72andSunny: グローバル広告業界の先駆者

1. 概要と設立

72andSunnyは、2004年にロサンゼルスとアムステルダムで設立されたグローバルクリエイティブ広告代理店です。設立者はジョン・ボイラー、グレン・コール、ロバート・ナカタ、そしてグレッグ・パーロットの4人で、現在はボイラー、コール、そして元CEOのマット・ジャーヴィスが会長を務めています。主要オフィスはロサンゼルス、アムステルダム、ニューヨークシティ、シドニーに位置しています。

2. 初期の成功と成長

設立当初から、72andSunnyは斬新なキャンペーンで注目を集めました。最初のクライアントには、Bugaboo、Microsoft Xbox、Nike、Quiksilverがありました。2009年には、Nike向けのキャンペーンでAdAgeの「Small Agency Campaign of the Year」を受賞し、その名声を確立しました。また、2008年にはグレッグ・パーロットが退職し、マット・ジャーヴィスが最高戦略責任者（CSO）として加わり、さらなる成長を遂げました。

3. MDC Partnersとの連携

2010年にMDC Partnersに買収された後、72andSunnyはGoogle、Target、Starbucks、Diageo、General Millsなどの大手クライアントを獲得しました。特に、2011年のベネトン「UnHate」キャンペーンや、Activision Call of Dutyの「ライブアクショントレーラー」での成功が注目されました。これにより、72andSunnyはクリエイティブな広告キャンペーンを通じてブランドの認知度を大きく高めました。

4. 近年の展開と影響

2015年には、「Here To Create」キャンペーンを展開し、Adidasに関する攻撃的なストーリーテリングで話題となりました。同年には「Brand Citizens」という社会的影響を重視したコンサルタントを立ち上げ、企業の社会的責任を促進しました。2017年には「Diversity Playbook」を発表し、業界に多様性の重要性を訴えました。

5. 現在の状況

2021年にはStagwellがMDC Partnersを買収し、72andSunnyはStagwellの子会社として運営されています。最近の財務データによれば、2019年には1億6400万ドルの収益を上げ、2020年には16%の有機成長を達成しました。現在も、SamsungやAppleなどの大手ブランドと連携し、革新的なキャンペーンを展開しています。

「国際プレジデント」役職を設置し、クリス・ケイを任命しました。ケイはグローバルCEOエビン・シャットに報告し、ヨーロッパおよびアジア太平洋地域のオフィスを担当します。彼はGoogle、TikTok、Indeed、Taco Bellなどのクライアントと連携し、国際ビジネスの推進を担います。ケイは以前、Saatchi & Saatchi LondonのCEOとPublicis Groupeのクリエイティブ部門責任者を務めており、72andSunnyのアジア太平洋地域オフィスの創設プレジデントでもありました。新設の役職は、72andSunnyの国際的な影響力を強化するための重要なステップです。