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資金調達

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暗号資産を用いた資金調達として、2013年には世界初となるICO(Initial Coin Offering)が実施されています。ICOについて明確な定義はないものの、一般に、企…
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#セキュリティ・トークン

資金調達_#4:「STO」に関わる法規制

STO(Security Token Offering)とは、法令上、有価証券に該当する権利をブロックチェーン上のトークンとして発行し、その販売を通じて資金を調達する方法です。法令では有価証券に該当するため、その性質上、伝統的な有価証券に対する厳格な規制の対象となっています。 STOなどを含まない狭義のICOと、STOとの大きな違いは、発行するトークンが法令上、暗号資産に該当するのか、有価証券に該当するのかという点にあります。この単元ではSTOの概要について、適用場面が限定

不動産セキュリティ・トークンの特徴、「手触り感」のある投資と消費が融合した商品(コラム)

不動産投資の新しい選択肢として、ブロックチェーン技術を活用した「不動産セキュリティ・トークン」と呼ばれる金融商品があります。どんな点が従来の不動産投資と異なり、市場規模はどのぐらいあるのか、野村総合研究所未来創発センター デジタルアセット研究室長の谷山智彦さんに、金融商品として見た不動産セキュリティ・トークンの特徴について話を聞きました。 小口投資で安定した分配金を享受――そもそもセキュリティ・トークンとはどのような金融商品なのでしょうか。 谷山:有価証券(セキュリティ)

丸井グループのデジタル社債で広がる社会貢献の輪、高まる顧客エンゲージメント(コラム)

セキュリティ・トークン(デジタル証券)を用いれば、証券会社などの金融機関に限らず、事業会社自身が販売会社となって債券を発行することも可能です。2022年6月に国内事業会社として初めて公募自己募集型デジタル債を発行した株式会社丸井グループは、その後も第2回(2022年10月発行)、第3回(2023年9月発行)と取り組みを継続しています。 このデジタル債はブロックチェーン技術を活用した社債(セキュリティ・トークン)のことであり、エポスカード会員を対象にしたソーシャルボンドとして

草津温泉旅館もデジタル証券で投資対象に! ST市場拡大のキーワードは積立投資(セキュリティ・トークンコラム)

セキュリティ・トークン(デジタル証券)に関した改正金融商品取引法が施行されたのが2020年5月1日。その1カ月前の2020年4月に設立された三井物産デジタル・アセットマネジメント株式会社(以下、MDM)は、国内外の不動産やインフラ投資を行う資産運用会社であり、これまでに様々な不動産を担保とするセキュリティ・トークンを発行してきました。なかでも、MDMが2022年3月に発行した不動産セキュリティ・トークンは、じゃらんや楽天トラベルなどが実施する温泉地ランキングで常に上位に入る人

国内初のデジタル環境債の次はデジタル証券市場創設! 日本取引所グループが描く未来(コラム)

2022年6月、株式会社日本取引所グループは株式会社日立製作所、野村證券株式会社、株式会社BOOSTRYと協業し、ブロックチェーン技術を用いた国内初となる公募ホールセール向けのグリーン・デジタル・トラック・ボンド(デジタル環境債)を発行しました。セキュリティ・トークンを通じて日本取引所グループはどんな未来を思い描いているのか、グリーン・デジタル・トラック・ボンドの発行に関わった日本取引所グループのJPX総研・フロンティア戦略部長の山藤(さんとう)敦史さんに話を聞きました。

セキュリティ・トークンはどんな投資体験を生み出すか - 神本侑季×佐々木俊典対談(コラム)

「セキュリティ・トークン」はブロックチェーン技術によって株式や債券などの有価証券をデジタル化したものであり、デジタル証券とも呼ばれています。日本国内においては、2020年5月施行の改正金融商品取引法によって法令に準拠した取り扱いが可能になり、不動産や債券を裏付け資産としたものから市場が広がりつつあります。 新しい金融商品として注目されているセキュリティ・トークンにはどんな魅力や可能性があるのでしょうか。世界最大のWeb3・デジタル資産報道メディア「CoinDesk」の公式日