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男? ちがう! お床。

2月6日(火) 2018

軸の話で、お床について
いろいろ、思い出しました。

うちの実家もそうですが、
床の間は、なんちゃってです。
「も」じゃない人には、すみません。
畳の部屋があるだけでも珍しい、このご時世
和室に、本格の床の間を持つ家って、
そんなに多くはないように思えますが、
いかがでしょうか。
希少な家だと思います。

じゃあ、
本格となんちゃっての違いは?

大きく二つ。

一つは、本来の床の間は、畳です。

なぜ畳なのか。
これは推測なので、正解かどうかは
知りません。。オーマイガ。

平安時代の絵で、たまに見かける
畳は、床の上にちょこんと
「乗せられて」ある、省スペース。
帝とか、いわゆる民が神に近いと思う人の
神聖な居場所だし、そもそも
畳は超贅沢品。
今の和室のように、全面に畳が
敷き詰められるのは、かなり後世のこと。
それがいつ頃か、、、、、は
まだ調べておりません。
(たぶん調べません)

神聖な場所にふさわしい、軸や花などが
飾られる場所が、床の間、と
わたしなりに解釈しています。
上座の目印でもありますし。

そういうわけで。
本来、お床の床面?は、畳です。
というか、畳表です。

そして、念のために調べてみたら、、
あらら、また新たな知識を得ました!
畳表を、あらかじめ日焼けさせておく?!

https://www.magokorotatami.co.jp/sp/stopics_tatami5-1-18.html

それは、、知りませんでした。
なんというか、、気の回し方が
尋常じゃないですね。
その畳表は、龍敏(りゅうびん)と呼ぶのだそう。

気づかいをしていることがバレないのが
ホンモノの気づかい、というのは
茶席でときどき痛感する視点ですが。。
室礼に、ここまで思いをかけ、手をかけるのは
ほんと、尋常な気の回し方ではない。。

本格となんちゃっての違い、
もう一つは、面責。

本格和室の、本格床の間は、畳表で
なおかつ一畳分、お床の面積があります。
これも、なんちゃって、との違い。
わたしの仮説にも通じています?!

最近、知ったネタですが、
花入(いわゆる花器、花瓶)は、
本来、すべて「掛けもの」だったようです。
これを知ったのは、たしか、、、、、
Twitter と思って遡り調べたけど、
出典が不明のまま。。
古い花入の背中には、すべて
掛け具がついている、という
画像の記憶もあるのですが。。

つまり、軸も花も、掛けものだった
ということだそうです。ふむ

茶室は、たいていの場合、
床の間は本格なので、なので、
一畳分の畳表になっています。
花入は、必ず、敷板を使います。
敷板のうえに花入を置きます。

香合(こうごう)といって、
香木を入れる器を床の間に飾ることも
あります。
その場合は、紙釜敷といって
紙製の、鍋置き?みたいなのを使います。
すべての理由は、
畳表である床の間に置くから。

それに派生して、床の間が
畳表でなく、板の場合があります。
板床(いたどこ)、と呼ばれます。
これは、すでに「板」があるから
重ねて、板を敷かない!のが
原則です。

で。
なんか例外があったはずだけど?
畳表でも、そのまま置くものが
何かあったようね?
唐金(からかね)とかの
格の高いのはどうだっけ?
敷板も格の高いの使うんだっけ?
と、、これまた調べざるをえず、、
敷板を使わない、いわゆる例外は、
籠花入、でした。

籠花入は、利休さんが
川岸で拾った魚籠を見立てのが
始まりで、利休さん自身も
敷板のうえに飾っていたようでした。
それが、弟子の古田織部に招かれた席で
籠花入が、床の間の畳表のうえに、
ざっくり置かれているのをみて
「これについては、
 あなたの弟子になりましょう」
と、小憎い返しを利休さんがなさったわけです。

野趣をそのまま活かす、という
織部のセンスが今に伝わっています。

息ぐるしい話かもしれませんが、
すべてのものに意味がある、と
思ってもいいくらい、
茶室は意味にあふれています。
和に親しんで運を開く。


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