エッセイ 一生懸命
僭越ですが、最近、わたくし。
なるべく、「一生懸命」せんようにしています。
もともとこのことばは、「一所懸命」が正しく、書き間違えがいつのまにか市民権を得たそうであります。
嘘や間違いも、言い続ければホンマになるというのは隣国が発明した諺(ことわざ)だそうです。
もともと「一所懸命」とは、おんなじ場所でコツコツと、または自分に与えられた戦地を懸命に死守せよ……まあ、そんな農業的な感じのことばだったのでしょう。
今はすっかり、「一所」ではなく「一生」。
つまり、「一生懸命」が公用語となりました。
でも私に言わせたら、「一生懸命」という自覚があるうちは、あきません。
また、それを他者に言うのは、めちゃカッコ悪いことです。
気づかないうちにテンションあがって、集中して動いている。
その姿を、まわりからみると「一生懸命」頑張っているように見えてしまう。
それがあるべき状態です。
意識して「一生懸命」すると、ろくなことがありません。あくまで私の所見ですが……。
好きなことを集中的に無我夢中でやることは、「一生懸命」とは呼ばんのです。
全身麻酔みたいに、あとでめちゃ、疲れますけどね。
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