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星組「BIG FISH」感想-礼真琴の背中を見た極美慎

まったく予備知識なしだったのですが、プログラムから学ぶに元々はブロードウェイミュージカルで、ティム・バートンの監督でハリウッド映画化もされたし、話面白そう。

これがブロードウェイか!と窺い知れるような、いつもの宝塚とは一味違った曲調、ダンス、演出で版権の厳しさもなんとなく納得でした。

フレンチロックミュージカルもいいけど、礼さんでブロードウェイってのもいいやん!

※以下、ネタバレしつつ、キャスト別の感想です※


⚫︎エドワード(礼真琴)
・私が初めて知った頃、紅ゆずるの後ろでパァーンッと弾けんばかりに瑞々しかった礼さんも、もうパパ!
・でもおじいちゃんはやっぱ見た目は似合わないかな。いお顔が可愛いから。笑

・身体性が本当に高くて、おじいちゃんと若者の演じ分けが見事なんですが、個人的にはおじいちゃんから回想(若者時代)に移る際に、セリフの最初は老年、徐々に声とテンションをあげて最後には若者にしていくグラデーションの演技が面白かった。

・冗談好きで、楽観的で、久しぶりに小粋な礼さん多め

・どのナンバーもいいし、全部歌い方が違うといっても過言ではない。すごい。
・最後の極美とのデュエットで涙腺崩壊。

⚫︎ウィル(極美慎)
・あんなに見た目がキラキラなのに、極美慎が舞台にいるというより、ウィルがいる、と思わせてくれる演技派。

・なので礼さんが歌で泣かせてくるのに対して、セリフで泣かせてくる
・子どもの頃から現実的で、エドワードパパが倒れても実家のローンが完済してるか心配できるシゴデキ青年。であるがゆえに、父を理解できなかった、でも最後に分かる、父さんの想い…そして自分の息子へと受け継いでいく…涙

・今回はとうとうトップスターと組んで2番手ポジション。ガッツリ歌も芝居もあって、歌もこんなに歌えるんと感動
・最後のカーテンコール、客席をゆっくり見渡しながら、万感の思いを噛み締めて、でもいつものニカッとした笑顔でお辞儀する姿を見て、なにかすごく大きな分岐点に立ち会えたような、そんな気がしたのでした。

⚫︎サンドラ(小桜ほのか)
・あらゆるところで言及されてますが、礼さんとデュエットが素晴らしすぎる。本当に本当にありがとう…
・ほぼおばあちゃん設定だけどヅカなので若くてかわいい。おじいちゃん礼さんとのほのぼの夫婦もしっくりきて、文句なしのヒロインでした!

⚫︎サンドラ若年(詩ちづる)
・かわいい〜〜そりゃ街で人気よね!
・でも、こう、今後のことを考えるとなこちゃんがチラついてしまい素直に観劇できず(反省)

⚫︎巨人のカール(大希颯)
・カールという存在が楽しい
・洞窟に引きこもっていたのに、エドと一緒に旅をして、最後はウォール街で働いてるという振れ幅よ
・竹馬?を履いて演じるの大変だったろうに、すごく自然!

⚫︎人魚(希沙薫)
・きさちんの概念枠シリーズ
・かわいいし美しい動きだし、キラキラお衣装で映える!!

⚫︎魔女(都優奈)
・おおお!!ヴィランなビジュアル似合う!
・歌うまなので出てきたときから期待、そして期待以上

⚫︎エーモスキャロウェイ(碧海さりお)
・このサーカス団長もしばしば出てきて、いい味出してる
・コメディの中でもコメディな役をやりこなしてるのはさすが芸達者ちゃりお

⚫︎ドンブライス(蒼舞咲歩)
・こいつもジャイアンぽい幼馴染だけど、憎めなくていい演技だったな〜〜

⚫︎ヤングウィル(茉莉奈ふみ)
・すごくよかった!108期の主席ですよね。
宝塚の子供役ってみんな見目麗しいし、うまいこと身長差がでてほんとの子どもに見えることが多いのですが、その中でもほんとうに10歳くらいの少年がそこにいるみたいな、すこし生意気でパパのこと好きだけどだんだん素直になれなくなる様を大げさでなく等身大な感じで魅せてくれました。
出番も多いし誰だろう?って思ってプログラム見返して納得。抜擢に応えてる〜〜!

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ていうかよく考えたら女性だけで父と息子の物語をやってるんですよね。すごい。
見目麗しくて、物語もファンタジーだけど、女性が父性を表現するというもう一つのファンタジーさも相まった名作でした。

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