![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/67040000/rectangle_large_type_2_770e667698f4a04bb7b70e7eb215312b.jpeg?width=800)
有料販売しているゲームが違法ダウンロードされたので、ユーザー数の増加と売上への影響を調べてみた
お前は誰だよ
少しエッチな同人ゲームを作っているプログラマーです。
2020年4月10日からDLsiteを中心にFANZA、Steamなどで販売している「東方売春宿」が、販売から約1年と4月経過した2021年に8月末ごろ違法ダウンロードされているのに気が付きました。このゲームは成人要素を含むゲームなので、リンクは張りません。興味のある方は検索して(買って)ね。
2021年12月現在、700円前後で販売しており629本売れています。また、同人ゲームなのでコピープロテクトなどはしていません。
![画像1](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/63335986/picture_pc_cabaf12f68d1790552a4e71d7e869a45.jpg)
どうして気が付いたのか?
![画像2](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/63435447/picture_pc_dda620f0a5cd20023c4e350d44e9af91.png?width=800)
このゲームではユーザーがゲームを起動したり、クリア時などにデータをサーバーに保存しています。この保存回数を表したものが上の図で、ざっくりと「このゲームがどの程度プレイされているか」がわかるものなのですが、数か月ぶりにこのデータを見ると、異常な数値が出ていることに気が付きました。
この機能を入れたのはリリースしてから1月ほどたってからなので、最も活発になるの販売直後を逃してしまっているのですが、計測できた範囲でリリースしてからおおよそ3月後の「7月4日の785」が一番活発な状態です。それでは以下の図をご覧ください。
![画像4](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/63435919/picture_pc_1cb92d135f32740acb7c0be6a4ca226c.png?width=800)
1年と4月という長い期間で表示したものですが、右の方に「7月4日の785」が埋もれてしまうほどの大きい山が確認できますね
![画像3](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/63435896/picture_pc_c5457808e9286f13599ec8c5006fafac.png?width=800)
大きい山の前後を表示したのがこちら。「2020年の7月4日の785」が一番活発だったのか、「2021年の8月31日の9845」というとんでもない活発度になっています。この前後に、セールやバズって売上が伸びた、ということはありませんでした。従って、違法ダウンロードの可能性を疑いました。
どこで違法ダウンロードされたのか?
例えば、ゲーム本体をzipに圧縮してプライベートな空間で共有する…といった手法だと見つけるのは不可能です。しかし、ゲームの名前で検索すると、あっさりと、違法ダウンロードを行っているサイトでこのゲームを見つかりました。ここではそのサイトの名前やURLなどは記載しませんが、ちょっと拍子抜け。
売上への影響は?
違法ダウンロードで気になるのはこれですよね。頑張って作ったゲームが売れないと、ホームレスまっしぐら。・・・猛獣につき野外放置は危険・・というわけで、違法ダウンロードしてプレイしたユーザー数を調べてみました。
![ログインユーザー](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/63437556/picture_pc_9821b87910a0261ebb087ab080d16121.png)
これはゲームの起動回数を保存している表で、DBの不具合なのか同じ日の集計でも別の日扱いされてしまうことがあるのですが、最も活発な8月31日に「911+117+72=1100人」のユーザーがゲームを起動しています。この1100人の中にちゃんとゲームを購入してプレイしてくれている神様のような人もいるはずですので、この1100人全員が違法団ロードというわけではありません。といわうけで、8月31日前のユーザー数がこちら。
![ユーザー数2](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/63437817/picture_pc_b3e26c872dc4dace1608d9f74607bbb8.png)
↑違法ダウンロードされる前日や、前の週にプレイしているユーザー(ちゃんと買ってくれているであるプレイヤー)は1~2人でした。更に、違法ダウンロードしたユーザー全員が8月31人にプレイするけではないことも考えなければなりません。次の日にダウンロードする人や、ダウンロードした次の日に起動する人もいるはずです。これらのことも考慮すると、最大で1500人ぐらいの違法ダウンロードユーザーにプレイされたのではないでしょうか。
ダウンロード数チェック
仮に1500人が違法にプレイしたとして、その中に「違法ダウンロードしなければ購入した可能性のユーザー」がいなければ、売上が減ったとは言えなません。そこで、違法ダウンロード前後で売り上げが減ったか見てみます。
![売上比較](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/63438403/picture_pc_620c05c1e595cd6cb35b88edfb69bc9d.png?width=800)
違法ダウンロード前は一か月で「770円で1本+539円で2本」、違法ダウンロード後は一か月で「539円で15本」売れています。これだけ見ると、違法ダウンロード後の方が売れてる!と見えますが、そこまで単純ではありません。
まず、このゲームは販売から1年以上経っており、セールなしの値段で買う人はかなり少ないです。また、違法ダウンロードされる少し前に、初めての30%オフセールをしていますので、これで購入していただいた方もいるはずです。なので、「セールによって購入が増えたの」か、「違法ダウンロードした人が気に入って買ったのか」の区別はできません。
仮に違法ダウンロード後に売れた15本のすべてが違法ダウンロードした人が気に入って買ったのだとしても、1500本のダウンロード数に対して僅か1%。
違法ダウンロードによって知名度が上がり、結果的に売上が上がる、という現象は期待できなさそうですね(ゲームがつまらなくて、違法にプレイした人が購入しなかったんじゃないの?という突っ込みはなしで)
まとめ
分かっていたことですが、売上へどれぐらい影響があったかは推測を重ねるしかなく、正確な実態の把握は不可能ですね。
ただ、今回は正規販売数の3倍ぐらいダウンロードされたようですが、リリースしてから違法ダウンロードされるまで1年以上の期間があったことで、購入される数もかなり落ち着いてたため、大きな被害はなさそうです。
しかし、これがリリース直後だったら…と考えると売り上げにも精神的にも大きなダメージが入りそうです。
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