「独身だけど、今日から親になります」 子供の感情を抱えて大人になった人への日記-9


「親に従いなさい」

「文句があるなら〇〇ができてからにしなさい」


これは私の口から息子に「決して言わない」と決心した言葉です。

今回はこの決心の理由を書きたいとおもいます。

これは職場なんかではよく聞く言葉かも知れません。
「一丁前の口は一人前になってから聞け」なんて。

まあ職場なんかでは仕方ないかも知れません。ただ武道の世界では違う考え方があります。

空手などでは黒帯を締めた有段者が、未熟な弟子と稽古をする時には「後の先」と呼ばれる事を実行します。

ザックリと言えば、自分から攻撃をせず、相手の攻撃を捌いて立ち会う技法の事です。

有段者は白帯に勝って当たり前。武道の有名な格言に「先手必勝」とある通り、同じレベルでの勝負では先に仕掛けた方が有利な事が多いのです。

それを親子関係で適応するなら、子供の方が未熟で当たり前。

それでも尚、「〇〇ができてから言いなさい」なんて、親が言う必要性って何でしょうか?

親がもし成熟した大人なら、稽古で胸を貸す横綱のように、ドンと構えてればよいのではないでしょうか?

子供の意見が未熟なら尚のこと、正しい理を説いて躾ができるのではないでしょうか?

それとも子供が言ってる事が的を射てるから、本気で相手をしているのですか?

ならば親が子供の手本になる事を学ぶ。それが力を誇示するだけの「暴力」とは違う、「武道」での常識です。

さて未熟な子供の意見を親が聞けないと言う事は何が理由でしょう?

確かに仕事や家事などは大変です。
あなたも色々鬱憤が溜まっているでしょう。

その鬱憤を子供にぶつけてしまいたくなる気持ちはわからなくはありません。

でももしぶつけてしまえば、文字通り「弱い者イジメ」。暴力(言葉も含む)で自分の未熟さを自ら証明するような物。

親だって完璧ではありませんが、学んで成長し続ける手本を見せて行きたいと、私は思います。

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