マスターカードweb3戦略 “迷信vs科学にチャレンジする。かつてないエクスペリアンスをユーザーに提供する(経験価値マーケティング) クォンタム•マーケティング著者ラジャさん登壇
元来、大企業のマーケティングを支えてきたマス媒体が弱体化し、GAFAMが強大化し、その影響力と脅威の中で、もがき苦悩する立場であるグローバルマーケッター。そこから脱出し、web3の概念である”分散型”でのマーケティング成功事例の実現が世界的に望まれています。その中でチャレンジするマスターカードのCMOによるプレゼンテーションがありました。ベンダー側、プラットフォーム側ではなく、事業主自らの考え方と手法に触れる機会はとても貴重です。ニューヨークで4月12日行われたNFC_NYCで注目を集めたマスターカードのセッションをレポートとし、解説をつけました。
ラジャ氏は、新しいweb3テクノロジーを駆使して、かつてない新しい経験(体験)をユーザーに提供することでマスターカードのブランド価値を上げる試みを始めたことを語りました。これは氏の著書であるQuantun Marketing(量子マーケティング)に書かれていることを実践していることでしょう。彼の書評は”マーケティング界のコペルニクスが出現した”と言われており、web3のような最新テクノロジー+テクノロジー+従来型経験価値マーケティング+リスクを恐れないマスターカードという現在最先端スーパースターによるチャレンジと見ていくべきということに気づかされます。
マスターカードが提供するアクセラレータプログラム(音楽関連のプログラム)は、タレントを発掘し、メタバース上にスペースを作り、暗号通貨や中央銀行のデジタル通貨を扱い、ビデオやツールなどを提供しています。このプログラムは、ミュージシャンや熱心なファン、そして音楽関連の人々を結びつけることを目的としています。前回のプログラム発表時には、6.5千件以上の応募がありました。現在も多数の参加があり、プログラムが大きな話題となっています。
音楽や映画に特化し、アーティストに必要な教育やリソースを提供し、彼らの収益化を支援しています。また、ブロックチェーンや人工知能にも力を入れており、音楽産業を変えることを目指しています。マスターカードマーケティングチームを通じて、大規模なIPホルダーや消費者ブランド、加盟店開発者のエコシステムアドバイザーとの結合組織として機能しています
ここで抑えたいのは、web3の機能であるP to P機能の中で行われるギャラのやりとりを含む金融データを分析して、それを交流の拡大に転換させようという試み。告知、啓蒙、顧客リレーションサービスから一歩進んで、サプライチェーン、取引フェーズまでをも提供側が意識しているところです。
体験型アクティビティに投資している人たちが、イノベーションとデジタルトランスフォーメーションに影響を与えることは素晴らしいことです。企業やブランドは、お客様について学び、デザインや製品の決定に戻ることで、より賢明な判断を下すことができます。マスターカードは、人々がより親密になるためのパイプ役として、キャッシュレス決済を推進しています。私たちは、コーポレートスピーチのようなメッセージングを通じて、市場でこの理解を促進することを目指しています。この戦略の実行には、データやインサイトの活用、パートナーシップの構築、コミュニケーションの最適化が必要です。私たちは、お客様にとって魅力的でパーソナルなエクスペリエンスを提供することで、より深いつながりを築き、マスターカードの成功につなげていきたいと考えていますとしてセッションを締めました。
この経験価値マーケティング戦略を理解するには、この本が必須。
経験価値マーケティング―消費者が「何か」を感じるプラスαの魅力
※日本語で書かれている経験価値マーケティングのコラムは、ニセモノも多いので注意する必要あり
ラジャさんが発信しているマスターカードのニュースレターMarketing Sence
日本語記事
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