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【クライアント座談会】NTTマーケティングアクトProCX 〜表層だけに囚われず、「未来の当たり前」をデザインするコンサルティング〜

NTTマーケティングアクトProCXはコンタクトセンターをはじめとする様々な顧客接点で培ったノウハウと、最新技術を活用したデジタルソリューションを用いた顧客体験デザインの専門家集団です。

ワヴデザインでは2020年より同社のリード獲得に向けたブランディング及びデジタルマーケティング高度化のお手伝いをしています。今回はWebサイトのリニューアルのデザインコンサルティングを軸に、プロジェクトの目的や進め方、プロジェクトが与えた影響について、両社の担当者たちによる座談会でお聞きしました。

[聞き手・文]
佐藤 教子(Wab Design INC.)

こんな方にオススメ
⚫︎自社の強みを明確化して他社と差別化したい人
⚫︎
組織の課題をデザインの力で解決したい人
⚫︎CXを軸にしたサービス開発や、データの利活用に興味のある人

プロフィール
米林 敏幸(NTTマーケティングアクトProCX / シニアプロデューサー)
コンタクトセンターDX推進に加えて、デジタルマーケティングやCXコンサルティングビジネスを立ち上げ、顧客接点の最適化に向けた新たなBPOビジネス戦略を推進。

井上 雅博(NTTマーケティングアクトProCX  / チーフプロデューサー)
顧客接点最適化に向けたBPOビジネス戦略の推進に従事。デジタルマーケティング及びCXコンサルティングの事業開発及びコンサルタントとして様々な企業のCX・DXをサポート。

岩永 智朗(Wab Design INC. / クリエイティブディレクター)
米国大学のコミュニケーションズメディア専攻卒。広告代理店、Webプロダクション、CRM特化のマーケティング企業でプランナー/プロデューサーを担当。2017年よりワヴデザインに参画。国内外の大手企業から中小企業まで業種業績を問わずデジタルマーケティング支援の実績を持つ。

両社の出会い

お互いに感じた覚悟

ーまずは両社の出会いについて聞かせてください。

岩永:もともとは共通の知り合いからのご紹介でしたよね。

米林:我々は顧客接点の伴走支援を事業としていますが、自社だけではクリエイティブなどのデザイン分野で強みが発揮しきれなかったんです。コミュニケーションデザインを作り変えるということを新たにやっていきたかったので、コンテンツ制作の伴走サポートだけでなく、機動的なマーケティングアクションができるパートナーを求めていました。

オンライン対談の様子。左上から時計回りで岩永、米林さん、佐藤、井上さん

ーお互いの印象はいかがでしたか?

米林:…イケメンがきたなっていう印象ですね(笑)。

岩永:(笑)

井上:最初に「ワヴデザインは自分たちがやるべきと思うことしかやりません」って言われたんですよ。仕事に対するプライドと、静かに燃えるバイタリティみたいなものに惹かれたのを覚えてますね。

米林:強気な姿勢に言うからには覚悟を決めて本気でやっていくという覚悟を感じましたね。その後のプロセスで実績をちゃんと示してくれたし、新しいことにチャレンジする際の提案や、具体的な施策アクションの提示も充実していたので良い意味で期待を裏切られました。

岩永:僕が感じた印象と結構似てますね。おふたりからはリスクを負うことを厭わないというか、どうせやるなら会社を変えるレベルのことをやりたいという覚悟を感じたので、プロジェクトをうまく進められるし、良いものを作ることができると確信しました。


プロジェクトの概要

自社をひとつの事例として、クライアントへの提案につなげる

ープロジェクトを始めるきっかけや、事前にあった課題があれば教えてください。

米林:もともとはコンタクトセンターの現場の仕組みをAI・デジタル化するというところをビジネスの注力ポイントにしていたのですが、俯瞰した時にコンタクトセンターは顧客接点の一つでしかないことに気づきました。人とデジタルの融合をビジネスの中で展開していきたいという我々の想いを実現するには、顧客接点で得られたデータをビジネスに活かして、顧客体験をデザインしていくことが重要だと思ったんです。

井上:これまでのWebサイトは、興味を持った人に訪れてもらって問い合わせが来るのを待つというカタログ的な位置付けでした。これからはWebサイトの履歴データを活用して、積極的に集客できるようなソリューションを提供していきたいと思ったのですが、そもそも自社のWebサイトを有効活用できてなくて。

米林:自社で、Webサイトをビジネスの軸として確立するというアクションをおこす。そして、その実績を事例としてクライアントに提案し、価値提供をしていきたいという想いでこのプロジェクトがスタートしましたね。


制作プロセス

納得いくまで議論を重ね、情報を整理する

ープロジェクトを進めていく上で、苦労した点はどこですか?

井上:僕らのビジネスって形があるものではないので、すごくわかりにくいんですよね。コンタクトセンターのビジネスだけでも魅力を伝えづらいのに、その後ろに溜まっていくデータの利活用といっても提案の幅が広すぎてクライアントもピンとこない。まずは既存の情報を一から整理して、何を伝えなきゃいけないのかというのを明確化しながらプロジェクトを進めていきました。

岩永:まずはソリューションをバラ売りするのではなく、メイン事業のコンタクトセンターとの有機的なつながりを表現する必要がありました。ソリューションカテゴリ間の関係性やターゲットの違いを整理していくプロセスが一番苦心したところですね。例えばソリューションマップを作る時は、色の解釈やデータの流れの表現方法などソリューション間のつながりを意識させるために細かいところまで議論を重ねました。

色の解釈やデータの流れの表現にこだわって作成したソリューションマップ


岩永:また、当時はMAツールが仕組みとしては導入されていたもののデータが溜まっているだけの状態で利活用が進んでいなかったんです。事例やホワイトペーパーなどのリード獲得のためのコンテンツも少なかったので、サイトリニューアルにあわせてコンテンツづくりとデータの利活用の運用体制を同時進行で整えていくことになって。

米林:一般的にはどちらかを先に整えるんでしょうけど、どっちもやりたいという希望をふんばって叶えていただきました。

岩永:現在はホワイトペーパーも拡充し、クライアントの事例をコンテンツ化する体制ができてきました。一方で、データの利活用に関してはまだ課題が残っていると感じます。履歴データを分析して、ポップアップを出したりスコアリングしたりはしていますが、そこまでアクティブに動けていないので、今後はWebで獲得したリードをインサイドセールスに連携して、効果的に追客できる仕組みづくりに注力していきたいですね。

ホワイトペーパーや事例記事などコンテンツを大幅拡充

米林:サイトをオープンしたから終わりではなく、リニューアル以降も継続的に運用していける業務デザインを一緒に考えてくれているところは、ありがたいポイントです。

ー一連のコミュニケーションはオンラインで実施されたのですか?

岩永:最初は対面でしたが、コロナの影響もあり途中から完全オンラインでやりましたね。最近ようやく撮影やブレストなども再開できて、オフラインでお会いして話す機会が増えてきました。

米林:新しいことを始める際は対面で議論するということをしてますが、ワヴデザインとは徹底議論したベースがあり、共通認識はできていたのでオンラインでも特に問題なかったですね。むしろmiroやマインドマップをうまく駆使して、デジタルと融合した効率的な合意形成をしていただきました。

オンラインでの議論に使用したmiro


岩永:オウンドメディア立ち上げ時やパーパスを決めた時の議論プロセスはBtoB企業のブランディングにも役立ちそうですよね。

米林:次回の座談会で掘り下げて話しましょうか(笑)。


プロジェクトを振り返って

デザインが未来の当たり前をつくる

ーまだプロジェクトは続いていますが、これまで進めてきた中で感じられた変化などはありますか?

米林:提供出来る価値をわかりやすく伝えるためにソリューションを整理したことによって、自社の強みを明確化できたんですよね。Webサイトやパンフレットづくりだけでなく、その後に続くプロジェクトでも強みを軸にした繋がりのあるビジネス展開ができて実績につながっているし、働くメンバーも自社の強みをあらためて認知して、仕事に対する考え方ややりがいが変化したという声もちらほら聞きますね。

岩永:すばらしいですね。

井上:ブランドカラーやパーパスをきめるような部分的なブランディングとは違って、ブランディング全体の反響はわかりにくいんです。でもこのプロジェクトで作り上げてきたものが会社の方向性になっているので、ブランディングにも良い影響を与えていると感じますね。

米林:未来を想像しながらデザインして、違和感なく受け入れられて浸透しているということが価値のあるデザインであることを証明してくれている。デザインが未来の当たり前をつくったという感覚です。


同じ目線で、より良いものを一緒に作り上げていく

ーワヴデザインのコンサルティングについてはいかがでしたか?

井上:結構プロの方にお願いすると、一般的な事例をベースにプロジェクトが進んでしまうこともあると思うんですけど、それは一切なくて。プロとしての助言はあるんですけど、僕ら側が内発的に思ってることをちゃんと引き出して一緒に形にしてくれるので、やってることに対しても結果に対しても納得感があります。

米林:Webサイトをつくるといっても、我々はユーザーから選ばれる機能や設計のポイントを熟知しているわけではないので情報を集める必要があるんですよ。調査委託をする企業も多い中で、ワヴデザインは調査まで自分たちでやっちゃう。役割を制限せずに出来ることは責任をもってやってくれるから我々にもきちんと要求をぶつけてくるし、より良いものを作るために同じ目線で取り組むところはプロフェッショナルだなと感じますね。


今後の展望

日本全体をウェルビーイングにする仲間を増やしていく

ー今後新たにやりたいことなどがあれば聞かせてください。

井上:例えば、コンタクトセンターで集めた顧客の声を商品パッケージのデザインに反映するなど、CXを軸にすると企業は部門間の連携を今まで以上に意識しながらサービスを作っていく必要がある。僕らとワヴデザインだったらお互いに補完し合いなら、企業に対して新しいサービスの作り方を支援できるんじゃないかなと思っています。

岩永:顧客の声(VOC)のリサーチってプロジェクトの冒頭にだけやればいいと思われがちなんですけど、本来はプロジェクトの各プロセスでリサーチして、リアルタイムで顧客の声をサービスに反映していかないといけないものなんですよね。コンタクトセンターでVOCを集めて、高度なデータ分析までできるというNTTマーケティングアクトProCXさんの強みと、我々がアウトプットできるCXデザインを結合してソリューション化して、あらゆる業界のいろんな顧客体験に貢献していきたいですね。

米林:プロジェクトを通して自社の組織が成長している実感が得られているので、ソリューションを提供することでサービス開発支援だけでなく組織の変革もできるという自負があります。今後はさらに拡大展開して、日本全体をウェルビーイングにしていく仲間集めを是非一緒に進めていきたいですね。

Credits
Client: NTTマーケティングアクトProCX
Producer: Tomoro Iwanaga
Creative Director: Tomoaki Suzuki
Designer: Katsuyo Kawamori, Mohan Xie, Naoki Abe, Hayato Nakada

製作期間 ※ 初期構築フェーズ
戦略設計:2ヶ月
サイト設計:2.5ヶ月
コンテンツ設計〜制作:2.5ヶ月
構築:4ヶ月

使用ツール
XD、Illustrator、Photoshop、miro、マインドマップツールなど



NTTマーケティングアクトProCX
コンタクトセンターをはじめとする様々な顧客接点で培ったノウハウと、最新技術を活用したデジタルソリューションを用いた顧客体験デザインの専門家集団です。豊富なノウハウを基に最適なサービスを企業に提供しています。



ワヴデザイン
ワヴデザインは、ブランディングやデザインコンサルティング、サービス開発支援などを手掛けるデザインファームです。領域を定めず、本質的な発想で課題の抽出から戦略立案、クリエイティブ制作まで幅広く価値を提供しています。