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「ヨガ日記」9.This Is How We Dance


 
私は聖人ではない。
30年近くヨガを実践してきて他人様に教える仕事までしているが聖人からは程遠い。
 
いやいや聖人どころか50歳を過ぎて結婚もしているし思春期の子供も居るし、若い頃には煩悩の炎でずいぶんと酷い目に遭ったにもかかわらず未だに浮気心が収まる気配もない。
すぐに気に入った男を見つけては新しいオモチャでも手に入れた子供のように夢中になってしまう。
 
いわゆるヨギーニのお姉さんのように真面目で健康な食事ができている訳でもない。
体調が悪くなるので肉や乳製品はたくさん摂らないが、カフェインとアルコールは止められないしお酒を飲むとたまに調子にのって煙草も吸う。
 
ちなみにヨガインストラクターの資格を取得するまでアルコールを10年以上止めていた。20代後半で断酒した時にはアル中に片足片手くらい突っ込んでいた。
煙草はタール32mgニコチン1.5mgの煙草を1日1箱吸っていたが結婚した時に止めた。
でヨガインストラクターになった途端にお酒を飲むことにし1年に1回は煙草を吸うことに決めた。
いわゆる真面目で健康的なイメージ通りのヨギーニになるのが単純に嫌だった。つまり天邪鬼ですな。
 
時々本気で悩む。
こんな私がなぜヨガなんかやってるのか?
ましてや他人様に教えるなんてことをしてもいいのか?
 
でもさ、よく考えたら。
こんな私だからヨガやってるんだよな。ヨガがなければ私はいとも簡単にとんでもない煩悩の炎にdiveしてしまうのだ。男にもお酒にも煙草にもすぐに溺れる。自分をボロボロにするまで気が付かないのだ。気が付いたら地獄に堕ちているのだ。
 
悩みに悩み、あー助けてっっ!て思いながらマットの上で身体を動かしているうちにだんだん煩悩と距離を置けるようになる。そして瞑想をすると光が見えてくる。
お、私も悪くないな、と。
 
もしかしたらこの煩悩の炎はこんな私を解脱へと導くためにいつも唐突に空から降って来て、わざと私を翻弄しようとしてくれてるのかも知れない。
だってこんなに悩まなかったらヨガなんかしないよ。男や音楽や映画やお酒や旅や、人生には他にもっと楽しいことは山ほどある。
それなのにこんな私を律儀にマットに導いて下さるのはこのありがたい煩悩ちゃんに他ならないのだ。
 
この煩悩ちゃんのおかげで私は今日も踊り続ける。
シヴァ神が踊ったという108のダンス。
私はこの世に存在する間にいくつ踊れるのだろうか??
 
 

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