ミニサイトを売り込んでみた
昨年2019年2月に立ち上げたミニサイト「房総半島素掘りトンネルナビ」。どんなサイトか、なぜ立ち上げたのか、どうやって作っているのかなどは、いつか気が向いたらまた記事にまとめます。
よかったらまずはちょろっと覗いてみてください。
ひとことで言えば、千葉県内の人手で掘った古いトンネルを紹介している、ちょっとマニアックなサイトです。
房総半島南部の山が多い中央エリアに集中していることもあり、ターゲットは主としてバイク乗りや自転車乗りの人。舗装されていない林道の先にあるトンネルもいくつかあるので、バイク乗りでも実際に訪れたことある人は一部だと思います。
神秘的で迫力満点!
ただ写真を見せると「えええっ!こんなトンネルが現存しているんですか!!!」と驚かれます。「すごい、行ってみたい」とお世辞・社交辞令でなく言ってくれる人も結構います。
中にはトンネルの中に横坑(もう一本別のトンネル)があって、そこを歩いていくと湖のほとりの祠にでるという神秘的なトンネルもあります。
ローカル電車&バスで行けるところも多数
さらに「バイクでないと行けない」場所は実は一部で、ほとんどの素掘りトンネルは、小湊鉄道という千葉の中央部を横切るローカル電車と路線バスで行くことができるのです。もちろんレンタル自転車を組み合わせればもっと楽しめます。
「知られざる穴場スポットなので、もっと多くの人に知ってほしいなあ」
2018年末以降、何度もこのエリアを訪れ素掘りトンネル巡りしている自分は、心からそう思うわけです。
素掘りトンネルを勝手に売り込んでみる
そこで考えたのが、観光協会と雑誌社への売り込みです。
幻想的なハート型の光の写真で一躍有名になった「濃溝の滝」は、既にバスツアーが組まれているほどの人気っぷり。素掘りトンネルも同じくらいインパクトあるビジュアルなので、雑誌で取り上げてくれたら興味持つ人も現れるんじゃないかなと。
安全性の問題などもあり観光協会はのってこないかもしれないけど、地域によっては観光マップに素掘りトンネルを盛り込んでいるところもあるので、観光資源としてちょろっとでも検討してもらえたらいいなと思いました。
正直、サイトそのものを宣伝してもらう必要はありません。
「素掘りトンネル」「房総半島 トンネル」などで検索すれば自分のサイトが検索上位に登場します。房総半島に素掘りトンネルというものがあり、見ごたえあること、バイクはもちろん電車でも行きやすいことさえ伝われば、後はネットで検索してやってきてくれるはずです。
作ったのがこの資料です。
2019年の台風で冷え込んだ房総半島の観光復活にも
資料を作る最大の原動力になったのは、2019年に房総半島を襲った台風による観光の冷え込みです。私自身千葉育ちなこともあり、去年は9月中旬から10月にかけ、南房総市や館山市でボランティア活動に参加をしていました。
相次ぐ台風で被害も重なった結果、観光客も減ってしまい、営業再開しても苦しい状況の飲食店や宿泊施設の話も聞いていました。
災害ボランティアの合間をぬってバイクで房総半島を回り、Twitterに観光スポットの写真投稿などもしましたが、正直そんなの大した影響はありません。そして思ったんです。
「素掘りトンネルは、新たな観光のフックになるのでは」
観光協会・雑誌社向けの媒体資料
過去にも同様の媒体資料は作ったことがあります。
東京ビアガーデン情報館であれば、ビアガーデン関係者向けに広告を販売するための資料を作っていますし、東京&グランピング情報館では、グランピング施設関係者に施設情報登録を促すための資料を作成しました。
今回は雑誌社・観光案内所などに送るので、何を盛り込んだらいいのかちょっと悩みました。「で、どうしろっていうの?」となってしまってもいけないので、「房総半島素掘りトンネルに関する観光パンフレット企画・編集協力、記事執筆など可能です。ぜひお声がけください」と記載もしました。
資料はプリントして、郵送しました。
カバーレターにはサイト内の写真の提供は無償なので、ニーズがあればご連絡くださいとも。そうすれば、あらためて取材などせずともさらっと記事が作成できるのでいいかなと。
残念ながら、房総半島の市町村観光協会宛に送ったものは全く反応ありませんでしたが、雑誌社に送ったものは数は少ないもののレスポンスがありました。
そのひとつめがバイク雑誌として人気も高い「BikeJIN」です。
4月1日に発売の「BikeJIN 2020年5月号」がちょうど房総半島特集。その中で素掘りトンネルを見開き2ページで特集するとのことで、ライター仕事をいただけることになりました。
資料を送ったタイミングもちょうどよかったです。少しでも後ろにずれていたら、企画には盛り込んでもらえなかった可能性があります。
既に新型コロナ感染拡大していた時期だったので、打ち合わせも何もなく、編集担当の方とはメールでだけのやりとりです。
でもこんな特集ができあがり、私が撮った写真もたっぷり掲載してもらった上、顔写真まで入れてもらうことができました。本当に感謝です。
発売後にTwitterを見ていたら、BikeJIN特集を見て実際に素掘りトンネルを目的にしたソロツーリングをした人もいました。ほんとうれしいですね、そういうのを確認できると。
さらに今年7月、旅行系の雑誌社からオファーをいただき、素掘りトンネルの特集をライターとしてやらせてもらえることに。今回は素掘りトンネルに加え、内房・外房のグルメ&観光スポットなども取材して記事にするというお仕事も一緒にもらいました。
別に雑誌ライターの仕事をしたいわけではありません(紙は文字数制限も締切もあって面倒)。ただもともとの目的が「房総半島の観光復活」なので、これは嬉しいわけです。なにより素掘りトンネルが一般誌でも見開き2ページで特集されるというのは、房総半島素掘りトンネル史(?)にとっても画期的なことです。
ちなみにその雑誌の発売は9月下旬なので、どの雑誌かはそれまで内緒です。発売になったらここに追記します。
媒体資料を作ることはミニサイトの棚卸にもなる
運営サイトの媒体資料は、割と初期から作っていました。2005年には既に複数のサイトを運営していたので、各サイトごとにA4一枚ぺらの資料を作り、興味もってくれた人や、ASP担当者、アフィリエイト実施ECサイトなどに渡していました。
私は、自分が企画し作り運営しているサイトのことを隅々まで知っていますが、自分以外のすべての人にとって他人が作ったサイトなんて、規模の大小にかかわらず異世界です。調べようと思っても結構大変なもの。がっつり見てくれるのなんて、ごく一部の熱烈なファンか、パクリやだけです。
簡単なものでも、媒体資料があればとっかかりやすくなりますし、親しみも湧きます。「このサイトについて」ページ同様、あれば「ちゃんと真面目に運営しているんだな」「このテーマに強い思い入れがある人なんだな」と思ってもらいやすくもなります。
そして自分自身にとってもメリットがあります。このサイトは誰に対してどんな情報を発信するサイトなのか、自分は何のためにこのサイトを作り、運営しているのか、今後どんなことをやっていきたいのか、このサイトをどう成長させていきたいのか。
頭の中で漠然と考えているだけでなく、文字で書き出してみる。それを第三者に見せて理解してもらえるよう、何度も推敲し、加筆し、余計なものを削除し、練っていく。パワーポイントに整理し、目次を作り、資料を完成させる。プリントしてホッチキスで止め、「『たかが個人サイトごときが偉そうに』と鼻先で笑われるかもなあ」とびくびくしながらも、背伸びして出版社などに送付してみる。
この一連の作業を通して、自分自身のスタンスも変わります。
サイトを構築する時にも「企画書の作成」で同様の作業をしますが、サイトを完成させ運営を始めれば、新たな情報も入ってきますし、やりたいことも増えてきます。見えている世界も広がりますし、時にもともとの計画や運営方針が崩れ揺らいだりすることもあるでしょう。
そんな頃にこうした、第三者に見せることを前提とした媒体資料を作ることで、ある種の「棚卸」ができるんじゃないかなと思うわけです。
よかったらぜひ、今運営しているサイトの媒体資料、作ってみてください。ぺらいちの簡単なものでも十分だと思います。
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