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憑依(22話)

気持ちがむしゃくしゃしていた、人の気持ちが理解できないからである。

自分一人では何をすることも出来ない。

しかし、憑依されていたら突発的なこと可能になる。

当時の自分はそれすらも分からなかったが自分の中にもう一人居ることは感じていた。

これも特別なことではない。

只、純粋で無防備だった為にこういった現象が起こることであって、誰しもが影響を受けていた時代であった。

学校で突然涙が止まらなくなった、憑依の引き金は友人のことであったが、涙が止まらない現象の理由は自分では分かってない。そして過呼吸になり両指がカチカチになって意識がなくなることが何度かあった。

学校でのみの現象である。

自分でもビックリしたが私自身はその状況をとても楽しんでいた。

過呼吸を体験して、学校でそうなることで皆の注目を浴びることが出来、快感であった。

この様に居れば、簡単に学校の皆と関わることが出来るんだと思った。

そして、何か空気感の滞りを感じ取ると授業中であろうが叫び声を上げた。

この体験を通して生きやすさを感じることができた。

そして、こうなることで皆が複雑でマイナスの念を個々に発することなく、私に対してビックリしているだけだったので私にとって、空気感が統一されたものとなるので心地が良かった。

身体の硬直やチックが少々解放されて過ごしやすかった。

つづく

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