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映画批評

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#映画感想文

【映画評】『シド・バレット 独りぼっちの狂気』(2023) 孤独な口笛吹き

『シド・バレット 独りぼっちの狂気』(ロディ・ボグワナ&ストーム・トーガソン、2023)…

Y.N.
2日前
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【映画評】ゴジラvs生権力 「ゴジラ-1.0」(2023)

「ゴジラ-1.0」(山崎貴、2023)評価:☆☆★★★  原作レイプの常習犯、山崎貴監督が、…

Y.N.
6か月前
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【映画評】「社会的テーマ」という釣り餌 「スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム」…

 テレビで観た映画についての雑感でも書こう。  物語の核心部分についての記述を含むのでご…

Y.N.
7か月前
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【映画評】「グロテスク」(2009) スプラッター版「奇跡の海」

「グロテスク」(白石晃士、2009)評価:☆☆☆★★  もう2度と観る気になれない映画で…

Y.N.
1年前

【映画評】映画短評2020

 2020年に書いた、映画についての短いメモ。  2020年公開の映画はほとんど含みませ…

Y.N.
1年前
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【映画評】「パリは燃えているか」(1966) パリが燃えなかったせいで平和ボケしたフラ…

「パリは燃えているか」(ルネ・クレマン、1966)評価:☆★★★★  10月13日、BSプ…

Y.N.
1年前
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【映画評】「宇宙人の画家」(2021) 学校的価値観の呪縛

「宇宙人の画家」(保谷聖耀、2021)評価:☆☆☆☆★  傑作だ。  ボルシェヴィキ、大東亜共栄圏、満州国、マブゼ博士、悪魔くん、偽史、ディストピア、クーロン黒沢(ドローン撮影)、などなど、みんなが好きなものが詰め込まれた映画である。  しかし、若干、違和感もある。  まず前半、画面はカラーである。緊張感のある画面、意表を突く展開の数々。  そして中盤、画面はモノクロになり、これまでの物語が、学校でいじめられる少年の描いた漫画の世界だったことが明かされる。前半の心地よい緊張

【映画評】「食屍鬼ダーマー」(1993) 「空っぽであること」の悲哀

「食屍鬼ダーマー」(デヴィッド・R・ボウエン、1993)評価:☆☆☆☆☆  カナザワ映画…

Y.N.
1年前
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【映画評】「ザ・フライ」(1986) 同情しやすいバケモノ

「ザ・フライ」(デヴィッド・クローネンバーグ、1986) 評価:☆☆☆☆★  キチガイの…

Y.N.
1年前
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【映画評】「NOPE/ノープ」(2022) スペクタクル批判の特撮

「NOPE/ノープ」(ジョーダン・ピール、2022)評価:☆☆☆☆★ これがどういう映画かと…

Y.N.
1年前
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【映画評】「ジャンヌ・ディエルマン ブリュッセル1080、コメルス河畔通り23番地」(19…

「ジャンヌ・ディエルマン ブリュッセル1080、コメルス河畔通り23番地」(シャンタル・アケル…

Y.N.
1年前
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【映画評】「華氏119」(2018) 正義のガキ政治

「華氏119」(マイケル・ムーア、2018)☆☆★★★  アメリカの市民運動の雰囲気がつ…

Y.N.
1年前
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【映画評】「M」(1931) ファシスト失格?

「M」(フリッツ・ラング、1931)☆☆☆☆☆  つくづく恐るべき映画である。初見時、私…

Y.N.
1年前
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【映画評】「マルクス・エンゲルス」(2017) きちんと赤狩りしておけば……

「マルクス・エンゲルス」(ラウル・ペック、2017)☆☆★★★  うっひょー、アカだあ!おーいみんな、アカがここにいるぞ!アカのプロパガンダだ!  いやはやこれには驚いた。まさか今どき、ここまでストレートにマル・エン礼賛を噛ましてくる監督がいようとは思わなかった。ハリウッド的ヒーロー映画の手法とポリコレの精神で現代に蘇る、リベラル(!?)の先駆者への惜しみない神格化!おまけにエンディングで流れるのはディランの「ライク・ア・ローリング・ストーン」である。堪忍してくれよ!  や