新型コロナ無症候性キャリアからの感染はあるのか？
新型コロナ騒動で最大の問題は「無症状の感染者がウイルスを撒き散らかしている！」という仮説です。
この単なる仮説から濃厚接触者まで自宅待機を強要されるという事態がいまだに続いています。
果たして無症状者（PCR陽性でも陰性でも）から他人に感染させることってどのくらいの頻度なのでしょうか？これについて考察してみました。
無症状者から新型コロナウイルス多量、感染拡大させる恐れ 世田谷区の調査
区の委託で分析した慶応大学医学部臨床研究推進センターの西原広史教授は、増幅をどれくらい繰り返したかを示す「Ct値」に注目した。数値が小さいほどウイルス量は多くなる。陽性78件を分析したところ、3割の27件はCt値が小さく、感染性が高いことがわかったというのだ。
この世田谷区の調査結果での問題は、Ct値が低いこと＝感染性が高いと結論づけていることです。
新型コロナ、無症候性はどれくらい感染力あるのか
このブログではNew England Journal of Medicineの、高度看護施設（skilled nursing facility）でのアウトブレイクを追って調査した報告について紹介しています。
結論としては
実は感染している症状がない人は、（その後に症状が出てくる人は）十分にウイルスを排出する。
ということですが、その論拠は世田谷区と同じで、無症候性感染者もPCR検査をするとCt値が低い。だからウイルスがたくさんいる。だから感染させるんだという論理です。
実際に無症候性感染者が他人を感染させたという結果から導きされている結論ではありません。あくまでも単なる推定です。
新型コロナ 無症候性感染者の特徴は？占める割合や周囲への広げやすさについて
また自分の子供に対して、親父のためにワクチンを打て！というTwitter発言で有名な忽那医師はこのように述べています。
症状がない人からの感染、という意味では①と②を合わせると59%を占めています。
忽那氏はJAMAの論文を引用して上記のように述べていますが、そのJAMAの論文にはどう書かれているのでしょうか？
「発症前の感染と、症状を発症することのない感染者からの感染に関するさまざまな仮定の下で、ここに提示されたモデルは、感染の半分以上が無症候性の個人からのものであると推定しました。」
非常に難解な論文ですが、どうやら数学的手法を駆使して感染者の半分以上は無症候性感染者からの感染であると推定しています。あくまでも数理的推定であって実際の調査から導きされているわけではないようです。
中国武漢での1000万人を対象とした国際的調査では否定的
一方、中国武漢での大規模なリサーチがあります。これは中国だけで調査したものではなく、国際チームによって行われた調査です。
中国、英国、オーストラリアの学者からなる国際チームによると、新型コロナウイルスの無症候性キャリア（症状はないが検査は陽性）はウイルスに感染していない可能性がある。研究によると、無症候性キャリアの検体から検出されたウイルスは生存能力がなく、無症候性キャリアと接触しても感染しなかったという。
武漢市政府は、2020年5月中旬から6月1日にかけて6歳以上の約1000万人の住民を対象に新型コロナウイルス感染症に対する包括的な検査を実施した。華中科技大学のルー氏率いる中国、英国、オーストラリアの学者からなる国際チームがその検査結果を分析した。新型コロナ検査で陽性だったのはわずか300人（男性132人、女性168人）で、全員が無症状だった。感染した300人は、主に主婦、失業者、高齢の年金受給者、公共事業従事者だった。
2週間の隔離期間中に症状が出た人は1人もいなかった。また、これら無症候性キャリアと濃厚接触した1174人のコロナ検査も全員が陰性だった。
感染者300人のうち190人は、新型コロナウイルスに対する抗体を保有していた。これは彼らの体が実際にウイルスに遭遇したことを示している。学者らは、残りの検査結果は偽陽性または単にコロナウイルスに対する特定の抗体がまだつくられていなかった可能性があるとの見方を示している。
学者らは「本研究では、新型コロナウイルスの無症候性キャリアのサンプルからウイルスが培養され、生存能力のある新型コロナウイルスは検出されなかった。無症候性陽性症例のすべての濃厚接触は、新型コロナウイルス感染症検査で陰性となり、本研究で確認された無症候性陽性症例は伝染性である可能性が低いことを示している」と結論付けた。
この中国での国際チームのよる調査は、前述したJAMA論文の数理的推定とは違って実際の調査結果から得られた結論ですので信頼性が高いと思います。
ブログ「健康のために野菜は食べるな！」も随時更新しています。よろしければご覧ください。
よろしければサポートお願いします。いただいたサポートはnoteでの情報収集に使わせていただきます❗