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【勝手に未来予測2050】パワハラは犯罪となり、パワハラ上司は絶滅する。

2050年、明るくて爽やかで親切、そんな人でない限り、まともな職につくことはできない。

未来予測、流行っていますね。上記は当職の勝手な未来予測です。

そもそも、
15年前は、海賊版の映画をパソコンにダウンロードしても犯罪ではなかったし、
20年前は路上禁止地区で歩きタバコをしても条例違反ではなかったし、
40年前は不正の請託がない限り総会屋にお金を払っても総務担当役員が逮捕されたりしなかったし、
たった300年前でも、武士が失礼な農民を切り殺しても殺人罪で罰せられたりしなかったのです。

30年後に、パワハラが犯罪になっていても全くおかしくないと思いませんか。
むしろ当職は、その可能性が高いと考えています。
もちろん、今でも度を超えたハラスメントは暴行罪や名誉毀損罪、侮辱罪となります。
ですがそこまでいかない、現状ただの民事上の制裁しかない「キツい物言い」も犯罪になるかもしれません。

ヘイトスピーチについても、もはや倫理的な問題にとどまらないとして法規制が進んでいます。
怪我をさせて血を流すことだけが人権侵害ではない、このことが当たり前となったいま、精神的な苦痛に対する制裁が厳しくなっていくのは当然です。

そして次の段階はどうなるか。

倫理的でない行為が犯罪となったその次は、「倫理的で、スマートで、親切で、感じが良い人から順に企業に選ばれていく」ということです。
犯罪を犯しかねない人を雇うなんて企業としてリスクしかありません。
そうすると、「パワハラという犯罪を起こしかねない人」とは真逆のタイプを選ぶことになります。つまり、明るくて、爽やかで、親切で…そんなタイプが好まれるということです。昭和のように、多少強引でもパワフルに己の道を突き進んでいたタイプは敬遠されていくかもしれません。
シリコンバレーのGoogle本社には感じの良い人ばかり、なんて噂も有名です。
人材を選ぶ余裕のある企業から順に、そのような特徴を備えていくでしょう。
既に昨今の新入社員の方々にお会いすると、我々の時代よりも遥かに皆さまスマートでお洒落で爽やかでいらっしゃいます。

パワハラ撲滅は大賛成です。ハラスメントは人権侵害です。ハラスメント撲滅こそ、弁護士としての自分のライフワークであると考えています。
他方で、明るくもないし爽やかでもないし大して親切でもない当職は、30年後にはなかなか仕事が見つからない気もいたします。
まあその頃には引退しているでしょうから、近所の「いぢわる老人」としてひっそりと片隅で生きていこうかと思います。

弁護士 野村彩(のむらあや


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