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"オムニバス形式"のワールドを探索する #ワ探アドカレ
こんにちは! VRChatワールド探索部 部長のタカオミです。ついに始まったワ探アドカレ2022!
みんなが「ワールド」にまつわることを思い思いの形で言葉にするワ探アドカレ。今年もよろしくお願いします。
さて「VRChatワールド探索部」では週に一度VRChatにアップロードされた様々なワールドを巡る活動をしています。最近はアップロードされるワールドの数が増えたこともあり、1日の探索で20個以上のワールドを巡ることもあります。
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2022年の活動では776個のワールドを巡りましたが(12月1日時点)、去年と比べると、今年はなんだか「こういう感じのワールド、流行ってるのかな?」という風に感じることが何度かありました。
それは単純に私が今まで気づいてなかっただけなのか、それとも今年になって表れた傾向なのかはわかりませんが、今回の記事では私が感じた今年の流行、「オムニバス形式のワールド」について紹介します。
オムニバスというのは、全体としては統一した世界観がありつつも、バラバラのテーマを持った空間が独立して存在しているワールドのことです(タカオミ独自の定義です)。
それ単体でひとつのワールドとして公開しても良さそうな空間作品たちが繋がっていて、ワールド全体に何らかのストーリーを感じさせるような構造になっているのが特徴です。空間同士の関係性を考察するという楽しみ方もできますね。
では、私が個人的に気になったオムニバス系ワールドをいくつかご紹介します!
「ORGANISM by Dr.Morro」
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この「オムニバス」という定義に当てはまるワールドの元祖がどこにあるのかはわかりませんが、オムニバス形式と聞いて最初に思いつくワールドはやはりこの「ORGANISM」でしょうか。
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前作「Olympia」も、その圧倒的な広さとクオリティの高さから多くの人が訪れていましたが、それを上回るほどのインパクトを我々に与えてくれたのがこの「ORGANISM」。ワールドの巨大さもさることながら、計4つあるエリアのそれぞれの強烈な個性と、ロシアをテーマにしたと思われる意味深な世界観で話題を集めました。
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歩き進むと、まったく様子の違う景色に出会えます。どこで写真を撮っても絵が決まる。
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非常に広く見尽くすのは大変ですが、それでも一見の価値あり。実はまだ行けていないという人はもちろん、ところどころアップデートもされている(現在のバージョンは1.5)ので、公開当初に行ったきりという方は、再訪してみると新たな発見があるかもしれません。
「Ricocheive by knfoxl」
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knfoxlさんは、オムニバス形式のワールドを多く手掛けているワールド作者です。その中でも私が度々訪れているのがこの「Ricocheive」。
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幻想的でありながら、少し寂し気な心象風景。やはりこのワールドも、どこで写真を撮っても美しい。
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冷たさと柔らかさを同時に感じるような空間演出が印象的です。
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knfoxlさんはこれ以外にも、「Archyras」「Abreapear」といったオムニバス形式のワールドを同じシリーズとして出しています(スポーン地点がエレベーターという点が共通しており、各階と各ワールドが対応しています)。
ワールド名がどれも造語っぽいのが気になりますが、何か意味があるのでしょうか…。
knfoxlさんのワールド、どれも素晴らしいのでぜひ行ってみてください!
今後公開されるであろう新たなフロアも楽しみです。
「Noratama's room by NoraTama.」
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こちらは作者のNoratamaさんが不定期に公開しているワールドです(現在は行く方法がありません)。
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「room」と銘打っていますが、ワールドはかなり広く、また明確な導線が設計されているわけではない上に、ワープギミックなどもあって、かなり複雑な構造になっています。私もかなり隅々まで見たつもりですが、ワールド内のすべてのエリアを見ることができたのかは確信がありません。
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いわゆるLiminal Spaceと言われるような雰囲気の空間が多く存在しています。作者のイマジネーションがどこから来ているのかを想像するのも楽しいですね。
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ほぼ一直線の「ORGANISM」や、空間の繋がりがわかりやすい「Ricocheive」とは違い、歩いているとなんだかよくわからないうちに違う空間に足を踏み入れている…という、まさに「現実とは異なる世界」に迷い込んだような感覚を味わうことができます。ここからこの場所に繋がるのか~!という驚きもあったり。
ちなみに同行者とはぐれた場合、合流するのはかなり難しいです。
次回の公開がいつになるのかはわかりませんが、期間限定での公開になると思いますので、ぜひお見逃しのないように!
「Ring City Stelle by Texumin」
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「ORGANISM」と似た雰囲気を感じる、廃墟らしき施設のワールドですが、公開自体は2021年の12月と「ORGANISM」以前から存在するワールドです。
スポーン地点やワールド内の各所に電話が置いてあり、受話器を取ることで別の空間にワープできます(ワープしないものもある)。
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中では小さな恐竜の機械が床を走り回っていたり、回転している食べ物が陳列されたフードコートなど、このワールドも様々なエリアが存在していますが、洋式トイレが円状に並んでいるなど、シュールな場所もあります。
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廃坑のような通路。ひとりで歩いているとかなり心細い。
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また、バッテリーらしきものを設置できるエリアがあったんですが、探索時はどうしても最後の1つが見つかりませんでした。どなたか真相を知っている人がいたら教えてください。
一般的に「クリア」という概念があるゲームや、終わりのある小説や映像と違って、ワールドの場合は「どこまで行けば終わりなのか」がわからないことが多く、この部屋も「バッテリーは探せばある」のか、「実はなんにもない」のかが不明でした。そういった点もワールドのおもしろいところですね。
以上、オムニバス形式のワールドを紹介しました。
オムニバス形式のワールドというのはエリアを移動するたびに驚きがあり、次はどんな空間があるのだろうという期待と、めちゃめちゃ怖い演出があったらどうしよう(私は怖いのが苦手)というドキドキが入り混じる体験ができ、探索していてとても楽しいです。
うろうろ歩き回って、「ここいいなあ~」と思った空間を見つけたと思ったら、その先に「うわ~、ここもいいなあ…」という空間に出会ったりする。もちろんワールドの設計にもよると思いますが、「作者の思惑に沿って歩かされている」のではなく、まるで自分が「歩いていたら空間を発見した」よ
うな気分になれるのも魅力のひとつかもしれません。
ほかにもこういった形式のワールドでオススメがあったらぜひ教えてくださいね!(でもホラワはダメです)
またこうした複数のルックを持った空間がひとつのワールドに存在している構造は、VRChatにおける写真の文化との関係もありそうな気がする、という話を探索部での活動中にしていたのですが、そのあたりの話はまたどこか別の機会でできればいいなと思っています。
では皆さま、良きワールド探索ライフを!
文・写真:タカオミ
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