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ソール・ライター展

2020年2月後半に東急文化村で開催していたソール・ライター展。

前売り券を持っていて、そろそろ行こうかな、と思ったタイミングでコロナの感染拡大防止のため中止がアナウンスされた。マジか。。

だけど、やってくれました。アンコール開催!

前回のチケットは使えないということで(悲しい)、新しくチケットを購入して行ってきた。

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ソール・ライターは透明なアーティストだ。

ニューヨークのローワー・イーストサイドという強烈な個性が集まっていた界隈で、50年以上同じアパートメントに住み続けて、静かに写真を撮り続けた。ソール・ライターの作品は、アーティストならではのエゴは感じないけれど、作品を見た時に「これは、ソール・ライターだ」とわかるような個性はしっかりと感じることができる。

それってけっこう稀有な例じゃないかな。作者自身はしっかり消えているのに、作品には個性が宿っている。まるで翻訳で読んでも、原文の持つ力や雰囲気を損なわない一流の翻訳家の仕事のようだ。

ソール・ライターの写真には、まるで写された写真から物語が立ち上がっていくような詩情を感じる。どんな平凡な人にだって物語はある。ソール・ライターは言う。

「私が写真を撮るのは自宅の周囲だ。神秘的なことは馴染み深い場所で起きると思っている。なにも、地球の裏側まで行く必要はないんだ。」


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