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「〇〇だけ、〇〇しか」という考え方

みなさん、こんにちはーー。早くもわがことnote2周目に突入しました。
わがことの四軒家(しけんや)啓介です。

コロナの影響でまだまだ以前と同じようには生活できず、少々もどかしいこともありますが、もどかしさよりも今できることを考えて日々を過ごしています。休みの日には、子供たちと山や川に行き、大自然におもいきり癒されています。生き物に触れ、風の音を感じ、日々の忙しさから解放される一時です。おかげで家族水入らずの時間も増え、感謝、感謝です。

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さて今回は、僕が仕事をする上で大切している考え方についてお話します。

僕は普段、福祉の仕事をしています。
福祉の仕事は、簡単にいうと「幸せに生きるためのお手伝い」「楽しく生きるための援助」をすることです。援助者はもちろん、その援助者を取り巻くさまざまな人や環境のことも同時に考えて支援方法を検討する、「人との関わり」が主な仕事です。

そんな対人援助の仕事の中で、僕が大切にしている考え方。
それは、「〇〇だけ、〇〇しか」というような限定的な考え方を極力しないということです。

なぜ、そのような考え方に至ったか…
それは、僕が介護支援専門員(ケアマネ)の仕事をしていたときの経験があったからです。
※介護支援専門員とは介護サービスと援助者を繋ぐ調整役のことです。

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当時僕は、脊髄損傷・四肢麻痺のため、電動車椅子で生活している男性Mさんを担当していました。Mさんは、奥さんと2人暮らし。若い頃はワンマンな実力派の社長さんでした。家庭でもとても厳格で、すべてがMさんのいう通りになっていました。月に一度は、状態把握のためMさんの自宅を訪問するのですが、いつ伺っても部屋をきれいに片付けされていて、美味しいお茶を出してくれていました。
ところが、Mさんの体調が徐々に悪くなり、自分でできることが減ってきたのです。奥さんの介護量も増え、介護疲れが目立ってきました。
そんなある日、「新たに介護サービスを使いたい」とMさんから僕に直接連絡があったのです。それを聞いた僕は、Mさんの体調は悪くなっているし、奥さんも困っている。これは急いでサービスの調整をしなければ、と思いました。その日の内にサービスが利用できるように書類を準備し、サービス事業所に連絡・調整し、利用に関する会議・契約のため、すぐにMさん宅に向かいました。

ところが…
Mさん宅に到着し、Mさんに会う前に、奥さんにこう言われたのです。
「あなたは、私たちを困らせたいの!?」と…

僕は、なぜ怒られたかもわからず頭が真っ白になりました。その日は、謝罪だけを行い、一旦帰宅しました。

今思えば、あの時僕は、Mさんだけの思いを汲み取り、全く奥さんの事情を考えていませんでした。なんと奥さんは、家に人を呼ぶ時は、どんな時であろうと部屋をきちんと片付けておもてなしの用意をしたかったようです。ただでさえ夫の介護で疲弊している時に、支援者であるはずの僕に逆に大変な思いをさせられて、思わず感情的になってしまったとのことでした。
僕は、普段から奥さんの性格も知っていたはずなのに、瞬間的に「Mさんのことだけ」を考えてしまっていたようです。

冒頭でもお伝えしたように、福祉の仕事は、援助者はもちろん、その援助者を取り巻くさまざまな人や環境も同時に「幸せに生きるためのお手伝い」をします。
この時、僕は思いました!「〇〇だけ、〇〇しか」という考え方は、しないようにしようと!
あの日からずっと、そう心がけています。

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この考え方は、地域づくりや中間支援においても大切だと思います。
人と関わるうえで、「○○だけ、○○しか」というように誰かのことだけを限定的に考えるということは、対象の人にとっては良いかもしれませんが、他の人からするとそうではないかもしれません。きっと寂しい思いや、嫌な思いをする人がでてくるでしょう。
わがことに関わっていて、とても居心地が良いのは、どのメンバーも自然とそれぞれが「みんな」のことを思い合って、助け合えているからだと思います。

コロナ等の影響で、社会の流れが大きく変わろうとしています。この流れを止めることは難しいとは思いますが、社会がどう変わろうと「人との関わり」はいつの時代にもあるものです。
僕はこの考え方を大切にして、これからもわがことメンバーとしてできることをやっていきたいと思っています。

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最後になりましたが〜、
少しずつですが、僕らができることをしていけたらと思い、夏頃にわがこと主催企画を開催する予定です。詳細は、決まり次第お知らせできたらと思っています。少しでも気になる方はぜひお越しください。一緒にお話ししましょうねー!

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