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エッセイ 大御所の命日

🎷 本名、「John William Coltrane」
 いわゆる、コルトレーンです。

 惜しくも私がまだ6歳のガキだった、1966年7月に来日し、全国、9つの都市でコンサートを開きました。

 その時の記者会見で、

「10年後のあなたはどんな人間でありたいと思いますか?」

 と聞かれ、

「私は聖者になりたい」と答えたものの、

 それからわずか1年後の、1967年7月17 日、肝臓癌で亡くなりました。享年40歳。
 
「逝くのが早い! 
 わし、20 年も余分に生きてるで」

 そしてもう1人、

🎙 本名 「エレオノーラ・フェイガン 」(Eleanora Fagan)

 芸名は、ビリー・ホリデイ(Billie Holiday) 。

 彼女は、「レディ・デイ」の呼称で呼ばれ、サラ・ヴォーンやエラ・フィッツジェラルドと並んで、女性ジャズ・ヴォーカリスト御三家の1人です。
 私も、その人選に、異存はございません。

 ビリーホリディは、特に、人種差別や薬物依存症、アルコール依存症などと格闘するハードボイルドな人生を歩んできました。

 ところがその無茶苦茶な私生活ゆえ、あちらこちらで破綻。
 もちろん自分の肉体も……。

 彼女は、肝硬変以外にも腎不全を患い、最後は、腎臓感染と肺うっ血で亡くなりました。

 私がまだ、あの世でお釈迦さまと遊んでいた頃。
 実際には、それを卒業して、この世に来たわけですが、その1年前の、1959年7月17日、…今日ですね…朝3時10分に、息を引き取りました。
 享年、44年。

 これまた、逝くのが早い! 
 
「わし、16年も余分に生きてるで」

 私は、さっき言ったように、生まれる前にお釈迦さまに遊んでもらった恩があるので、葬式仏教は嫌いですが、なんとなく、魂は、キリストはんよりは、仏教寄りです。

 ですから、同業の、偉大な先輩を偲んで、今日、7月17 日は、肉、魚を、一切、口にしません。

 世間の多くの人は、久保研二を誤解していますが、意外に、変なとこで、真面目なとこは真面目で、義理堅いのです。

 先日我が家に来た、同級生の、河合靖貴と金日太の声が聞こえてきます。

「そやから、自分でそれを言うな! ゆうねん! 値打ちがなくなるやろ」

 その声をかき消すように、今日は朝から、我が家には、かなりの音量で、ビリーホリディが流れ続けています。

 

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