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2020年の私から

閏年の日にだけ4年後の誰かに向けてメールを送ることができるサービスがある。

PRESENT4229は4年に1度、2月29日にだけ利用出来るサービスです。2月29日にみなさんは次の2月29日にメッセージを送ることが出来ます。どんどん不確かになっていく未来への灯火が消える前に、消えないように、4年後の未来にメッセージを送ってください。

4年後の幸せな未来でお待ちしています。

PRESENT4229より

そんなサービスがあることも、そんなサービスを利用したこともすっかり忘れていた私は先月29日に4年前の自分からメールを受け取った。

ほんの気まぐれで送ったらしく内容も大したことは無いが、「そういえば4年前はそうだった。」と少しだけ懐かしくなった。

実際に来たメール前半部分

4年前、2020年の2月末。
例の流行病がこの国でも蔓延し始めてマスクや消毒液の売り切れが相次いだ頃だろうか。

前年末にNHKの「時事ネタ王」という番組で三拍子を知った私は、2人が毎週やっていたYouTube生配信「生漫DAY」を1月上旬から見始めた。
1週間のニュースをネタにする時事漫才がメインのこの配信番組では、2人の近況トークや虎ノ門のローカル情報を紹介するコーナーもあり、時にはゲスト(様々な世代の芸人、歌手、女優、薬局社員、漫画家など)を呼ぶこともあった。

それまでどのネタ番組でも見たことがなかったタイプの漫才が新鮮で、その時見ていたどのテレビ番組よりも生漫DAYはおもしろかった。

だからすぐにファンになった。

しかし当時地方在住でライブなどほとんど行ったことが無かった私にとって、お笑いライブを見る為に東京へ行くと言うことはものすごくハードルが高かった。お笑いはテレビで見るものだった。
躊躇している間にあれよあれよと「都道府県を跨ぐ移動は自粛」などと言われるようになり、ライブも中止や延期が相次ぎ、見に行けなくなってしまった。

毎週の生漫DAYとYouTubeにある大量の漫才動画、通販で買うことが出来た数枚の単独ライブDVDを実家で毎日見ていたのが、4年前の2月末。

そこから4年経った今、動画はほとんど見ていない。生漫DAYは昨年4月で配信を終了した。

代わりに私は三拍子が出演するライブに気軽に行けるようになった。4年前は動画でしか見られなかったのに、今は現地で見ることができる。
三拍子だけでなく、若手からベテランまで、地下から大きな劇場まで様々なライブに行っている。おかげでこの4年の間に好きになった芸人さんやアイドルも増えた。
4年前にはきつね日和のことを影も形も知らなかったのだと思うとなんだかおもしろい。(彼らを知ったのは2021年4月のことだった。)

三拍子は昨年からラヴィット!に呼ばれるようになりロケやスタジオで活躍している。
4年前はYouTubeかライブの配信でしか見られなかったのに(というと大袈裟かもしれないが、テレビの出演は年間で片手で数えるくらいだったはず)、今や毎週のようにテレビで見ることができる。
これまでYouTubeやライブで見てきた漫才のネタ達がロケやスタジオで断片的に使われていることも嬉しい。
回を追うごとにおもしろくなっているので今後も期待したい。

メールの後半に書いてある仕事の件だが、こちらは2年前に辞めた。今の仕事が“良い仕事”かは分からないが前職よりはマシである。
なかなか踏ん切りがつかなかった転職を決断できたのも、転職できたのも三拍子のおかげだ。理由は過去のnoteに書いたのでここでは省く。

4年前までは変化の乏しい日々を送っていたが、この4年間は変化と刺激に満ち溢れた日々だった。誘惑と欲に負けた日々だったとも言える。エンタメに溺れエンタメに支えられた4年間。


“前年末にNHKの「時事ネタ王」という番組で三拍子を知った私は、1月上旬から2人が毎週やっていたYouTube生配信「生漫DAY」を見始めた。”

2019年12月23日にNHKで放送された「時事ネタ王」
この番組を見ていなければ今の私は存在しないので、とても思い入れの深い番組だ。(見なければ死んでたとかではなく、私に与えた影響が大きかった。)

ところで、昨年11月から「三拍子オフレコLIVE 3年後に1万人集める為のラボ(通称サンイチラボ)」というものが毎月開催されている。場所は劇場ではなくレンタル会議室。

2026年に武道館で単独ライブを開催する三拍子が1万人のファンを集めるために作家の小林さんを交えて研究するこのライブ。

なんと小林さんは「時事ネタ王」の制作に携わっていたらしい。

11月から見ていたのに先月のライブで初めて知った。

初回で言ってた?私が忘れてただけ??もしくは全部聞き逃してた??

時事ネタ王を見た4年後に番組の構成を担当した作家さんの話を聞くことが出来ていたなんて。オタクは心が震えました。

サンイチラボでは毎月、様々なテーマに沿って2026年に向けてのトークを繰り広げる。毎回小林さんが何らかの研究成果を持ってきて発表したり、観客にアンケートを取ったりする。

先月は三拍子からの“大発表”をメインにトークを展開した。

オフレコなので詳しいことは書けないが、ここからおもしろくなってきそうな予感がする。
やっと始まった感じがする。

2年後の2026年三拍子武道館単独ライブに向けて、それとは別の“大発表”に向けて、3人はどんな物語を紡いでいくのか。

リアルタイムでドキュメンタリーを追えるようなこのライブを今からでも見始めてみてはいかがだろうか。

先月分アーカイブ視聴期間は3/11まで。

来月は3/26(火)19:30より四谷のレンタル会議室にて開催。(50席限定)

↓カメラロールを漁ったら出てきた4年前の画像

幻の単独ライブ

サンイチラボでは前半に2人が漫才のようなトークを行い、そのまま時事漫才を披露する。

三拍子が時事漫才を始めたのは13年前。
2019年10月〜2022年4月の生漫DAY配信期間は毎週(最後の1年は毎月)、生漫DAY終了後も定期単独ライブやサンイチラボで行ってきた。

私は初めて見た三拍子の漫才が時事漫才だったからか、生漫DAYで毎週やってくれたおかげか、2人の時事漫才が大好きだ。芸能ゴシップなどただただ笑えるものもあれば、何かを知るきっかけ、考えるきっかけとなるものもある。

時事ネタ王で見た「GSOMIA」を解説する時事漫才の衝撃は今でも忘れない。初めて生で時事漫才を見た時はおもしろくて感動した。(2021年の年末の単独ライブだった。)

様々なコンビの時事漫才を見たが三拍子の時事漫才にしかない気持ち良さと満足感があった。笑いと解説要素のバランスが絶妙で、ちょっと危うそうなネタでも決して気分が悪くならないどころかおもしろい。
実はサンイチラボも後半の研究より時事漫才目当てで会場に行ったり配信を見たりしていた。

が、もちろん時事漫才以外の漫才もめちゃくちゃ好きである。

THE SECOND選考会で見た山手線漫才もめちゃくちゃおもしろかったし、赤坂の草月ホールで見たモノマネ漫才は涙を流すくらい笑った。
つっこみ間違い漫才シリーズはおもしろい上に2人の掛け合いが耳心地が良く、ファミレスアイドル漫才はひたすらおもしろくて楽しい。ボケとツッコミをアイドルとオタクのコールに置き換える発想が天才だと思った。

「三拍子の時事漫才にしかない気持ち良さと満足感があった」と書いたが、その他の漫才にもやはり三拍子にしかない中毒性がある。

昨年、賞レースの予選や長時間の寄席で若手から大御所まで大量の漫才を見て改めて思った。おもしろい漫才師はたくさんいるが、三拍子の代わりになるコンビは1組もいない。


4年後は2028年。
武道館単独ライブの2年後。
何がどうなっているか予想もできないが、今からの4年間も楽しみだ。


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