砂の女 読書感想

自分が過去に読んだ本を紹介していこうと思います。
第一回は砂の女です。
私のような愚民が安部公房さんのような神の領域のお方の本を紹介するのも恐れ多いですが
紹介します。
まず、この本は、とても読みやすいです。今まで漂流記とか、戦記とかしかよんでなくて
文学作品(?)は読んだことがなかったんですが、すらすらと読むことができました。
内容を大雑把に解説すると、日常生活に疑問を抱いた男が、虫取りに出かけて
砂丘?のなかの、砂の穴に迷い込んで生活するストーリーです。これだけだと意味不明ですが
ぶっ飛んだストーリーにもかかわらず、描写がリアルで違和感を感じません。
登場人物は主人公とタイトルになっている女(砂の女)しかほとんど出てきません。
砂の穴に入り込んでしまった男が、初めは脱出しようとするのですが
次第に砂の中の生活自体に、生きがいを見出していく様が描かれています。
この砂の中の生活に意味を見出す感じが、自分の生活と似ているようで、どんどんストーリーに引き込まれてしまいました。
この本には、印象的な言葉がいくつも出てくるのですが
自分が、気になったのは「孤独とは、幻を求めて満たされない、渇きのことなのである」という一文です。この話のキーワードとなっている気がします。
日常の生活に疑問を抱いて、悶々としている人にお勧めかもしれません。

#砂の女 #安倍公房

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