苔に恋して

「上を向こう!」とするこの時代に、

ふと「下を向いてみる」。


目立つことはないがそこには苔がある。

普段は風景の一部として意識することもないが、

よーく目を凝らすとそこには苔がある。

日の当たらない湿気があるところに生息している

じめじめしたやつ・・・

陰湿な奴・・・

なんて思う人もいるかもしれない。

でも、実はこの苔は数億年も前からこの地球上に存在する。

数億年前・・星よりは若いのか等と思いつつも

ちょっと苔に想いを馳せてみる。


人間が誕生するずっと前から、苔は地球に生きてきた。

少し調べてみると、面白い。

地球が生まれたばかりころ、そこには植物はあったか?

答えは「ノー」。

そこにあるのは火山活動でできた溶岩や岩石や火山灰。

その上に苔が繁殖し土壌ができ、

土壌ができると色々な植物が息づくようになる。

植物の定義付けでその数は変わるみたいだが、

現在この地球上には約27万種の植物があるらしい。

極端な話、これらの誕生の元を辿れば、

「苔」

に行き着くのかもしれない。

まさに、苔が生み出した多様性だ。


地球誕生から今までに色々な環境変化があった。

恐竜が絶滅したあの日だって、

氷河期にあったあの頃だって、

人間が誕生したあの日だって、

どんな時でもその時々の変化に対応しながら、

苔自身が変化をしながらこの地球に多くの種を生み出し続けている。

変化・多様性に寛容であるとさえ思える。


人間の世界ではどうだろうか。

今、まさに変化・多様性を模索している。

私たち人間も苔のようにありたいものだ。


これまで人間は多くの「もの」を創り出してきた。

その中で「もの」に対しての変化(進化)・寛容性は養われてきた。

しかし、国のこと、宗教のこと、人間同士のこととなると

それが上手く活かされていないように思う。


「上を向くこと」はもちろん必要である。

しかし、たまに立ち止まって「下を向いて」みてほしい。

きっとあなたの近くにもある苔。

苔は自分とは違う種(多様性)との共存で

今までも、これからもひっそりと

でも、力強く生きているのである。


「上を向き前に進む」ヒントを苔が教えてくれるかもしれない。


【音楽】

––––––––––––––––––––––––––––––
Second Nature by Audionautix http://audionautix.com
Creative Commons — Attribution 3.0 Unported — CC BY 3.0
Free Download / Stream: https://bit.ly/_second-nature
Music promoted by Audio Library https://youtu.be/y_EYDGCa5f4
––––––––––––––––––––––––––––––


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?