『ダンジョン飯』を読んだ

ずっと気になっていたダンジョン飯を読んだ!
普通に異色の(?)グルメ漫画だと思ってたけど、巻を重ねるにつれてどんどんお話に深みが増していって、とても読み応えがあって面白かった。

自分が子宮筋腫核出の手術を受けたばっかで麻酔で頭ぐるぐるの時に「痛いし暇だし気晴らしが欲しいな…よし買っちゃえ!」的な感じで全巻大人買いしてしまった。
なんか読み終えた今思うと、まさにこのタイミングで読めてよかったな〜という話だった。麻酔で頭ぐるぐるのまま買って、頭ぐるぐるのまま読み終えたからいまいち細かなところを消化しきれず、「え〜?」「へ〜」って感じの読了感だったけど、あとからじわじわセンシの「食生活の改善!生活リズムの見直し!適切な運動!その3点に気をつければ自ずと強い身体は作られる!」がなぜか効いている。
ハリポタの「魔法でも死者の蘇生はできない」っていう前提が好きなので、「あ〜普通に生き返っちゃう世界観かぁ…」と最初ションボリしたけど、それが伏線になっているとは。死者の蘇生が不自然なこととして描かれ、生きる者の特権として「食べる」ことを描ききったすごい話だった。

以下ネタバレ配慮なし疑問点
(2024.4.10追記を「→」の後ろに書きました。マジで読み落としが多かったので、二周目してよかった)

読み終えてからの違和感を「」の中に書き留めておく。

「マルシルの欲望って元からああだったの?そしてそれは『健康に生きてなるべく長生きして一緒にいるよ!』というアンサーで納得できるような動機だったんだっけ?それをマルシルのパパがやってくれて(平均寿命より22年も長く生きた)、それでも寂しくなっちゃったんじゃなかったっけ?」
→マルシルの元々の欲は「数百年寿命を延ばす研究をして、短命種の寿命を十年でも延ばせたら上出来」って本人言ってたし、「短命種の寿命を延ばす!ざっと千年ほど…」っていうのは迷宮の悪魔にあてられてエスカレートしてしまった結果だったんだろうな。
でも単に迷宮にあてられたせいというだけではなかったんじゃないかな。難なく蘇生できるはずと楽観視してたファリンはあんなことになっちゃうし、ライオス一行との旅はしんどいけど楽しかったんだろうし、死んでほしくない人がどんどん増える状況だったから、14巻でマルシル自身が言ったとおり盛大に「駄々をこねた」んだろうな〜と思った。
駄々をこねてみて、それでもどうにもならないことはどうにもならなくて、でも努力でなんとかなることはちゃんとやるから!っていう意味で「食生活の改善!〜強い身体は作られる!」ってみんなが言ってくれて、それが嬉しかったのかな。

「ライオスが迷宮の主になる〜戴冠の流れがうまく飲み込めなかった」
→二周目でもあんまりハッキリこうだよね!って言えない()
迷宮の悪魔の封印が半分解かれた→悪魔が地上に出ていた時、各種族同士魔力を用いて戦争していた歴史を知っているエルフたち。その二の舞にならないように悪魔を封じ込めようと、カナリア隊が迷宮へ派遣される→エルフに迷宮の主の権利を委ねたらファリン蘇生が不可能になるので、マルシルが迷宮の主となる→マルシルとカナリア隊の戦闘。迷宮と地上との境があやふやになる→マルシルの次にライオスが迷宮の主となる。いっときは完全に悪魔が地上に復活するも、悪魔の中にあった「人の欲望を食べたいという欲望」を、魔物化したライオスが食べることで悪魔を無力化
まとめるとライオスは「あわや人類が悪魔に食い尽くされるところを救った英雄」になるんだ!ライオス一行以外の色んな人の都合があまり飲み込めてなかった…それはまあ最初に迷宮の主になる!って言ってカナリア隊に刃向かったのが不問になるくらいの功績。

「あれだけ『極刑』『牢獄行き』ってものものしい扱いをされていた黒(古代)魔術の使用が、結局ほぼ帳消しになっている気がする」
→これも丁寧に作中で説明されてたのに何を読んでた?!!古代魔術を使った者を罪人として引き渡すのはエルフと島主との取り決めであって、王としては認めない。正式に罪人として引き渡してほしいのなら、古代魔術の使用がなぜ罪に問われるのか詳らかにしてから来てくれってエルフに言うライオス頼もしかった。
でもあの屁理屈強すぎて、あれはほんとにライオスひとりから出た理屈だったのかな?黄金郷の人々とかヤアドにアドバイスもらったのかな…いやでも悪魔を倒す方法もライオスが考えたんだし、ライオスの知恵なんだろうか…

めちゃくちゃいい話だったのに「ブラボー!!!」つってスタンディングオベーションしながら読了できなかったのが悔しかった…くそ…頭が麻酔でぐるぐるじゃなければ…
たぶん読み込めばある程度消えてくれるような気がする違和感ばかりなので、もうちょい丁寧に読み込むべく二周目ダンジョン飯いってきます!
違和感消えてきました!マジで頭ボケボケのまま読んでたんだなあ…
シスルは死んでしまったんだろうか…あとミスルンが肉切りながらちょっと泣くとこと、センシの言葉に笑うところで泣いた
すごい素敵な話だったな〜折に触れて3周目、4周目したいくらいのお話だったし、ガイドブックには描き下ろしも入ってるみたいだからそっちも読みたいな…登場人物の全員にその人の生きてきた人生が感じられて、すごく暖かい話だった…

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