サメの夢

足を踏み外して

壁の隙間に挟まって

宙に浮いていた

でも、誰かが助けに来れるような場所じゃないし

自力で地上までは行かなくちゃ

へへ、落っこちちゃったよ

なんて照れ笑いしながら

まぁ湿布ぐらい貼っとくか〜　一応ね、一応。

足がついたらもうこっちのもの

と思っていたのに

右のもも裏がきゅーっと収縮したかと思うと

つった足は

勝手に

限界を超えてのびていく

のびてのびて

道路を越えて

向かいの家の路地をぬって

どんどんのびてゆく

途中申し訳なさそうに声をかけてきたのは

両替をしたい外国の人

そこの道をまっすぐいけばYou will find the bank for change your money

きこえたかな

そんなこと少しも関係なく

足はどんどん伸びていき

ついに海の中につっこんだ

こんなに空気は暑いのに

水はとっても冷たくて

ひぇ〜〜〜と大きな声がでた