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matou

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東京とロンドンに其々住む20代女子がゆるりと綴る交換日記。美術に触れたとか、四季を感じたとか、刹那的なのとかなんでも。
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2020年5月の記事一覧

サジェストされた世界から出よう

仕事がリモートワークになって久しい。 東京都で外出自粛要請が出てから、外にでることで身体にもたらされる抑揚のある日々が、14畳ほどの部屋の中で真っ平らに、滑らかに進んでいくようになった。窓枠を通して外を見ると、時折下船することを許された、潜水艦の中にいるような気分だ。 私自身の根が内向的なのも手伝って、すぐにその環境に順応し、かつての生活とは違うリズムを生み出せるようになった。通勤をすることで生まれるノイズを排除すると、日常の細かなところに目が行く。 例えば、もっと柔

前に進んでいる、という感覚

アルコール中毒 a.k.a アル中を指す英単語 alcoholic から抽出された接尾語 -aholic; ァホリック。嗚呼と思ったけれどまあよかった。買い物中毒を表す shopaholic も例外ではない。本帰国に堰を切られたかように買い物をしている。やれDiorだ、やれSKIIだ、やれCLARINSだ。ぽちぽち。画面のバケツに入っていくのは終始スキンケアプロダクトだった。ぽちぽち。接尾にある ァホリック がぐわんと響き、仕舞いに致命的な響きに聞こえてくる。ショッッッパ「ァ

行動と思想のバランス

おゆちゃんからの日記が届いてからもう季節が2つ進んでいるようで驚いています。毎回お元気ですか?からはじめてしまう遅筆だけれど、お二人宛となると妙に緊張しつつ一方で話したいことが溢れて来るから不思議です。 ベッドに張り付こうとする彼女と起き上がる私私の行動は社会と周りからの視線を意識しています。 私はそれらに敏感で臆病なので、少しでも外れるような動きはしません。 一方で、私の思想はすごく自由です。ただ自由すぎると周りから不安視されるので良識の範囲を超える思想を”彼女”と呼び