見出し画像

「天才 柳沢教授の生活」山下和美 〜ブッマークチャレンジ02〜

今日は山下和美「天才 柳沢教授の生活」です。

ドラマ化もされた、人気コミックです。基本はシチュエーションコメディーですが
「シンプルに思考すれば、問題はシンプルになる」
が作中で何度も繰り返される良著です。

出会ったのは僕が18歳のころ。浪人しているときでした。浪人というのは、社会に認められていないモラトリアムが極まった身分。
自分が社会で全く必要とされていない感覚に何に関しても後ろ向きだった頃に、友人に勧められて読みました。おそらく後ろ向きすぎる僕を友人が見かねたんでしょう、今から思えば。

知識層の象徴である国立大学のキャンパス。そのなかで、今から思えば好景気を謳歌する若者たち。
若者、老人、金持ち、貧乏人。社会の階層を行ったり来たりしながら、中心にいる柳沢教授のシンプルな正論で問題の本質を表現していく。

まるで、何事も環境のせいにしていた自分に
「結局、世の中は自分次第だぞ」
と語りかけてくれるようでした。

前田が好きなエピソードは、7巻のねじ工場を営む「藤田」が聴講生として柳沢教授の講義を受けていた時の話。

「経済学者である私は 経済についてほんの些細なことでも問いかけられれば答える義務があるのです。
私自身自分の研究に満足して それを忘れてしまうこともあります。
その問いかけがなくなった時 それはあなたの工場のネジが求められなくなった時と同じなのです。」

学問を深く追求してみたくなりました。学ぶことって素晴らしい。
ま、大学には残りませんでしたが(笑)

1998年初版。今読むと、ワンレンボディコンとか出てくるんで、ちょっとしんどいんですけどね。そういうの、ドラマでは再現されているのでしょうか。実写映像化、して欲しくはなかったかも。だって柳沢教授は究極のファンタジーなんだもの。

この記事が面白かった、同じような記事をまた読みたい、他にない素晴らしいものだと思っていただければサポートいただけると幸いです。取材費に使わせていただきよりオンリーワンな記事をお届けしやすくなります!