見出し画像

東日本大震災から10年‥復興支援「絆」茶会

復興菓子「絆」で繋がった一期一会

画像21


まずは待合のお軸から

画像2

奇跡の一本松の画賛「願復興」


本床のお軸

画像2

「露衣風心清」 ろいふうしん きよし

露を衣とし風を心とする その境涯は誠に尊く 天地・自然を我が衣、我が住まいとする心境は無欲恬淡として清々しく 自然と一体になった境地をあらわします


花は藪椿

藪椿の花言葉で今回はどうしても使いたかったそう

ただ、2月で咲き切ってしまったので

「心の目」で見てください‥と

画像3

なるほど〜

その手があったか!!!(笑)

花入れは

谷村丹後造 竹一重切 銘「心の絆」


香合は交趾の亀香合

画像4

棚は遠山棚

画像5

釜はナント!うさぎ釜

画像6

江戸時代後期の京都三条釜座の釜師 大西浄雪(大西家10代目)極めの古典釜

昔はこんな遊び心のある釜も作られていたんですね〜

行松さんが復興支援のために「絆」というウサギの干菓子を作っていたのを知って

「いい釜があるよ」って教えてくれた人がいたんですって!

うさぎは「前進しかしない」「ツキを呼ぶ」と手に入れられたのだとか

まさに今日の茶会にふさわしい!!


そして煙草盆

画像7

津波で流された流木の松を使用した煙草盆に

画像8

伊藤瓢堂造の「奇跡の一本松」火入!!!

(煙草盆にもこの心入れですよ、凄すぎる✨)


そして亭主からの挨拶

画像9


大寄せの茶会の正客は一期一会

事前打ち合わせ無しのご指名で

画像10

宮城県で多目的茶室「面白庵」(写真)をオープンさせた小谷さんに☺️


行松さんの丁寧なお点前に釘付けになりながらあっという間に一服

画像11

この主茶碗のエピソードがまたすごいんです!

一服飲み終えた行松さんが茶碗の横に懐から写真を出し

カメラが近づきます

画像12

津波でお嬢さんを亡くされた岩手の茶道の先生が

後日、別の場所で見つかったお嬢さんの新築の家の2階部分から

出てきた萩茶碗(坂倉新兵衛造大宗匠極め)

娘の形見を「絆茶会」に使って欲しいと

岩手から石川県小松市に送ってくださったんだそう

〔娘を亡くしても茶道があったから今まで生きてこられた〕

という先生の気持ちにこの茶会で触れられたことが

今回の一番のご馳走に思えました

画像13

道具の箱書もカメラで写してくださっています

奥様の携帯電話も含め、カメラ3台で撮影

画像14

↑行松さんのFacebookより


遠山棚に桜川水指 まさに季節ですね

画像15

そして道具の拝見

画像16

一閑張の丸棗に

変わった形の茶杓‥

それもそのはず、材質からして大変珍しく

ワシントン桜とマロニエの木を縦に真ん中でついでいるもので

筒書きに大宗匠が若宗匠だった頃の筆で

画像17

銘が「シェクハンズ」!!!とあります

問答でも小谷さんが「シェ‥クハンズ」に見えますが?と

いい感じに突っ込んでいて

行松さんから「そうなんです、ネイティブだとそうなるんでしょうね」

って一同笑

こんな一瞬がまさに【一座建立】

茶道の醍醐味ですね〜✨

筒書きは大宗匠ですが箱書は淡々斎によるものだそうで

大変、珍しい茶杓を拝見せていただきました❣️


最後に桜の皮細工の建水の花押も映してくださいました

画像18

ただ、この花押は裏千家の方ではないそうで

分かる方、絶賛募集中だそうです


それから この茶会が行われた素晴らしい茶室の紹介

裏千家発祥の地と言われる石川県小松市

小松市の茶道をされている方は9割が裏千家なんだとか

行松さんのお店から歩いて10分ほどにある

「仙叟屋敷ならびに玄庵」

画像21

仙叟宗室といえば千利休の孫・元伯宗旦の四男で裏千家の始祖といわれています

加賀藩前田家は初代利家公や二代利長公は千利休から茶を学んでいたとされ

三代利常公も代々茶の湯をたしなんでおられ

利常公が小松城隠居後の慶安5年(1652年)に

千利休の孫・宗旦を召し抱えるとともに

茶の湯の文化の保護・奨励に努められたのだとか

小松に茶道茶具奉行として出仕した仙叟宗室は

利常公が66歳の生涯を閉じるまで茶頭として仕え

家臣はもとより城に出入りする商人や町役をしていた町人に茶道を教え

小松城下に茶の湯が広まり現在まで受け継がれていきました

茶道が一般市民に広がったのは小松市(前田家)のおかげかもしれないですね


この仙叟屋敷と玄庵は仙叟宗室居士300年還忌を記念して

平成9年に鵬雲斎大宗匠から小松市に寄贈されたもので

画像20

床柱にしぼりがたくさん入っている京都の北山杉や

天井にも京都の赤杉などが使われ

京都で数寄屋大工の棟梁をされている中村外二さんの本格的な数寄屋造り

画像22

家元が自ら「仙叟好み」の趣を現代風に設計されたものです

茶庭は9つの景石を配して仏教の「九山八海」を表して

野点もできるように工夫されているのだそう!!

画像23

いつか、ここで仲間とお茶会をしたいという夢もふくらんだ

素晴らしい「絆茶会」でした!!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?