馬鹿(2)

確かに誰かがこの部屋にいた。男だ。

昨夜の飲み会では飲みすぎた。なに、いつものことだ。

若い方だったか、いや40代の方だっか気がする 。

タクシーに誰かと乗ったのは覚えている。その後の記憶はない。

うちに上がり込んだのか、引っ張り込んだのか。確かめる術はない。

丸出しの陰部に手を伸ばし、状況を確認した。ダメージはない。よし。

いったい昨日会ったあの中年男は、何をしたんだ。下着まで脱がしておいて、何もせずに帰っていったのか。泥酔した女を相手にすることに罪悪感があったのかも知れない。

とりあえず、無事に自宅に着いているのだから、いい。

痛みが残る体を起こし、投げ出されたパンツを拾い、再び履いた。

ざらついた顔がいやだったが、眠気をさましたくなくて、そのままベッドに入った。

寝返りを打つ背中に激痛がはしった。







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