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未だ癒えないブロドラロス

 遊戯王マスターデュエルにおいてブロックドラゴンが禁止にされてから1ヶ月経ちました。
つらいです。
忘れないうちにブロックドラゴンとの思い出を書き綴っておきたいと思いました。
実績もなければDC2ndも登らない一般プレイヤーなので、何かの参考になるような記述ではないと思います。

今までありがとう

ブロックドラゴン、もとい【アダマシア】を使い始めたのは昨年の4月頃、丁度《フルール・ド・バロネス》が実装されたタイミングです。
もはや説明不要の超絶汎用シンクロモンスターですが、【アダマシア】においてはLv8のブロックドラゴンとLv2のチューナーで簡単にシンクロ召喚が可能であり、リンク値消費2に対して万能無効持ちという驚異的なコストパフォーマンスを発揮していました。
 コイツの居ない先行盤面なんて考えたくもありません。昔のアダマシアンは何並べてたんでしょうか?

【P.U.N.K.】がクシャ出してからNSでこいつ匂わせてくるの最強すぎるからやめてほしい。


さよなら、ハリファイバー

《水晶機巧-ハリファイバー》です。
コイツも最早説明不要の狂気的リンク2モンスターであり、高すぎる拡張性、モンスター2体が3体分になるバグじみた挙動を合わせ持ち、ハリファイバーが通るなら最早何でもできるレベルの無限の可能性を持つモンスターでした。
とはいえ、実戦では消費デッキスロットや誘発耐性等によってハリファイバーからの曲芸じみた展開を行うデッキは淘汰される側ではありました。
【天威勇者】は座ってろ。
で、アダマシアとハリファイバーの関係性というものはずばり『一枚初動』です。
いい響きですよね、一枚初動。
実際の動きはこんな感じ。

①いずれかのチューナーを通常召喚。→➁共通効果(ペラペラ)で岩を特殊召喚。→③《ハリファイバー》をリンク召喚し、《幻獣機オライオン》または『スクラップ』チューナーを特殊召喚。
オライオンの場合は《ユニオン・キャリアー》へ接続し、制約のかかった状態でブロックドラゴンのサーチを行使。
スクラップはそのまま《スクラップ・ワイバーン》を経由して『ラプター』と『キマイラ』を通り《御影志士》からブロックドラゴンへアクセスします。
前者はEX消費が重く、盤面が弱く、御影を消費しないのがメリット。
後者はメインデッキ消費が重く、的がいないとワイバーンが退去するのでリンク値はそこまで伸びず、御影志士に無効を待たれると意味がないのがデメリット。

ただ、このハリファイバーを頼りとする初動ムーブは貫通力に乏しく、《魔救の探索者》は特殊召喚してハリファイバーの素材として消費しまうとブロックドラゴンからサーチしたときに盤面に《魔救の追求者》が参照する『アダマシア』名称が無くなってしまうため、ハリファイバーは一枚初動の甘い響きでプレイヤーを惑わし、構築の幅を狭める楽園の蛇のようなカードでもありました。実際ハリ初動ムーブに頼らない構築もいて、どちらもちょこちょこ顔を出してた。って感じ。

カトリン、神とさせてください。

芝刈りとブロックドラゴンがデッキに3枚入っていた頃

ハリファイバー禁止の手前では後手捲りとγ貫通に絡む重要人物《魔救の分析者》と最強の地属性レベル4岩石族である《プランキッズ・ロック》がしれっと準制限送りにされており、前者はリサーチャーが減るよりかはマシで、後者は【アダマシア】と【プランキッズ】の両者をゆるく縛る改定でした。
11月ごろに何故か『ロック』君の規制が解除され、このロックと特殊召喚できるレベル4地属性の二枚初動に加えて、3枚投入されるブロックドラゴンと《隣の芝刈り》で以前のハリファイバー型より高い貫通力を持つ構築が現れるようになりました。あの頃はよかった。
続いて12月開催のデュエリストカップでは【芝刈りアダマシア】がなんと最終一位の使用デッキとして歴史に名を残しました。
ゆるふわJDプレイヤーなのでとくにDCを頑張りはしていませんでしたが、身内環境ではそこそこやりこんでたので結構嬉しかったです。
ちなみに同デュエリストカップにおいてトップシェア争いをしていたのは【ふわんだりぃず】・【神碑】です。
振り返ってみるとクソみたいな流行だと思いましたが、遊戯王がお互いにストレスを与えあうゲームなのを考えるとこの時期ばかりがクソというのはお門違いなのかもしれませんね。

タックルセイダーをガン積みすることで
結構な確率で、
芝刈りが通る=捲り成功に持っていける。

突然の制限行き

最終一位おめでとう規制とも言う。

後になって制限行きになった《烙印融合》はまだピンピンしてる時期。

素引きしてロックで貯めた地属性を使ってSS、御影が止まったけど握ってるので勝ち、芝刈りで勝ち、など勝率に直結するブロックドラゴンの枚数が減らされています。これだけなら指名者が減らされるようなものなのですし、素引きを貫通札として機能させるためにデッキ内の地属性の比率を高めなければいけない、という思想からもちょっと解放されるので悪いことばかりではありませんでしたが、
1積みのブロックドラゴンをメインパーツが全く規制されていない【神碑】に小突かれてゲームプランが消失するリスクを背負う、というありえないくらいストレスフルな環境に差し掛かっています。
改定と同時期には悪名高きインフレパック𝗣𝗢𝗪𝗘𝗥 𝗢𝗙 𝗧𝗛𝗘 𝗘𝗟𝗘𝗠𝗘𝗡𝗧𝗦 から最初の刺客として、ファンデッキ最上位くらいの実力だった【斬機】をたった一枚で環境トップ争いへと押し上げた狂気のカード、《斬機サーキュラー》が堂々参戦。なんで『カトリン』じゃねぇんだよ。
コストとしてデッキから墓地に蘇生効果持ちの《斬機シグマ》を墓地に送るという、強くするためだけにそう書かれているとしか言いようのない意味不明すぎるテキストですべてを破壊しにかかります。

芝刈りも減ります。

ユニオン・キャリアーの最期(と芝刈り準制限)

餅カエルの禁止行き、という露骨すぎる改定発表から間もなく、【スプライト】が上陸。
このデッキは本当に狂っていて、誘発貫通がめちゃくちゃ簡単にできる上で突破困難な盤面を形成し、かつフリーなデッキスロットに誘発や環境へ対応したメタカードを投入することが可能です。とはいえ、《メルフィー・ラッシィ》が居ないのでまだ盤面はやわらかい方。あと2回の変身を残していてコレ。

スプリンドの恐ろしさを知らなかった頃。

個人的には規制によるデッキパワーの低下がモロに響き、誘発貫通力の高すぎる【スプライト】や【斬機】もとい【サーキュラー】、スプライト意識で投入され始める天敵《冥王結界波》、後手《天岩戸》NSで妨害をすべて消滅させる【神碑】、などに加えて分析者の準制限と相まって後攻での勝率を満足できるラインまで確保できず、非常につらい時期でした。
《ディメンション・アトラクター》を投げられる回数が減ったのは非常に喜ばしいことですが、それどころじゃない。
カトリンはまだ来ないのか?助けてくれ───

岩石族の恥さらしめ───

ちなみに、《コアキメイル・オーバードーズ》は《天岩戸》の通常召喚そのものに干渉し、着地前の空間で対応できるためこれとバロネス等の万能無効を構えることで、岩戸クソゲーには対応可能でした。もちろん狙って出せるというわけではないけれど、他の展開デッキよりは比較的マシ……だったと思いたい。

ティアラより先に上陸するイシズ

《斬機超階乗》は手札からおもむろに《剣神官ムドラ》《宿神像ケルドウ》を投げ捨てることで無意味にすることができる、というのは当然ご存じであろうが、この時期は最強のイシズ使いである【ティアラメンツ】が存在せず、【烙印デスピア】と【斬機】が当時無制限だった《朱光の宣告者》と合わせて取り込むことでお互いに『ムドケル』で致命傷を負わせながら殴り合うという壮絶な足の引っ張り合いが繰り広げられており、
当のブロックドラゴンも御影志士からサーチされたのを確認してから墓地のコスト3枚を『ムドケル』で弾き飛ばすことにより展開が不成立になるため、相手の墓地にイシズが待機しているだけで《墓穴の指名者》がない限りゲームに敗北する、といっても過言ではなかったです。

アギドの展開力はあまり求められていないことが多かった。

2023年3月DCの思い出


当時使用していたデッキリスト。

イシズの効果でイシズを捨てれば相手のイシズを除去できるじゃん、というデッキリスト。相手の使用する《増殖するG》を無効にしたうえで展開を通すことを先行のメインプランとして置き、後手は《朱光の宣告者》・《PSYフレームギア・γ》の無効破壊で強引に展開をストップさせる、というのが狙い。《コアキメイル・ガーディアン》をNSしてからの展開は《墓守の罠》か《雪花の光》での手札交換、満を持して登場した最強カード《水界の秘石-カトリン》によって強引に成立させていく。《古尖兵ケルベク》・《古衛兵アギド》による5枚落としでブロックドラゴンがヒットするラッキーパンチもちょくちょくあった。
雑感で言うと、とにかく《増殖するG》を破壊しながら先行展開を行えるのが気持ちよかったデッキ。《神炎竜ルベリオン》に《古尖兵ケルベク》のバウンスが直撃する、メインフェイズを『ムドケル』捨てから入ることで《超階乗》を強引に突破する、等イシズ枚数の厚さ故にできた勝ち方も多く、自分で考えながら組んだデッキでそこそこ勝てたのが楽しかった。
こういう成功体験だけずっと味わっていたい。蜜の味。
この時、後手渡してきたエルドに金玉スキドレ御前で捲られたのは今でも夢に見ます。トラウマです。

ありがとうカトリン

私は《水界の秘石-カトリン》というカードが大好きです。
骨格が透けてるのがちょっとキモいけどかわいい見た目ですし、内包されているシナジーが美しいカードなんです。
カトリンが存在する世界では、ブロックドラゴンでのサーチを行う際に カトリン・追求者・分析者とすることで、《魔救の探索者》をそれまでの妨害貫通に用いていてもチューナーを展開して共通効果のペラペラを使い切ることが可能になります。
『カトリン』そのものが貫通札としての性質を持ちながら、同じデッキにいる『探索者』を強い貫通札に進化させるカードなのです。
ドラガイトの参照先になる水属性であること、《珊之竜》との噛み合いが抜群によいこと、最強カード《スプライト・エルフ》に絡むこと等、様々な利点を併せ持つ𝑷𝑶𝑾𝑬𝑹 𝑶𝑭 𝑻𝑯𝑬 𝑬𝑳𝑬𝑴𝑬𝑵𝑻𝑺に恥じない強力カードでした。
ただし、このカトリンは探索者を強く使えるという性質上最高の相棒であった《ユニオン・キャリアー》との同居も叶わず、直後にさらに高い展開ブースト能力を持つ『春化精』カードが実装されてしまいます。
カトリンはその本来の実力を発揮することができないまま、やっぱり強かった【ティアラメンツ】を仮想敵と据える過剰なまでの墓地メタが吹き荒れる、ブロックドラゴンを用いる構築の主流は徐々に【春化精アダマシア】、または【地属性GS】へと移り変わっていくことになります。

粘膜が蒼くなってヒレが生えてきていた時期


最高に終わってるデッキ

ここまでだらだらとアダマシアと過ごしてきた記憶を辿ってきていますが、
《壱世壊に奏でる哀唱》が3枚使えた間の【ティアラメンツ】が存在していた間、私はまともに【アダマシア】のことを思考してはいませんでした。
『春化精』が先行プレイヤーが余らせている《墓穴の指名者》で即死することが不服だったり、《丘と芽吹の春化精》と《丘と芽吹の春化精》引いてるかどうかで出力にムラがあるのが気に入らなかったり、想像してたのより窮屈なデッキ構築やプレイを求められるのはそうだったのですが、
《壱世壊に奏でる哀唱》を3枚投入できる【ティアラメンツ】があまりにも強すぎたため、ほかのデッキを使うのがバカバカしくなっていました。裂け目貼られても《壱世壊を揺るがす鼓動》通れば勝てるし先手ならイシズでデッキ見て《竜巻竜》で勝てるし……キトカロスに泡撃たれてもサリーク持ってればだいたい勝つし……。

ちょっと正気に戻ってきた時期

裏では《盗人の煙玉》が一発退場。

この辺から春化精アダマシアが頑張ってるらしい、みたいな話を人伝に聞いて投げだした構築と再び向き合い始めます。余命2カ月。
クソどうでもいい話ですが、めちゃめちゃやる気アピールしてくるオタクが身内コミュニティで同デッキを使い始めて呼吸がしづらかったです。やる気勢の圧力。ゆるふわJDなので許してほしいです><
この時期では、《ナチュル・パルキオン》と《ナチュル・ビースト》等で対面を否定する、《鎖竜蛇-スカルデット》から《干ばつの結界像》を展開して対話拒否する、等の展開が流行ってました。
基本的に《冥王結界波》や《ラーの翼神竜-球体形》のような採用しづらい尖った捲り札以外では負けないのと『深淵の獣』カードを引いた相手へとセルフハンデスを強いることが可能なのが環境的な強み。
後手でも捲れるみたいな言説はあったけれど、体感誘発で妨害数を減らせた場合という前提での話で、【スプライト】【ティアラメンツ】系統の展開を素通しした場合に後手での勝ち目はない。ミスしてくれたら《転晶のコーディネラル》絡みで結構いろいろ起こせることはあった。全体攻撃のために入れている《ヴァレルエンド・ドラゴン》には勝率が出るのにブロックドラゴン本体には出ずちょっぴりヘラる。

私の遊戯王終わっちゃった

突然の死

供養代わりに泣きながらマス1に上げて終了。
そろそろ四十九日になりますが全くブロドラの死から立ち直れていません。
《超重神童ワカ-U4》の存在する世界のブロックドラゴンにはどんな景色が見えていたんだろうか───

達成感よりは
「終わっちゃったんだな~」って気持ちの方が強かった

KONAMIはブロックドラゴンをどうしたいのか

実はブロックドラゴンというカード、私がプレイしている限り使用率も勝率も表示されたことがない。一応、春化精型で使用する《化石融合-フォッシル・フュージョン》と《新生代化石マシン スカルバギー》には53.5%程の勝率表示があったため、ここが春化精型の実数値なのかなぁといった認識ではいる。末期はPUNK型などともマッチングし、主流デッキから逸れた後での構築は常に混沌としていたいイメージがある。
※セアミンからのカオスルーラー・真血公が通る前提なら60GSでいいので御影にも絡まず確定で落ちるわけでもないこれらのギミックを主軸に据えるのはどうなの?と思っていた。今となってはもはやなんの価値もない思考だし、確かめるすべもないです。かなしいね
勝率だけならもっと高いカードがいくらでもあったので、一枚でのカードパワーが狂いすぎているというのが規制理由なのだろうか?


一貫しないプレイング

ブロックドラゴンが登場したのは2016年4月9日発売のTHE DARK ILLUSION、ちょうどトラミッドが登場したパック。
ここから今日に至るまでの岩石族カードはブロックドラゴンでのサーチが利く前提でパワーレベルが設計されている。とくに、《魔救の探索者》、《魔救の追求者》はブロックドラゴンが存在する前提で設計されたカードであり、《ギガンテス》と同時にサーチすることでとてもわかりやすく大量展開ができるようなデザインになっている。
今までブロックドラゴンを柱としてまとまってきた岩石族強化の流れが途絶えてしまうのは種族単位で路頭に迷いかねない暗い暗いシナリオであり、なんとOCGではブロックドラゴンはまだ禁止にしない路線。
ブロックドラゴンが許されないなら許されないなりに新しい岩石族の姿を描いていってほしいし、セーフならセーフだってはやく言ってほしい。
ブロックドラゴンの禁止によってチューナーを確保する再現性、『バロネス』のシンクロ召喚、連続リンク召喚、展開が通った場合の高い火力等、ありとあらゆる強みを喪失した【アダマシア】であるが、ビルドパック発売時点で十分なパワーがあったからなのか、同期の【エルドリッチ】ともども新規カードの実装をとんでもなく渋られており、今ではあの𝓟𝓞𝓦𝓔𝓡 𝓞𝓕 𝓣𝓗𝓔 𝓔𝓛𝓔𝓜𝓔𝓝𝓣𝓢で理解度の高すぎる最強新規2枚を頂戴した同ビルドパック出身の【六花】の後塵を拝す状況にある。


時期は違うけど全員成功したっていう解釈もあるかもしれない。


水界の秘石-カトリン》をデザインできた天才開発チームの皆さんがブロックドラゴンの居ない世界でもほどほどに戦える、できれば環境下位くらいに行けるくらいの新規カード複数枚を刷ってくれるか、
ブロックドラゴンの禁止行きが間違いだったと認めてシャバに戻る路線に切り替えてくれる日が来るといいな~と思ったりしてます。
他デッキをやりこんでるプレイヤーが嬉々として環境因子について語っている姿をふにゃふにゃとした目つきで眺めているのがつらいので。

Pixivにおける《六花聖ティアドロップ》のR-18イラストは2023年10月現在たったの10件です。世間はインポ。

マイナーなキャラを好きになるとつらいことが多い



おわり


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