無敗の二冠牝馬が次に目指すもの

無敗の二冠馬が誕生した。

1コーナーで不利があり、4コーナーで後手を踏み、直線も進路がなく、それでもゴール前悠々と差し切った。無敗の二冠馬にとって、造作もないことなのか、鮮やかなできれいな勝ちっぷりだ。

無敗の牝馬二冠は、1957年のミスオンワード以来63年ぶり。って、その頃はエリザベス女王杯はもちろん秋華賞もなかった。二冠牝馬は最高の栄誉だったろう。

実は土曜日、知人とオークス予想談議をした際に「出走18頭のうち、サンデーサイレンス直径でないのは2頭だけ」と話していた。
サンデーサイレンスの血は、ここ数年のオークスダービーらしく全頭に入っている。それどころか今年はディープインパクト産駒が8頭と、寡占は進んでいる。
その中で少数派と言えばエピファネイア産駒のデアリングタクトと、スクリーンヒーロー産駒のウィンマリリン。直系でないと言ったが、それぞれ父の母系にサンデーサイレンスが入っているので無理矢理捻り出した少数派である。しかしなんと、この2頭のワンツーでレースが決まった。

さて、デアリングタクトはどこへ向かうのか。
歴代の女傑がオークスを勝った後に突きつけられてきた課題を、彼女の目の前にも現れた。競馬が世界と完全にリンクしている現代は、さらに悩みは深い。
父の母、シーザリオはアメリカの芝のG1へ向かい、圧勝した。勝てるレースで最高の栄誉を得に行った。

ブエナビスタは凱旋門賞を目指すも、壮行レースで負け牝馬三冠にも失敗。
ジェンティルドンナは三冠を達成しただけでなく、ジャパンカップ連覇に加えてドバイも制し牝馬であることを忘れさせた。

そして、アーモンドアイがとにかく勝ちまくる。

日本競馬は強くなった。世界のビッグレースでも今や全く怯まずに競馬できる。30年前、オグリキャップで日本中が沸き立った第二次競馬ブームの頃、少なくとも私はこんなレベルに到達するなんて想像もできなかった。

残るビッグレースは、凱旋門賞のみ。デアリングタクトの末脚は、ロンシャンの坂を登り切ることができるのだろうか。それとも、また違う道を歩むのだろうか。
世界は狭くなった。次は世界を変える番だ。

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