VRアバターショッピングワールド「YOYOGI MORI Avatar World」はなぜ"すごい"のか？ #VRChatワールド探索部
彗星のごとく登場し、VRChat民の注目をかっさらった話題のワールド「YOYOGI MORI Avatar World」。
デザイン、モデリングともにハイクオリティなアバターモデルやバーチャルウェアを提供している「YOYOGI MORI」が満を持して公開したワールドだが、実際に行ってみるとその丁寧な作りこみに感心することしきり。
普段はいくつかのワールドをパラパラと紹介している本活動だが、今回はこの「YOYOGI MORI Avatar World」に行ってみての所感を書き連ねていこうと思う。
「YOYOGI MORI Avatar World」に行くには、まずエントランス・ワールドに行く必要がある。Publicで公開されているのは、ショップワールド本体へ繋がるポータルが置いてあるこのワールドのみ。
本体のワールドはPrivate(非公開)ワールドとなっており、検索やメニュー画面等から直接本体ワールドへ行くことはできず、Public(誰でも入れる)インスタンスも存在しない。
私も普段はPublicインスタンスをほとんど使用しないものの、うっかり入ってしまってワールド世界観をぶち壊すカオスな光景を目の当たりにすることも少なくない。そういった混沌もVRChatの醍醐味と言えるだろうが、こちらのワールドにはふさわしくないと考えたのかもしれない。
エントランス・ワールドのポータルから飛ぶと自動的にInviteインスタンスになってしまうが、タイミングを合わせてみんなで同時にポータルに入れば同じインスタンスに入ることができる。
(VRChatに詳しくない方のために説明しておくと、「ワールド」というのは「型」のようなもので、インスタンスとは型（ワールド）を複製し作るバーチャル空間のことだ。なので、同じワールドから作られたインスタンスが並行世界のように複数存在する。同じ部屋がいっぱいあるホテルやカラオケルームみたいなものだと思ってもらえればわかりやすいだろうか。
誰でも入れるパブリックインスタンスもあれば、友達しか入れないとか、招待した人しか入れないというインスタンスもある。）
我々ワールド探索部も、一度このエントランス・ワールドに集まり「せーの」でポータルに入った。お店の前で友達と待ち合わせして買い物に行く感覚だ。
話題のワールド、その出来栄えやいかに？
ポータルに入りいよいよ「YOYOGI MORI Avatar World」に到着。
今回からサキュバスのリヤさんと、そのご友人のるすさんが参加してくれています。
正方形の枠に配置されたロゴはよく見ると台座が大理石になっており、ハイブランドのショップのような高級感。美術館にあるようなスポットライトで照らされており、細かい作りこみへのこだわりが垣間見える。
マップにはインタラクトすることでテレポートできるポイントが設置されている。ワールド自体はそれほど巨大ではないが、親切な設計だ。
下部に記載されている「OpenBrowserServer」については後述する。
エントランスを抜けて階段を登ると、トナカイ少女「KRONOS」の3Dモデルがお出迎えしてくれる。私はこの時点で3Dモデルのクオリティの高さ、それをディスプレイする空間デザインの美しさに衝撃を受けた。
「Virtual Wear」についてや、YOYOGI MORIの共通素体規格である「YM Body」、使用されているオリジナルのShader「YM Toon」についてなどが説明されているボードが設置されており、ショッピングの前にまずはブランドについて理解してもらおう、といった意図が見受けられる。
ワールドに設置されたテキストといえば、文字が小さすぎて読めなかったり、ボードが巨大すぎて身長の2倍ほどの高さにあるテキストを読まなければならなかったりするパターンも多い。こちらは画面がテキストで埋められるほど巨大ではないが、近づけばちゃんと読める、といった絶妙なサイズ感で非常に読みやすい。
ベンチに置いてあるショッパー。これといって特筆することのないシンプルな作りのショッパーだが、これを持っているだけで「ショッピングのワクワク」を感じることができる小粋なアイテムだ。
さて、ここからはいよいよ「Virtual Wear」の展示・販売エリア。「YOYOGI MORI」内の各ブランドラインのWearや3Dモデルを自由に鑑賞できる。アバターを購入する場合はBoothを使う人が多いと思うが、やはりVRで360度から鑑賞できるというのは魅力的。
一目でブランドのコンセプトを理解できる3Dモデルのポージングも良い。こういった見せ方の細かいこだわりが、このワールドを素晴らしいと感じる所以だろう。
「Virtual Wear」の持ち運べるアイテムも置いてあるため、このように自分のアバターと組み合わせて楽しむこともできる。こうして友達といろいろ試着しながらワイワイ盛り上がれるのはショッピングの醍醐味。
基底現実のお店で好き放題に試すのは少し気が引けてしまうが、VRChatなら誰に迷惑をかけることもなく楽しめる。
また、これらのアイテムは一定時間が経つと元の位置に戻るようになっている。一通り遊んだ後でも、きれいな状態でワールド内を撮影できるのはありがたい。
エントランスのマップ下部に記載のあった「OpenBrowserServer」を導入・起動していると、この「OPEN BOOTH」ボタンをインタラクトした際に規定のWEBブラウザーで商品購入ページを開いてくれる。欲しいと思ったアバターがあれば忘れずにインタラクトしておこう。
ちなみに、「OpenBrowserServer」でアクセスできるドメインについてはホワイトリスト形式で設定可能。それゆえ怪しいサイトに飛ばされる心配はないが、筆者の環境ではMcafeeを起動していると「OpenBrowserServer」のexeファイルを開くことができなかったためご注意を。
また「YOYOGI MORI」には男性モデルも存在する。それがこの「白鳥」だ。
今回から活動に参加してくれている「るす」さんが、置いてあるシューズを掴みながら「これがイケメンの足のサイズか……」と感嘆しはじめてしまうほどの美しさ。
かなり気合の入っている袖回りのテクスチャ。ここまで細かく鑑賞できるのはVRならでは。
ちなみにこれらの美しいセットアップは女性アバターに着せることも可能。凛々しい姿はfate/zeroのセイバーを思い出させる。
計10個ある展示フロアだが、その中間には「Garden」エリアがある。天窓から光が差し込む落ち着いた雰囲気のエリア……なのだが、活動日がたまたまエイプリルフールだったため、「ちくのえりまみれ集会」となっていた。
普段は1体しか置いていない「ちくのえり」ちゃんの人形が、広いガーデンエリアに所狭しと並んでおり圧巻。
ちなみに普段はこの状態。広々とした空間に日本庭園を彷彿とさせる岩や木々のレイアウト。ショッピングを楽しんだ後に一息つくのには最適なスペース。
こちらはイラストレーションを展示しているギャラリーフロア。モリオン航空のイラストレーター「モグモ」氏、3Dモデル「白鳥」のデザインを担当した「いなのめ」氏の設定画を楽しむことができる。アニメやゲームなどの設定画集を見るのが好きな人種には垂涎ものだ。
ハイクオリティな3Dモデルたち、美しいワールドの景観、そして随所にこだわりや配慮が見られるワールド設計。そのどれもが素晴らしく、この「YOYOGI MORI Avatar World」を回っただけで今日の活動は十分なのでは？と思ったほど満足感のあるワールドだった。ただのアバターワールドと侮るなかれ、ここにはVRショッピングにおける重要な要素が数多く詰まっている。
実際のところ、このワールドの設計や展示の仕方などは基底現実の商品をVRで販促する場合においてもかなり参考になるだろう。探索部メンバーからも「まさにこれこそ我々が期待する未来」「顧客がVRに望んでいた景色・体験がここにある」など、好評の声が続々と出ていた。VRコマースに興味のある人はぜひ一度訪れてみることをお勧めする。
VRショッピングの可能性を強く示してくれた「YOYOGI MORI Avatar World」。ワールド作者の「amanek」氏や「YOYOGI MORI」の皆様に敬意を表したい。
……というわけで買ってしまった。ペルソナ３の美鶴をきっかけにハイネックノースリーブフェチとなってしまっていた自分には耐えられなかった。とはいえ、いま使っているCyberCatちゃんも気に入ってるので、どっちを使うか……。
ちなみにVRで商品を見て実際の購買活動に至ったのはこれが初めて。それぐらい欲求が刺激されるモデル・ワールドだった。
ところでこれから購入を検討している人へ、私はNotiaの素体にkeiの服を合わせたかったため、Notiaの素体のみを購入したのだが、よく見たら素体のみと素体＋服飾モデル付きのフルセットでは3,000円の差しかない。なんということだ。
「Forget-me-not」の服飾モデル単体だと12,300円するので、さすがにこれは値段の設定ミスなのでは？と思ったが、とにかく12,300円の服飾モデルが3,000円で手に入るのだから、私のように素体だけ欲しいという人もフルセットを買う方が賢明だろう。インナーのニットめちゃめちゃかわいいし。
【新ブランド】#ケモノファブリック「#UndoneKittens」より #VRChat 対応の3Dアバター「アンキテ」ちゃん製作中です
— YOYOGI MORI【公式】 (@ym_Virtualwear) December 9, 2020
モグモ（@m_o_g_m_o_g_555）
典樹（@draw4401）
We're working on 「Undone Kittens」 now!#YOYOGIMORI pic.twitter.com/VOXd3hCzIv
しかしこのアンキテちゃんもめちゃめちゃかわいいんだよな……。
その他の写真など
「YOYOGI MORI Avatar World」
https://vrchat.com/home/world/wrld_ed90b982-9a6e-456d-9efc-e04921311d64
Worlds of the Week
活動では「YOYOGI MORI Avatar World」以外にもいくつかワールドを巡っており、その中で撮影された写真のうち、個人的に気に入ったものを数点、撮影ワールドのリンクと共に掲載する。
ふつうに見ていると広大な空き地だが、VRChat内でカメラ越しに見ると建物が現れるというギミックのワールド。昭和の香りがする風景がよかった。
何もない場所／Don't forget there. — by 坂上コウノ
https://vrchat.com/home/world/wrld_a219d2fe-49e2-4c77-93ad-ea8ec15b7086
phiさんのワールド。仕組みがよくわからないが、金色のリングを通ると表と裏の世界を行き来でき、同じワールド同じインスタンスにいるフレンドが、自分と違う景色を見ているという状態になれる。
リングを使って撮影するとこのように表裏両方の世界を写した写真が撮れる。最高。この景色は自分の何らかの性癖にガン刺さりしてしまい、めちゃめちゃテンションが上がって撮影した。
Vacuous Park : Alter by phi16
https://vrchat.com/home/world/wrld_49df40fa-9363-4cae-a4d1-4bb790d34aad
今週は以上です。一つのワールドを深く掘り下げて記事にするというほうが内容としてはおもしろい気がするが、とりあえず気分で内容は変えていこうと思います。
制作・写真：VRChatワールド探索部メンバー
タカオミ https://twitter.com/takamin_
稲垣 佑樹さん https://twitter.com/Yuki56ee
隠岐 和史さん https://twitter.com/uvwuvw
三日坊主さん https://twitter.com/mikkabouzu777
sabakichiさん https://twitter.com/knshtyk
キヌさん https://twitter.com/kinu_kaiko
EstyOctoberさん https://twitter.com/EstyOctober
サキュバスのリヤさん https://twitter.com/riyaDAZO
るすさん https://twitter.com/rusu__chan
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