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同じ時期に同じ場所で

2020年3月19日

 私はいつも思うんです。
 幼児期に可愛がってくれた祖父や祖母や親戚。
 さらに幼稚園の時の先生や友達、そして小学校、中学……とりわけ高校時代の友達。

 自分を中心にしていろんな時代があり、共に成長し、そのたびごとに卒業し……そうして私たちは次の世界へと進んできました。

 成長という言葉がピンとこなくなったのはいつ頃からだったでしょうか?
 その頃から、少しずつ同じ年代の友人や知人の一部の先駆け……先駆者が、さらに次の次元の世界……いわゆる"あの世"という場所に行くために現世を卒業していく後ろ姿を淋しく見送るようになりました。

 あとほんの2〜30年もすれば、たとえば思春期に机を並べた同窓生のほとんどが現世を卒業しているはずです。もちろん私も含めて。
 それでもしぶとく生き延びているのは、ほんの少数派になるでしょう。

 高校時代の同窓生の全員があの世に行けば、次はあの世で、絶対に全員集合してより盛大な同窓会がひらけます。
 もちろん恩師も全員招いて。

 今日の夕方、同窓生の訃報が届きました。

 予定を1日早めて帰阪し、葬儀に出席しようと思っています。

 亡くなったのは、現役の時も卒業してからも、ほとんど話したことがない……私とは縁の薄い学友でした。だからこそなぜか余計に葬儀に行きたい気分なのです。

 それほど、同じ時期に同じ場所に通い、共に机を並べた人間との絆は強いのです。たとえ一度も会話をしたことがなくても……。
 それは決して義理とはちがうんです。

 とりあえず、まだこっちに残っているメンバーで、将来あの世で開く同窓会の約束だけは、きちんとつけておくつもりです。

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