました。クリスマスをテーマとして、サンタやプレゼントといったモチーフを散りばめてデザインしました。最終的に一番右の案を採用しました。

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背景の検討です。先程の案を描き込んで、女の子のサンタクロースが、プレゼントと一緒に虹に乗って飛んでくるイメージで、周囲に配置するプレゼントを組み立てました。下記項目を慎重に確認しながらラフを制作していきました。

1. キャラクターについて、顔が可愛いこと
2. 構図について、リボンやプレゼントを駆使して、女の子の顔に目線誘導する
3. プレゼントの色について、偏らずバランス良く分散していること
4. 手前のプレゼントはメインのキャラクターを邪魔しないこと
5. 奥のプレゼントは目立たないよう明度と彩度を落とす
6. 奥のプレゼントはバラバラになりすぎないよう塊を意識して、おおまかに3段程度の階層にする

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キャラクターと背景の清書です。ラフのイメージを壊さないよう慎重に清書します。正直この辺りが一番怖いポイントですね。

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無事完成です。初めてオリジナルを描きましたが、同時に自分でデザインを生み出すことの難しさを初めて知りました。

またこの時初めて添削サービスを利用しました。一枚絵としてのクオリティは強く意識した部分だったので、褒められてとても嬉しかった記憶があります。

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ただ、人体デッサンも含め技術的にはまだまだといった感じです。それでも添削結果を受けてかなりモチベーションが上がりました。それに上達には客観的な評価が欠かせないので、3ヶ月に1回くらいのペースで添削を依頼しようと思いました。

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年を越して1月には、もう1枚オリジナルイラストを描いてます。

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バレンタインをテーマに、告白の瞬間を捉えたイラストです。カフェの雰囲気と、告白の緊迫感、かわいい顔を上手くまとめられたな~と思います。ちょっと気が早いですけどね。

正直言って顔の部分は、Kさんのイラストを模写したような形になっています。髪型を変えたり、ヘアピンとか帽子とかの小物は追加したりはしてますけどね。

オリジナルイラストの例に漏れず、あんまり反応は貰えなかったけど、個人的には画力の向上を実感する1枚でした。

5ヶ月目~6ヶ月目:ゲームキャラ編

この時期(2021.1~2021.2)はオリジナルに満足したので、主にゲームのキャラを描いてました。

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この子はポンデロニウム研究所さんが作成された、「ミーシェ」という3Dモデルのキャラクターです。

当時丁度Oculus Quest 2を買って、Beat Saberにハマっていました。さらにたまたま友人が3Dモデリングをやっており、その時にミーシェちゃんを教えてもらいました。完全に一目惚れして描きました。

このイラストは反応をたくさん貰えて、「VR界隈の方はTwitterに多いのかな~」という感覚を得ました。

他にもゲームやアニメのキャラを色々描いてました。

変猫のヒロイン2人(ラフ)

変猫は、Kさんが挿絵を描いたラノベです。いつ見てもかわいい……

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ところが、実はこのあたりで、絵を描くモチベが迷子になっていました。なぜかというと、この時点で好きなイラストレーターの画風を再現できてしまったからです

それでも数ヶ月描き続けた習慣はすぐには消えないものです。自分の中にモチベがないなら、人に頼れば良いと考え、とりあえず「周りの友人に好きなキャラクターを聞いて、それを描く」ということをしてました。

原神の甘雨(ラフ)

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グラブルのシャトラ

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アイマスの一ノ瀬志希

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そうしてゲーム好きの友人達からアイデアを貰って、3枚描きました。これらから、ゲームキャラを描く上での共通項が見えました。

1. 3枚ともその人が好きなゲームのキャラクターである
2. 3人のキャラは全て、ごく最近に新規要素が実装された
3. ゲームキャラのイラストは、TwitterよりPixivの方が反応を貰いやすい

1.は当然といえばそうなのですが、ゲームのファンは、自分がプレイしていないゲームには詳しくないし、興味もそれほど強くないでしょう。なので、できるだけファンの多いゲームで描くことが、より多くの反応を貰うために大切だと言えます。その分競争は苛烈になりますが……。

2.はイレイナを描いた時と同じで、流行に乗ることの強さを意味します。例えば甘雨とシャトラは新規実装キャラクターで、特にシャトラは干支の丑をテーマにしたキャラで、実装当時は相当な話題を呼んでいた記憶があります。

3.は面白いな、と思ったのですが、ゲームを遊んでいる人はSNSを見ません。なぜならSNSを見るよりゲームを遊んでいたいからです。理由は推測ですが、とにかくPixivのほうが反応を貰いやすいので、それを前提に描くことになります。

6ヶ月目~7ヶ月目:Vtuber編

この時期(2021.2~2021.3)はひたすらVtuberを描いてました。人のために描く欲求は満たしたので、今度は自分のために描く欲求が湧いてきました。私はVtuberが好きなので描いてみようと思いました。

またイラストを戦略的に描くため、次の方針でTwitterアカウントを新設しました。

①1週間に1枚のペースで投稿
②Vtuberをメインに描く
③自分の好きなキャラを選ぶ

①は描き始めた時の決め事が、そのまま来ています。拙くてもとにかく定期的に描いて上げる制約を設けて、モチベーションにします。

②③は好きなジャンルとキャラを選ぶという「自分の"好き"を大切にする」ことから来ています。私の場合、1人描くと満足して、毎回キャラクターを変えるので、割と節操ないかな〜と思ってます。ただモチベーションのためには仕方ありません。

またひとつのプラットフォームに集中するため、Pixivや他のSNSではアカウントを作らないこととしました。Vtuberを描くこともそうですが、Twitterに特化した戦略を取りました。

もうこの頃になると、あまりラフが残っていないので、殆ど完成絵になります。2ヶ月で5枚描きました。

「鈴原るる」さんのラフ

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1. 主光源の太陽光。
2. 補助光源のスポットライト。キャラクターのパーソナルカラーをイメージ。
3. 太陽光が地面に反射した光。

この時は「カラー&ライト ~リアリズムのための色彩と光の描き方~」という本を読んだので、それを応用しようとして、光源をかなり意識しています。

また、今まではできるだけ全身を描いてましたが、この絵では顔や手など重要な所に集中したかったので、バストアップ構図を取り入れました。

そして清書したものがこちら。

清書

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この絵には気合を入れたこともあり、添削を依頼しました。冒頭に示したものがそうですが、まだまだ直すべき部分は多いですね……。光源なんて特に意識したはずなのに、ガッツリ指摘されています。反省。

この期間は他に4枚描いていますが、その中でも「夜見れな」さんを描いたイラストがお気に入りです。

ラフ

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清書

夜見れな

Vtuberの特性として、顔が常に正面を向いているというのがあります。Live2Dを使っているのが大きいと思いますが、アニメとかゲームの手描きの横顔と比べると動きが違います。

先程のるるさんのイラストでは技術を見せたくて顔の角度を変えていたんですが、かえって本人の印象とはかけ離れてしまい、Vtuberのファンから見ると共感しにくい気がします。

そのため、この夜見さんのイラストでは、顔まわりをほぼ模写しています。Vtuberはたいてい設定画を公開しているので、それを穴が空くほど見て、似せていきます。

自分の作風があって、あえて角度を変えるなら良いんですが、それはもうプロなんよ……一刻も早くプロになりたい……

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Vtuberの模写

まとめ

こんな感じで半年間描き続けました。清書したイラストを数えたら19枚でした。1ヶ月に3枚のペースか~もっと早く描きたい~。

独学のメリットは、自分のやりたいようにやれることです。1秒でも長く美少女を眺めていたい私には、この方法がマッチしているようです。

デメリットは、学習内容が偏ることです。自分の選択だけが頼りなのですが、それが間違っていない保証などありません。商業イラストレーターを目指すなら、皆の興味のある絵を描かなければなりませんから、あまり偏りすぎるのは好ましくないと思います。

デメリットを強く感じ、より体系的に学びたいと考えた結果、芸大に入学することを決めました。

8ヶ月目~:芸大入学編

唐突ですが、今春から京都芸術大学の通信教育課程に入学し、さらなる研鑽に励んでいます。その結果こんなにかわいいイラストが描けるようになりました~!

芸大入学により、独学よりも更に成長が加速しました。詳しくは後編の記事へどうぞ。

謝辞

フォロワーの皆さん、いつもTwitterで仲良くしてくださってありがとうございます。またイラストについて、応援してくれる方もいて、とても励みになってます。みなさまのおかげでこの記事を書くことができました。

また文量多いにも関わらず、興味を持ってここまで読んでくださってありがとうございます。少しでも有益な情報を提供できていたら嬉しいです。

今後

イラストは趣味ですが、いずれ仕事にできれば良いなと考えながら日々描いてます。まずは副業からかな……。興味あったら声をかけてください。







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