プラトン「国家」より〜

アルジャーノンに花束を

プラトン「国家」より〜
原題:the Republic(ダ・ポリティア)
常識を持つ人ならば、誰でも、目の混乱には二通りあり、そしてニつの原因から生じることを思い出すであろう。
すなわち明るいところから暗いところへ入っていたために生じるかである。
これは心の目についても肉体の目についてとまったく同じく、真である。
そして、このことを覚えている人ならば、洞察力の混乱し弱まっている人を見たときに、そうむやみに笑えないだろう。
彼は、その人の魂がより明るい生活から暗い生活入り、それで暗さに慣れてないゆえに見えないのか、あるいは暗闇から白日の元へ出たので、あまりの明るさのために目がくらんでいるのか、どちらであるかをはじめに問うであろう。
そして、彼は、一方を健康や境遇において幸せであるとし、他をあわれむであろう。あるいは、もし彼が闇から光のもとへ来た魂を笑うような心の持ち主であれば、この場合はこの場合を笑うほうが、上方の明るいところから、穴ぐらの闇へもどってきた来た人たちを迎えて笑う場合に比べればまだしも理由があるだろう。

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