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がっちゃんこ

 2018年4月12日。
 お仕事用のパソコンが、明日吉田スタジオの北居間に搬入されるので、膨大な書籍と資料と治司の遺品をかなり大雑把に断捨離せなあきません。格闘中……。

 そんな中、なぜか父の遺品にまぎれて発掘された太古の記録、カセットテープ。

 これは私が通った関西学院高等部3年F組 の、卒業間際である1979年から3年間、3回に渡る同窓会の貴重な記録音源なのです。

 場所は神戸の王子公園近くの王子神社。
 今の関学は西宮の上ヶ原にありますが、その発祥の地のすぐ近所です。

 同窓会ですから、クラスメイトが好き好きに発言していて、もちろん誰の声かは、すべて判別できます。

 後に母校関学の教師になった、文堂、松浦、重松。 
 いっとき売れっ子作家だった長尾カルビこと、中村。
 宴会芸だけを頼りに銀行マンの頂点に君臨した、元木。
 今、私の会社の役員をしている太田。

 そして、父が死んだ時、長門の焼き場まではるばる大阪から駆けつけてくれた関学伝説の偉人、北島。
 数えあげればキリがありません。

 さらに、この前の紅白歌合戦のトリで、石川さゆりと共演した 羽毛田は……私のバンドで、
ギターは元 INU の小間。 アフターディナーの小森がその場に居たにもかかわらず、なぜか羽毛田は、ピアノでもベースでもなく、ギターを弾いてたりします。

 それにしても役者が揃いすぎ。みんな大爆笑。

 話芸あり歌あり教師のモノマネあり。

 そして、担任の山本せんせが歌う、軍歌、「がっちゃんこ」。全員で手拍子。

♫ 
 ガッチャンコ ガッチャンコ と音がする〜
 出てみりゃ 新兵さんの 演習がえり
 大尉に 中尉に 少尉どの
 軍曹 伍長 兵長 上等兵
 一等兵…二等兵…

 それに続いて 出てくるわ
 見るも哀れな 炊事班
 たくわん切るのも 国のため
 私の スーちゃん 皿洗い……

 それに続いて出てくるわ……(延々と続く)

 およそ40年前。

 中也の詩が聞こえてきます。
「今夜此処でのひと盛り」
 そして、
「ああ おまえはなにをして来たのだと…… 吹き来る風が私に云う」

 今日の昼下がり私は、山口でこれを聞きながら……さめざめと泣きました。

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