~風に語りて~

野坂昭如が芥川賞を受賞した
「蛍の墓」について
野坂は「僕は実は妹の食べ物を奪って食べていた。
だから僕は死んだら地獄へ行くんです。」
と正直な部分を語ったことがあり、私は驚愕した。
妹の食べ物を食べた兄は
芥川賞を獲って有名人になり妹は死んだ

高校の頃野坂昭如が講演に来るというので
講堂に多数の文学青年が集まった。
ところが野坂は1時間ぐらい遅れて現れ
あまり意味のないことをしゃべった。
「戦後僕は戸山ハイツに住んでいてこの高校には
水をもらいにきた恩義があるので今日は来ただけです」

そして自作の曲を2曲アカペラで歌って講演を終えた
「マリリンモンローノーリターン」と
「ローエンロー、ローエンロー振り返るなローンロン」
だったが正確な曲名は知らない

ふと見るとすぐ横で国語のK先生が
野坂を睨み付けていることに気が付いた
先生は国立広島大卒で小林秀雄の追っかけをしていたと
話したことがあった
博学で、おそらく小説家か評論家を目指していたのだと思う
だが先生は有名予備校の国語衛星授業担当になり
夢がかなったとは言えなかった
世の中の国語教師には、K先生のようなかたが多いと思う

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