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夢の世界史

「君ら日本人ごときが、アングロサクソンやその他の白人たちにたちうちできるわけがないのだ。なんせ日本人なんてものは、まだまだ悪どさが可愛いもんだ……
 ヨーロッパは、はるか昔からさんざん派手に殺しあってきたのに、東洋人なんて、殺し方が足りないのさ(※この時代、まだ毛沢東は権力を握っていない)。

 我々は今になって、殺し疲れたんだよ。でも殺人は生存の糧だから未来永劫やめるわけにはいかない。だからこれからは、よその場所で殺しあいを煽るんだな。
 さしずめ、アジアや中東、アフリカだな。
 まあ、自分たちの土地で殺しあうことが無駄であるということを、20世紀半ばになって理解したわけだ。

 君らが好きなアメリカなんか、今でも戦争中毒だろ……中毒って言い方がマズイなら、戦争依存症だな。 だから白人国家とアジア人は、強暴性が根本から違う。 肉食と草食の差かもしれんな。
 まあ、ある程度張りあえるのは中国だが、正確には中国人ではなく中共人だけだからな、根っからの殺人中毒は……だから、いざとなったら中国もアテにはならんな」

 ヨーロッパの街並みを見下ろす別荘のテラスで私にそう教えたのは、世界中のほとんどの人が忌み嫌う、チョビ髭のあの人でした。

 やっぱり生きていたのです。……歳もとらずにでした……そのことの方が私にとっては驚きでした。

 替え玉自殺を二重偽装してベルリンに残し、ホンモノはエヴァ ブラウン と共に南米に逃げていたんです。
 歳をとらないのは、遺伝子に手を加えたからで、ドモホルンドリンクをずっと水代わりに飲んでいました。

 私が予想してたよりずっと落ち着きがある、優しい一面も持ち合わせた紳士でした。

 もちろん、夕方にうたた寝して見た夢ですが……。

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