日記|ジョジョ7部

 初めはプリズンブレイクみたいな脱走劇なのかと思っていたら、しっかりジョジョだった。主人公の凄まじい精神力を見せつけられて、お前はどうなんだと問われているような気がしてくる。彼女にとっての刑務所は俺にとって会社だったから、少し重ねて見ていたのかもしれない。以下、ネタバレ注意。

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 彼女が死闘の中で、自分に問う場面がある。

一人の囚人は壁を見ていた。もう一人の囚人は鉄格子から覗く星を見ていた。私はどっちだーー?

アニメ16話


 刑務所の中にいて、壁があることを無条件に受け入れながら、その中で自分の利益を守ろうと努める人がいる。会社のために心身を削りながら働いて、少ない余暇を楽しむサラリーマンを今も不思議に見つめている。彼の前景にあるのは、会社という囲いの中でやっていくしかないんだ、という積極的な諦めである。

 徐倫は「私は星を見るわ」と言う。刑務所の中にいて、なお徐倫は星を見ようとした。希望を手繰り寄せようと意志を持ち続けたその精神力が、死闘を制した。

 会社を変えようとする人、倹約してFIREを目指す人、会社から出て独立しようとする人、そういう人は皆、星を見ている。夜空に浮かぶ星々を眺めていたり、動くことのない北極星だけをじっと見つめている。だから彼らはどこにいても、自分を見失わない。彼らの側にあるのは希望、それは自由を求める前向きな気持ちと、自分の価値観を信じてリスクを取る覚悟、意志を実行に移す勇敢さである。

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 徐倫は父親を助け、この石の海から自由になるというノーススターだけを見つめていた。俺も、会社を辞めて留学して哲学で飯を食いながら、ゆくゆくは資産からのキャッシュフローで自由を手に入れたい。挫けそうになったら、俺も自分に問おう。

一人の囚人は壁を見ていた。もう一人の囚人は鉄格子から覗く星を見ていた。私はどっちだーー?

空条徐倫


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