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映画批評

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#アウトサイダー

【映画評】『シド・バレット 独りぼっちの狂気』(2023) 孤独な口笛吹き

『シド・バレット 独りぼっちの狂気』(ロディ・ボグワナ&ストーム・トーガソン、2023)…

Y.N.
6日前
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【映画評】「グロテスク」(2009) スプラッター版「奇跡の海」

「グロテスク」(白石晃士、2009)評価:☆☆☆★★  もう2度と観る気になれない映画で…

Y.N.
1年前

【映画評】「宇宙人の画家」(2021) 学校的価値観の呪縛

「宇宙人の画家」(保谷聖耀、2021)評価:☆☆☆☆★  傑作だ。  ボルシェヴィキ、大…

Y.N.
1年前
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【映画評】「食屍鬼ダーマー」(1993) 「空っぽであること」の悲哀

「食屍鬼ダーマー」(デヴィッド・R・ボウエン、1993)評価:☆☆☆☆☆  カナザワ映画…

Y.N.
1年前
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【映画評】「ザ・フライ」(1986) 同情しやすいバケモノ

「ザ・フライ」(デヴィッド・クローネンバーグ、1986) 評価:☆☆☆☆★  キチガイの…

Y.N.
1年前
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【映画評】「M」(1931) ファシスト失格?

「M」(フリッツ・ラング、1931)☆☆☆☆☆  つくづく恐るべき映画である。初見時、私…

Y.N.
1年前
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【映画評】孤独なアウトサイダーの政治 「デッドゾーン」(1983)論

「デッドゾーン」(デヴィッド・クローネンバーグ、1983)☆☆☆☆☆  言うまでもなく、これはキチガイについての映画である。当人の主観的な体験を一つずつ追ってみれば、なるほど、政治家を勝手な妄想で射殺しようとした犯罪者の言い分にも、いくらかの説得力があるのかもしれない。しかし、あるヴィジョンに囚われ、それを現実と思い込み、犯罪に手を染めていった数多のキチガイたちと主人公を客観的に隔てるものは何もない。キチガイの妄想が、それを必要とする人々に受け入れられた実績があるからと言っ