ドラマ 三日間、一緒に旅をした女がいた - 4月中旬号 2


銀マド




登録日時 :01/04/15 21:34




 


(フィクション)


 


三日間、一緒に旅をした女がいた。


一緒に飯を食い、生い立ちを話し


テントの暮らしを共にした。


--私の生まれた街に、いや、村に、今度、案内するよ


 一緒に行こうよ。


本名も年齢も聞かなかったのに


恋人みたいに過ごした日々だった。


三日の旅を終えて分かれた。


何の手がかりも尋ねなかったのに


手紙が舞い込んで、もう一度、二人は


旅を共にする機会を得た。


 


何の打ち合わせもなく、


目指すは、あの時の、あの村。


遠い遠い山の向こうにあって


とても寂しいところだという。


-*--


私はこの話を


ここまで作り上げて


この村をどんな村にするか悩んでしまう。


静かな入り江の奥にある寂れた漁村か。


険しい峠を越えた貧しく鄙びた山村か。


-*--


お互いの痛みを舐めあうような関係に長続きはない。


…そうこう考えていたら


私はハッピーエンドが嫌いなことを思い出した。


意地悪なドラマばかり思いつくから


私にはロマンが巡ってこないのかな。