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foveonのモノクロ

カメラホリックという写真雑誌があって、鮮やかなモノクローム。という洒落たタイトルの記事が出ていました。
ほとんどはライカのモノクロ版(モノクロしか撮れない)の礼賛記事なんですが、そこの記事であったのが、デジタルカメラのモノクロセンサvsカラーセンサのチャンネルミキサー(白黒リミックス)の話でした。
カラー写真をモノクロ化する時には、チャンネルミキサーにより、何色のカラーを暗め/明るめとコントロール出来て、それによりコントラストや見せたいところを強調できるという意見に対し、モノクロ専用センサはカラーフィルターレスであり全部の画素が輝度信号を持っているので(通常のベイヤー配列では緑=50%しか輝度信号がない)、その分きめ細かな画像が出てくる、といった趣旨の話だったと思います。

そういえば、自分の大好きなシグマのdp2 merrillに搭載されているfoveonセンサもカラーフィルターが無く、さらに色ごとの垂直配列なので全点が輝度信号を持っていて、実はライカモノクロームに負けず劣らずモノクロがとても綺麗という事でした。(レンズの差は大きいですが)
しかも、最近のシグマの現像ソフトSigma Photo Pro(SPP)では、モノクロ現像に特化したRaw現像機能が搭載されているらしく、いろいろな記事を見て試してみたくなりました。

事前にお断りしておきますが、これはあくまでDP2 merrillのケースなので、他の機種に当てはまるかわかりませんし、ましてやセンサ構造から違うライカに当てはまるはずはありません。

比較は、SPPのモノクロ現像を行った写真と、Photoshopのfoveon用プラグインを使ってモノクロデータを使って現像を行った場合、同じくPhotoshopのプラグインで、カラーのRawデータを読み込んでPhotoshopでモノクロ化する比較です。

結果はあまり違いの判らない自分にも歴然でした。

元々のデータはこれでした。

SPP-PSD比較4

左からPhotoshopでモノクロデータ読み込み、真ん中がSPPモノクロ現像、右がPhotoshopでモノクロ化した写真です。右のモノクロ化ではSPPで現像した時に似せるように明るさとトーンカーブでコントラストをつけてはいます。これで見るとSPPの写真は黒は締まっているけれど暗部でもちゃんと見えて暗部が出ているようにも見えます。ただしこれはPhotshopでの調整が不十分な可能性もあります。

次に拡大したのがこれです。(画像をクリックすると拡大するかと)

SPP-PSD比較5

ブログの写真では見えにくいかもしれませんが、ディテール(例えばコーヒー缶のデザイン)がノイズも少なく一番よく見えているのは、右のPhotoshopでモノクロ化した時のものでした。

同様に別の写真も。
拡大前の写真はこれです。(Photoshop でモノクロ化)

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そして橋のたもとを拡大して比較したのが以下です。

SPP-PSD比較

上がSPPモノクロ現像、下がPhotoshopでカラーデータからモノクロ化したものです。解像度はあきらかに後者の方が上です。柱の落書きや左側のグランドの草の質感などあきらかな差だと思います。

これは勝手な推測ですが、foveonでは各層のセンサが全部輝度信号を持っているので、モノクロデータ(多分最表面のセンサのみ?)よりも3色のデータを合成した方がノイズも少なく各色情報に依存したデータが増える?(本当か?)のかもしれません。

ともかく、良くはわかりませんが、コントロールできる幅や質感も含めPhotoshopでのカラーデータのモノクロ化が一番ディテールが保たれるようなので、今後この手を使っていこうと思います。
おまけに同じ日に撮ったfoveronのデータを。

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凄いですよね?

東京都在住のアマチュアカメラマンです