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資金調達

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暗号資産を用いた資金調達として、2013年には世界初となるICO(Initial Coin Offering)が実施されています。ICOについて明確な定義はないものの、一般に、企…
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#資金調達

資金調達_#5:「INO」の基礎知識と法規制

INO(Initial NFT Offering)とは、NFT(Non-Fungible Token)を通じて資金を調達する方法です。NFTとは一般に、ブロックチェーン上で発行されるトークンのうち、トークン自体に固有の値や属性をもたせた代替性のないトークンのことを言います。 アートやゲーム内アイテムなどのデジタル資産を表すトークンとしてNFTが発行される形であれば、基本的に、適用される厳格な規制はありません。しかし、NFTで発行するからと言って、必ずしも有価証券や暗号資産に

資金調達_#4:「STO」に関わる法規制

STO(Security Token Offering)とは、法令上、有価証券に該当する権利をブロックチェーン上のトークンとして発行し、その販売を通じて資金を調達する方法です。法令では有価証券に該当するため、その性質上、伝統的な有価証券に対する厳格な規制の対象となっています。 STOなどを含まない狭義のICOと、STOとの大きな違いは、発行するトークンが法令上、暗号資産に該当するのか、有価証券に該当するのかという点にあります。この単元ではSTOの概要について、適用場面が限定

コインチェックから始まった国内IEOは今 資金調達方法として普及するために必要なこと(コラム)

コインチェック株式会社は2021年7月、IEOプラットフォーム「Coincheck IEO」の提供を開始し、同月に株式会社HashPalette(ハッシュパレット)とともに日本初となるIEOによる資金調達を実現しました。2023年11月現在、国内IEOの事例は4件あり、コインチェックはうち2件に関わっています。 「国内初事例の経験も含め、コインチェックはしっかりとした審査体制が強みです。IEOの実施を検討している企業へのきめ細かいサポートはもちろんですが、購入者の皆さんが安

資金調達_#3:「IEO」の基礎知識と法規制

IEO(Initial Exchange Offering)とは、トークン発行者が利用者に対して直接トークンを販売するのではなく、発行者から委託された取引所が利用者に対して販売する形で実施される資金調達方法です。受託販売型や第三者型ICOと呼ばれることもあります。 本教材ではより正確に、「資金決済法上の暗号資産に該当するトークンを、発行者が自ら販売するのではなく、暗号資産交換業者に委託して販売する方法」と整理して解説します。STOなどを含まない狭義のICO(Initial

資金調達_#2:「ICO」の基礎知識と法規制

ICO(Initial Coin Offering)について明確な定義はないものの、一般に、企業などがトークンと呼ばれるものをブロックチェーン上で発行して、公衆から法定通貨や暗号資産を調達する行為の総称とされています。 この広義のICOでは、トークンを介した資金調達という趣旨で、STO(Security Token Offering)やIEO(Initial Exchange Offering)も含んだ意味を持ちます。ただし本教材では、STOやIEOとの比較で理解が進むよう

資金調達_#1:はじめに

この章の学習目標2008年にビットコイン(Bitcoin)の論文が発表され、2009年には最初のビットコインのマイニングが成功し、世界初となる暗号資産の運用が始まりました。その暗号資産を用いた資金調達として、2013年には世界初となるICO(Initial Coin Offering)が実施されています。 ICOについて明確な定義はないものの、一般に、企業などがトークンと呼ばれるものをブロックチェーン上で電子的に発行して、公衆から法定通貨や暗号資産を調達する行為の総称とされ