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キーパー死す

 2016年4月11日。
 昨夜、高校の1年先輩の訃報を知りました。
やっぱり早すぎるでしょ?
 サッカー部のゴールキーパーでした。
 1年上の学年の最後の試合は、PK戦にまでもつれ、1点ビハインドで相手が5人目、最後のキッカーで、そいつが外せばサドンデスで6人目に勝負が持ち越されます。

 審判のホイッスルが鳴りました。
 敵のキッカーはガチガチに緊張していて、案の定ミスキックで、ボールはボテボテで正面に転がりました。「やった!」

 しかし!

 味方のキーパーは、それまで相手が蹴ってから反応するスタイルでしたが、最後の最後にヤマをかけていました。

 ボテボテのボールが無情にも、ゴールの真ん中を転がって万事休す。

 その瞬間に3年生の引退が決定し、私らの学年が最上級生に昇格しました。
 翌日からはキャプテンも新しくなり、チームの空気はすべて一変します。

 中学から高校……ウチは中学から大学までの10年一貫教育だったのですが、(私は高校までしか行けませんでしたが……)
 その、中学からの同学年や、その他の私のまわり……やたらと亡くなった人が多いのです。

 そういえば1年下の学年のキャプテンも、もうかなり前ですが、社会人になり、バブル崩壊後に亡くなりました。高校生で関西ユースに選ばれた名選手でしたが、アホで憎めん奴でした。

 今でもサッカーの試合の夢を見る時があります。
 その時のメンバーは、いつも高校時代のメンバーです。
 私は思うようにカラダが動かなかったり、片方スパイクがなかったり、先輩からボロクソに怒鳴られたり……。でも、必死なんです。
 そしてその必死さが、目覚めた時にメチャクチャ懐かしい実感として反芻できるのです。

 でも、今度サッカーグランドの夢を見たら、
忘れずにゴールキーパーを確認します。
 ウチの学年のキーパーではなく、
 1年上のキーパーを探します。

 見つけたらダッシュで近寄り、高等部言います。

「城田さん! お久しぶりです。お元気でしたか? お通夜もお葬式も行けず、すいませんでした」と。

 本州の西端から、ご冥福をお祈りいたしております。

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