秋も深まります 山は燃えているのでしょうね - バイク考
ちょうど四十年前の十月の今日あたりに僕は初めて信州というところまで旅をしたのでした
なんの計画も立てず 仕事が連休になったので 夏に新しく買ったオートバイで走り回りたかったのだろうと思います
地図も持たずに 中山道を北に向かって走って 木曽の宿場町などで休憩をして 観光案内で名所を探して 乗鞍高原というところに向かって走ったのでした
木祖村から境峠を越えて乗鞍高原に入って行くわけです
初めての紅葉との出会いです
山中が燃えるように色づいていました
名前も知らない樹々が一面に赤や黄色になっている
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乗鞍高原というところにやって来ます
地図を持たずに家を出ていましたので高速道路のパーキングでもらった道路地図を参考に走りました
乗鞍高原は予習をしたわけではなく 全く初めての信州です
宿に泊まって旅をするのも ほぼ初めてで 予約の方法も知らないので 観光案内所に駆け込みます
同じように行き当たりばったりの人が案内所には群がっていて 宿のない人ばかりが一絡げにして 大きな旅館を紹介してもらいました
案内されたのは 大きな大きな宴会場のような部屋でした
あの頃は 人を疑うというようなことが今のようにはありません
貴重品なども相部屋のその辺に放り出して 免許証や大事なものが入ったツーリングバックも特別に片付けるわけでもなく共同浴場に行きました
知らない人同士で夜中まで旅の話をして みんなで枕を並べて寝ました
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乗鞍高原で 野原に湧き出している共同浴場という温泉小屋がありました
木の板で囲った東屋のようなところです
そこでお湯に浸かって 温泉ってなんて素晴らしいんだろう と感動するわけです
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前に紹介した『バイク考』の中で書いたように この頃はあらゆるものが未完成で 進化の途上でした
そういう時代に旅人をできて 僕はとても幸せでした
秋も深まって来ました
四十年昔に訪ねた乗鞍あたりの山が恋しいなと思います
大自然は昔と同じだろうけど 旅をする人の文化は大きく変わった
もう一度大自然に再会したいなって思う時があります
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心臓のエコーと心電図を受診して もう少し詳しい検査をして判断をする必要があると言われました
祖父と父は 『高血圧』→『脳出血』→『脳梗塞』→『腎不全』→『心不全』という流れで六十六歳で亡くなりました
私もその道筋を歩む覚悟をして 人生の後半を歩んで来ていますが 今ここで『心臓疾患』の項目がシナリオの一つに出て来ました
やれやれ困った、六十六歳